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カダヤシ - Wikipedia

カダヤシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

?カダヤシ

カダヤシのメス

カダヤシのオス
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
上目 棘鰭上目 Actihopterygii
カダヤシ目 Cyprinodontiformes
亜目 カダヤシ亜目 Cyprinodontoidei
カダヤシ科 Poeciliidae
亜科 カダヤシ亜科 Poeciliinae
カダヤシ属 Gambusia
カダヤシ G. affinis
学名
Gambusia affinis
(Baird et Girard, 1853)
和名
カダヤシ
英名
Mosquitofish
Topminnow

カダヤシ(蚊絶やし、学名:Gambusia affinis)は、カダヤシ目・カダヤシ亜目・カダヤシ科・カダヤシ亜科に分類される魚。北アメリカ原産の外来種で、日本でも分布を広げている。

英名は Mosquitofish または Topminnow で、日本でもタップミノー、またはアメリカメダカといった別名がある。

目次

[編集] 形態

全長はオス3cm、メス5cmほどで、メスのほうが大きい。外見はメダカによく似る。メダカとカダヤシは分類上では全くの別種であるどころか、別の系統の魚とされる。メダカはダツ目なのに対し、カダヤシはグッピーヨツメウオなどと同じカダヤシ目である。しかし、外見では、特に上からでは判断できないくらいに似ている。

メダカとカダヤシの区別点は尻びれと尾びれである。カダヤシの尾びれは丸く、メダカの尾びれは角ばっている。また、メダカの尻びれがオスメスとも横長の四角形なのに対し、カダヤシはメスの尻びれが縦長で小さく、オスの尻びれは細長い交尾器に変化している。

[編集] 生態

本来の分布域はメキシコ湾に注ぐ河川の流域で、メダカと同じく、流れのあまりない淡水域や汽水域に生息する。メダカより汚染に強いが、グッピーほどではない。また、グッピーよりは低温に耐えられるが、メダカほどではない。

食性は肉食性が強く、プランクトンや小型の水生昆虫、魚卵、稚魚などを捕食するが、藻類を食べることもある。一方、天敵は肉食魚類や淡水性のカメ水鳥などである。

カダヤシは卵胎生である。繁殖期はからにかけてで、メスはオスと交尾して体内で受精ふ化させ、一度に100尾ほど、時には300尾以上の大量の仔魚を産出する。成長は早く、春に仔魚として誕生した個体が秋には繁殖に参加する。

[編集] 外来種としての経緯

カダヤシのもともとの分布域はミシシッピ川流域を中心とした北アメリカ中部だが、ボウフラ幼虫)を捕食し、また水質浄化に役立つとして、明確な根拠はなかったものの世界各地に移入された。移入されたカダヤシは強い適応力で分布を広げ、今や熱帯温帯域の各地に分布する。

日本に分布するカダヤシは1916年台湾経由で持ちこまれ、1970年代に急速に分布を広げた。2000年頃には福島県以南の各地で分布が確認されている。

繁殖力が強く成長が早いうえ、自種を含む淡水魚の卵や稚魚を多く捕食するので、日本における近年のメダカ減少の原因の一つにも挙げられている。いつの間にやら水域のメダカがカダヤシに置き換わっていたということもあるが、一般にはカダヤシという種の存在さえあまり知られておらず、置き換わっていると気づかれないことが多い。

日本以外でも在来の小型淡水魚がカダヤシに駆逐され、絶滅が危惧されるほどに減少する事態が発生している。2006年2月には外来生物法施行令により、特定外来生物として指定された。これにより日本国内での、特定外来生物としての輸入、販売、頒布、譲渡、飼養が制限を受け、放つことが禁止され、最高三年の懲役、または三百万円の罰金刑の対象となっている。

またカダヤシは、国際自然保護連合(IUCN)が選定した「世界の外来侵入種ワースト100」[1]および日本生態学会が選定した「日本の侵略的外来種ワースト100」[2]に入っている。

上記のように汚染に強い性質もあり、都市や市街地周辺では次第にカダヤシがメダカを駆逐する場合が多い。自然の残った場所や、特に流水がある場合、メダカが残ることが多いとの報告もある。なお、沖縄ではさらに汚染の進んだところをグッピーが占める。

[編集] 脚注

  1. ^ IUCN日本委員会「世界の外来侵入種ワースト100」
  2. ^ 日本生態学会「日本の侵略的外来種ワースト100」


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