オーバードライブ (音響機器)
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オーバードライブ (Over Drive)とは歪んだ音色を得るエフェクターである。
楽器用アンプにおいて、楽器入力側から過大な入力電圧を加えるか過大増幅になったとき、アンプの限界で飽和し、出力音が歪んでしまう(オーバードライブ overdrive 元は‘酷使’の意)。特にエレキギターにおいては歪むことで倍音が付加され、音が伸びやかになり整うことから、エレキギター‘らしい’音色形成の重要な要素であり、いきおい、ギターアンプはそのごく初期から歪み易いように設計されているものが多い。 特に真空管を使用した楽器用アンプでは最大限に近い音量を出したとき、あるいは前述のブースターを用い過大入力したときの歪み具合が好まれたが、アンプ自体の負担も大きかったため、改造・回路の工夫によって任意の音量下でも容易に歪みが得られるよう制御し易くなった製品が好まれた。オーバードライブはそれを主に半導体回路で模すことにより、エフェクターとしたものである。代表的なものは、BOSSの「OD-1」・「SD-1」、アイバニーズ(Ibanez)の「Tube Screamer TS-9」などがある。