ゴリ
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ゴリ（鮴）は、典型的なハゼ類の形をした淡水魚を呼ぶときの一般名、地方名である。
この名で呼ばれる魚は地方によって異なる。スズキ目・ハゼ科に属するヨシノボリ類、チチブ類、ウキゴリ類など小型のハゼ類や、カサゴ目・カジカ科に属するカジカ類、あるいはその両方を合わせて呼ぶ場合などがある。ただし「ゴリ」が標準和名に組みこまれているのは、ハゼ科・ウキゴリ属のウキゴリ類だけである。
川底に生息する淡水魚で、ハゼ類に典型的な大きな頭部、飛び出した目、大きな口などが特徴である。体色は褐色-暗褐色。大抵の種類が全長数 cm 程度の小型魚である。一般に種類ごとの特徴がわかりにくく、よく似ている。ハゼ科の「ゴリ」では、2枚の腹鰭が合わさって1つの吸盤になっており、これで水底の岩などに吸い付くことで流れの比較的速い川にも生息できる。カジカ類の腹鰭は吸盤にはなっていない。
[編集] 各地のゴリとゴリ料理
北陸から丹後にかけての地方では、カサゴ目・カジカ科のカジカ、ウツセミカジカ、アユカケ（カマキリ）などの淡水産カジカ類をゴリと呼ぶ。特に石川県金沢市周辺ではこれらの魚を用いた佃煮、唐揚げ、照り焼き、白味噌仕立てのゴリ汁など「ゴリ料理」が名物となっている。
一方、全国的には、淡水に生息するハゼ類がゴリと呼ばれる場合が多い。琵琶湖近郊ではハゼ科のヨシノボリのことをゴリと呼ぶが、高知県、特に四万十川ではハゼ科のチチブの幼魚をゴリと呼ぶ。各地でその地方で獲れる「ゴリ」が、唐揚げ、佃煮などの料理や出汁をとるのに用いられる。
[編集] 関連事項
- ごり押し
- ハゼ科の「ゴリ」は、吸盤状の腹ビレで川底にへばりつくように生息するため、漁の際には網が川底を削るように、力を込めて引く必要がある。この漁法が、抵抗があるところを強引に推し進めるという意味の「ごり押し」の語源となっているという説がある。
