カンラン石
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橄欖石(かんらんせき、olivine)は、マグネシウムや鉄の珪酸塩鉱物の一種。オルソ(ネソ)珪酸塩鉱物である。
英名は植物のオリーブに似た緑色を呈していることから付けられたが、日本語に訳する際に中国原産の常緑樹である「橄欖」と取り違えて命名された。「橄欖」の漢字が難しいので、通常はカンラン石あるいはかんらん石と書かれる[1]か、英名そのままでオリビンと呼ばれる。
ガラス光沢で色は黄緑色。形状は粒状または短柱状結晶。玄武岩などの塩基性岩や超塩基性岩に多く含まれる。鉄に富むカンラン石はまれに花崗岩などに含まれることもある。また、緑色のもので特に美しいものは、ペリドット(peridot)とよばれ宝石にされる。
カンラン石が主要構成鉱物である岩石をカンラン岩という。マントルの上部は主にかんらん岩から構成されていると考えられている。
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[編集] 性質・特徴
化学組成は (Mg,Fe)2SiO4。Mn、Ni、Ti を少量含む。斜方晶系。比重は3.2~3.8。モース硬度は7。
[編集] 種類
- 苦土橄欖石(forsterite、フォルステライト)
- 化学式 : Mg2SiO4。色 : 白色、黄緑色、条痕 : 白色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 : 7。比重 : 3.2。
- 鉄橄欖石(fayalite、ファヤライト)
- 化学式 : Fe2SiO4。色 : 褐色、黒色、条痕 : 淡褐色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 : 6.5。比重 : 4.4。
- テフロ石(マンガン橄欖石、テフロ橄欖石、tephroite、テフロアイト)
- 化学式 : Mn2SiO4。産出は限られる。
- モンチセリ石(モンチセリ橄欖石、monticellite、モンティセライト)
- 化学式 : CaMgSiO4。産出は限られる。
[編集] 脚注
- ^ 文部省 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。(オンライン学術用語集)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 森本信男 『造岩鉱物学』 東京大学出版会、1989年、ISBN 4-13-062123-8。
- 松原聰・宮脇律郎 『国立科学博物館叢書5 日本産鉱物型録』 東海大学出版会、2006年、ISBN 978-4-486-03157-4。
- 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
[編集] 外部リンク
- Olivine Group(mindat.org)
- Olivineグループ(地球資源論研究室)