クロイワトカゲモドキ
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?クロイワトカゲモドキ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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種の保全状態評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) G. k. kuroiwae クロイワトカゲモドキ 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)G. k. orientalis マダラトカゲモドキ G. k. toyamai イヘヤトカゲモドキ |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Goniurosaurus kuroiwae Namiye, 1912 |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
クロイワトカゲモドキ リュウキュウトカゲモドキ |
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英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Kuroiwa ground decko Ryukyu grounded gecko |
クロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目トカゲモドキ科トカゲモドキ属に分類されるトカゲ。別名リュウキュウトカゲモドキ。
目次 |
[編集] 分布
- G. k. kuroiwae クロイワトカゲモドキ
- G. k. orientalis マダラトカゲモドキ
日本(阿嘉島、伊江島<絶滅?>、渡嘉敷島、渡名喜島)固有亜種
- G. k. splendens オビトカゲモドキ
日本(徳之島)固有亜種
- G. k. toyamai イヘヤトカゲモドキ
日本(伊平屋島)固有亜種
- G. k. yamashinae クメトカゲモドキ
日本(久米島)固有亜種
[編集] 形態
全長20cm。体色は黒や暗い紫色。そこに赤い斑紋が入るものもある。
尾には白い横縞が入る。また輪状に小さく尖った突起が並んでいるが、再生尾にこの突起は見られない。
- G. k. kuroiwae クロイワトカゲモドキ
背面の斑紋は変異が大きく、正中線上に縦縞が入ったり白い斑点が入るのみの個体もいる。腹面の鱗は瓦状。虹彩は赤褐色や赤紫色。
- G. k. orientalis マダラトカゲモドキ
胴体にピンク色の横縞が3-5本と細かい斑点、正中線上に途切れた縦縞が入る。腹面の鱗は瓦状。虹彩は赤褐色や赤紫色。
- G. k. splendens オビトカゲモドキ
胴体にピンク色の横縞が3本入る。腹面の鱗は厚みのある粒状。虹彩は赤褐色や赤紫色。
- G. k. toyamai イヘヤトカゲモドキ
体形は太め。胴体にピンク色の横縞が3-5本入る。腹面の鱗は瓦状。虹彩は赤褐色や赤紫色。
- G. k. yamashinae クメトカゲモドキ
胴体に黄色の横縞が4本入る。腹面の鱗は瓦状。虹彩は黄色や黄褐色。指の付け根に大型鱗はなく、逆に掌に大型鱗が見られる。
[編集] 亜種
- Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae Namiye, 1912 クロイワトカゲモドキ Kuroiwa's ground gecko
- Goniurosaurus kuroiwae orientalis (Maki, 1930) マダラトカゲモドキ Spotted ground gecko
- Goniurosaurus kuroiwae splendens (Nakamura et Uéno, 1959) オビトカゲモドキ Banded ground gecko
- Goniurosaurus kuroiwae toyamai Grismer, Ota et Tanaka, 1994 イヘヤトカゲモドキ Toyama's ground gecko
- Goniurosaurus kuroiwae yamashinae (Okada, 1936) クメトカゲモドキ Yamashina's ground gecko
[編集] 生態
常緑広葉樹林や石灰洞に生息する。夜行性で、昼間は倒木の下や洞窟で休む。外敵に襲われると尾を持ち上げ振るわせて注意を引く威嚇行動を取る。それでも相手が怯まない場合は尾を自切して逃げる。
繁殖形態は卵生で、5-8月に1回に2個の卵を2、3回産む。
[編集] 人間との関係
生息地ではアシハブやジーハブと「足のあるハブ」を意味する方言で呼称されるが、毒はない。
開発による生息地の破壊や、ペットや販売目的の違法採集、人間により持ちこまれたノイヌ、ノネコ、ジャワマングース、タイワンハブ、ウシガエルによる食害等により生息数は激減している。1978年に沖縄県指定の天然記念物に指定されたが、鹿児島県に分布する亜種オビトカゲモドキは近年まで飼育することができた。しかし2003年に亜種オビトカゲモドキも鹿児島県指定の天然記念物に指定されたため、現在では本種の採集および飼育は亜種にかかわらず禁止されている。
[編集] 関連項目
- トカゲモドキ科
- トカゲモドキ属
- 両生類・爬虫類レッドリスト (環境省)
[編集] 参考文献
- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、140頁。
- 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社、1986年、160頁。
- 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、316頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館、2004年、90頁。
[編集] 外部リンク
- 2007 IUCN Red List of Threatened Species
- World Conservation Monitoring Centre 1996. Goniurosaurus kuroiwae. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species.
- 環境省 自然環境局 生物多様性センター