シガテラ (漫画)
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『シガテラ』は古谷実原作の漫画。商業誌連載第5作目。2003年から2005年にかけて週刊ヤングマガジン誌上にて連載。単行本は全6巻。
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[編集] 概要
ある男子高校生の周囲に起こる様々な出来事を、日常を蝕む非日常=「毒」という切り口で描いている。シガテラとは、元々はある種の魚類が持つ毒素およびそれによって引き起こされる食中毒の総称である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
- 荻野優介(おぎの ゆうすけ)
- 高校生。成績はあまり良くなく、容姿も中の下といったところ。将来の夢も特に持っていない。それどころか、いじめられっこでうだつの上がらない自分に自信が持てないでいる。学校では、谷脇からひどいいじめを受けている。ふとしたきっかけからバイクに興味を持ち始め、教習所に通いだすが、そこで南雲ゆみと出会い交際するようになる。そんな彼の身に、非日常という毒が度々襲い掛かる。極度の緊張・興奮状態に陥ると暴走し、訳の分からない言動を起こす面があり、南雲はその状態を「バーニング荻野」と呼んでいる。
- 高井貴男(たかい たかお)
- 荻野のクラスメイトで親友。父がレストランを複数経営する裕福な家庭に生まれるが、荻野同様、谷脇からいじめの標的とされている。荻野に対するいじめは暴力や屈辱的行為の強要だが、高井に関しては家が裕福なだけに現金の恐喝だけで済んでいる。
- 谷脇(たにわき)
- 荻野とはクラスが違うが同学年。腕力は滅法強く、高井と荻野をいじめている。そのいじめが原因で、後に生命の危機に瀕することになる。
- アキ子(あきこ)
- 谷脇の交際相手。荻野らと同学年。荻野をいじめる谷脇を一応、止めようとする。容姿も垢抜けており、谷脇への想いは一途。
- 坂月みわ(さかづき みわ)
- 荻野らと同学年。不美人。援助交際をしていたり、虚言癖があることから、学校中の人間に嫌われている。荻野は、高井以外には誰にも内緒で通っている教習所で偶然坂月と出会ってしまい、数々の意味不明な行動を取られることになる。
- 南雲ゆみ(なぐも ゆみ)
- 荻野の一歳年上。荻野とは学校が違う。教習所で荻野と出会い、二人は交際を始める。かなりの美人で頭脳明晰、スタイルもよく、荻野は当初、自分は騙されているのではないかと思ったほど。ホラー映画好き。しっかりした性格で、迷走する荻野を戒めたり、的確な助言をする。
- 田島あいこ(たじま あいこ)
- 南雲の同級生。南雲の親友。荻野と南雲の交際を橋渡しするが、荻野と田島はあまりそりが合わず、いつも口げんかをしている。
- 「森の狼」(もりのおおかみ)
- 高井がインターネットを通じて谷脇に復讐するよう依頼する。その結果、「森の狼」はとんでもない蛮行に及ぶ。
- 斉藤一樹(さいとう かずき)
- 荻野と同じクラス。バイク雑誌を見ていたことから、荻野がツーリングに誘う。田島は彼に一目惚れし、うまく近づけるよう荻野に強要する。偶然、荻野の携帯電話を拾ってしまう。
- 金造(きんぞう)
- 斉藤の友人。睡眠薬を利用し、南雲と田島を呼び出してレイプしようと斉藤に持ちかける。
- 新林(にいばやし)
- 南雲のバイト先である弁当屋の主任。30歳。自分は孤児だった、性的不能であるなどと南雲を騙して猥褻な行為に及ぼうとする。
- 越ミツヒロ(こし みつひろ)
- 荻野のバイト先であるコンビニの同僚。荻野と同学年だが別の有名進学校に通っている。中学生の頃までいじめられていたという経験から、荻野と親しくなる。
- 太田りつ子(おおた りつこ)
- 越の交際相手。しかし越は彼女を友達としか思えず、別れを告げる。振られた彼女は、ヤケクソ気味に荻野に自分を慰めるよう強要する。
- 村岡ハルエ(むらおか はるえ)
- 荻野の同級生。クラスでは地味だったが、大学受験の時期に偶然街で出会った彼女は容姿も服装も垢抜けていた。知り合いの美容師とともに、常人には難解な映像作品を制作している。荻野にも奇妙な作品への出演を依頼する。
- ユウコ
- 最終話のみに登場。社会人になった荻野の交際相手。
[編集] 最終話
最終話直前の回と最終回でこの作品のテーマがある程度明らかにされる描写がある。 また、最終話は主人公荻野が将来どのような人間になったかが描かれている。荻野は「自分は大人になった」「つまらない奴になった」と自己分析をする。 この作品においての作者の「人生とはどんなものか」という問いに作者なりの見解を示しているといえよう。