ザ・ムーン
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『ザ・ムーン』は、ジョージ秋山による漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)において、1972年14号から1973年18号まで掲載された。サンコミックス(朝日ソノラマ)にて単行本化され、後に文庫化もされている。
目次 |
[編集] あらすじ
ザ・ムーンとは、大富豪の魔魔男爵が数兆円を費やして作り上げた巨大ロボットである。「神は死んだ」と語る男爵は、悪がはびこる世界への怒りから力こそ正義であると考え、新たな神としてムーンを作った。そして本当の正義を見つけ出せる純粋な心を持った少年たちにその操作を預ける。サンスウ・シャカイ・カテイカ・タイソウ(サンスウの弟)・ズコウ・リカ兄弟(双子)・オンガク・ヨウチエン(オンガクの弟)という、変わった名前を持つ9人の少年少女たちが心を合わせた時に、ムーンは動く。(般若心経を唱えて精神統一を行ない、念力で 空中浮遊~飛行も可能となる)
少年たちは、真の正義と平和のためと言って日本に水爆を落とそうとする連合正義軍[1]や、老人の悲哀を訴えて悪事を尽くす春秋伯爵を相手に、人びとの幸せのために勇敢に戦い続ける。男爵の手下である糞虫という不思議な忍者風の男がそれを助けてゆく。少年読者を意識した設定ながら、街なかに晒される生首や、ハンマーで額に釘を打つ殺人者など、秋山独特の不気味な描写に彩られて物語は展開し、少年漫画とは思えない結末へと向かってゆく[1]。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
最終章で巨大な円盤に乗って現れたケンネル星人は、地球との友好関係を求めていた。しかし利益と権力のために宇宙人を利用しようとする商人が、ケンネル星人の一人を殺害し、さらに政府要人を次々と暗殺し始める。ケンネル星人は特殊なカビを発生する機械を地球の何処かに設置して、地球は1年で滅びる、それを防ぐ事も出来るが方法は自分で考えろと地球人に通告する。少年たちはムーンとともに機械の設置場所を目指すが、カビに侵され、その死が迫る。それでも残された生命の全てを人びとのために使おうと、機械の間近に到るも力尽き、ムーンの流す涙とともに物語は閉じられる。
以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 書誌情報
- サンコミックス(1975年、朝日ソノラマ、全6巻)
- 小学館文庫(1997年4月 - 5月、小学館、全4巻)
[編集] 脚注
- ^ a b 小学館文庫1巻所収の「七十年代を反映させた少年マンガ」で西村繁男は、連合正義軍と連合赤軍事件や三島由紀夫の自殺との関連などを指摘した上で、滅びを予感させる結末も現実世界を暗示させるものであり、多くの示唆がこめられた作品である事を述べている。