グラバー園
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グラバー園(グラバーえん)とは、長崎県長崎市南山手町の斜面上にあり、旧グラバー邸などの西洋館がある公園。以前は長崎市民は無料で入場できていたが、2007年10月より市民も通常料金が必要になった。
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[編集] 建造物
グラバー、リンガー、オルトの旧邸があった敷地に、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移築している。
[編集] 西洋館
- 旧グラバー住宅
- 貿易商であり、グラバー商会を設立したトーマス・ブレーク・グラバーが住んでいた日本最古の木造洋風建築。裏手には馬小屋や貯蔵庫なども残っている。フリーメイソンのマークもある。1939年(昭和14年)に所有が長崎造船所へと移ったが、1957年(昭和32年)には同造船所の創業100周年を記念して長崎市へ寄贈された。1961年(昭和36年)6月7日、国の重要文化財に指定。
- 旧リンガー住宅
- グラバー商会に勤め、ホーム・リンガ商会を設立したフレデリック・リンガーの旧邸。企画展示などが行なわれている。1966年(昭和41年)6月11日、国の重要文化財に指定。
- 旧オルト住宅
- オルト商会を設立し、製茶業を営んでいたウィリアム・オルトの旧邸。裏手には厨房や貯蔵庫、使用人の住まいなどがある。明治13年から同15年には活水女学校が仮校舎として使用した後、フレデリック・リンガーが購入してその長男が昭和15年2月まで住居。1972年(昭和47年)5月15日、国の重要文化財に指定。
- 旧ウォーカー住宅
- ウォーカー商会を設立したロバート・ネール・ウォーカーJrの旧邸。4つの部屋がある。もとは大浦天主堂の隣に建てられていた。
[編集] その他建造物
- フリーメイソン・ロッジの門
- フリーメイソンのシンボルが入った門
- 旧三菱第2ドックハウス
- 1896年に、三菱重工業長崎造船所第2ドックのわきに休憩宿泊施設として建てられた建物。園内で最も高いところにある。内部には、長崎造船所で造られた船の模型や写真の展示などがある。
- 旧長崎高商表門衛所
- 長崎高等商業学校(現長崎大学経済学部)創立時の建物。外側は洋風だが中は畳敷きである。
- 旧長崎地方裁判所庁舎
- 居留地外から移設したもの。現在は建物内部にレトロ写真館が営業している。
- 旧スチイル記念学校
- 東山学院の本館。
- 旧自由亭
- 1878年に作られた西洋料理店「自由亭」の建物。現在は、2階が喫茶室となっている。
[編集] 公園へのアクセス
長崎電気軌道の大浦天主堂下電停から坂道を上っていき、第1ゲートから入場するのが一般的であるが、石橋電停から歩いて1分の所にあるグラバースカイロードを利用し、最も高いところにある第2ゲートから入場する方法もある。第1ゲートから入場しても園内にある動く歩道で第2ゲート脇まで上るので、園内を散策するコースには変わりがない。
また、大浦天主堂方面から来る方法もある。大浦天主堂の脇にグラバー園への道があるので、大浦天主堂を参観してからグラバー園に回る場合には、そちらの方からアクセスするのが利便性がよい。
[編集] 公園内の移動
前述のように、最も高いところから低いところへ移動するような散策コースが取られている。また、旧オルト邸宅、旧スチイル記念学校を除き、車椅子で移動できるようにバリアフリー対策ができている。斜面上にあるため、一部急な傾斜部分があるが、それほど大きな障害はない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- グラバー園公式ページ
- 長崎県教育委員会
- グラバー邸(長崎文化百選 - 74) - 長崎文化ジャンクション(長崎県)