ウィル・クラーク

ウィル・クラーク（Jack Anthony Clark , 1964年 5月13日 - ）はアメリカ・メジャーリーグで活躍した元野球選手。内野手（一塁手）。左投左打。アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズ出身。ニックネームは「Will the Thrill」（高校時代のクラスメイトがつけたニックネーム）及び「The Natural」。

[編集] 人物・来歴

ミシシッピ州立大時代の1985年に全米大学選抜チーム入り。その年のドラフトでサンフランシスコ・ジャイアンツからマイナーリーグでのデビュー戦の初打席では、調整登板していたロサンゼルス・ドジャースの名投手フェルナンド・バレンズエラからホームランを打つ。翌1986年 4月8日に早くもメジャーデビューを果たすと、デビュー戦で通算最多奪三振のノーラン・ライアン（当時ヒューストン・アストロズ）からメジャー初打席本塁打を打つ。ルーキーイヤーの1986年は111試合で打率.287、11本塁打、41打点。新人王は当時の新人記録となる36セーブをマークしたトッド・ウォーレルに譲ったが、投票でも上位に入る活躍。

翌1987年は打率.308、35本塁打、91打点の活躍でチーム16年ぶりの地区優勝に貢献。 1988年には初のオールスター出場を果たし、全162試合に出場して109打点をあげ、打点王のタイトルを獲得。 1989年には打率.333、23本塁打、111打点をあげてチームの地区優勝に貢献。シカゴ・カブスとのナ・リーグチャンピオンシップシリーズ第1戦（リグレー・フィールド）では、カブス先発のグレッグ・マダックスから、3回表にソロ本塁打を、4回表に満塁本塁打を打った（後述）。ジャイアンツが3勝1敗と王手をかけて迎えた第5戦（キャンドルスティック・パーク）では1-1と同点の8回裏に、クローザーのミッチ・ウィリアムズから、2点タイムリーヒットを打つ。この活躍でクラークはこのシリーズのMVPに選ばれ、チームは27年ぶりのワールドシリーズ出場を果たした。オークランド・アスレチックスとのワールドシリーズでは良いところなく4連敗で敗れたが、これが唯一のワールドシリーズ出場となった。東西地区制最後の年となった1993年に、チームは103勝をあげるが、わずか1ゲーム差でアトランタ・ブレーブスの後塵を拝し、その年限りでフリーエージェント（FA）でチームを離れる。

移籍先にはルイジアナの自宅に近いテキサス・レンジャーズを選ぶ。チームは1996年と1998年に地区優勝し、プレイオフ進出を果たすが、いずれもディビジョンシリーズでニューヨーク・ヤンキースに敗れる。 1999年にはボルチモア・オリオールズに移籍し、6月15日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で通算2,000本安打を達成。ただしこの年は故障のため77試合の出場に終わる。 2000年途中に、マーク・マグワイアの故障で一塁手を探していたセントルイス・カージナルスに移籍。移籍後、51試合に出場して打率.345、12本塁打、42打点の活躍でチームをナ・リーグ中地区優勝に導く。特に、移籍最初の試合からは4試合連続本塁打の活躍で、復調を印象付けた。ディビジョン・チャンピオンシップシリーズではブレーブスを寄せ付けず、ニューヨーク・メッツとのリーグチャンピオンシップシリーズに進出。クラークはそのシーズン限りの引退を発表するが、チームはメッツに1勝4敗で敗れ、10月16日に行われた第5戦で、3打数1安打を最後に現役を引退した。

2006年には大学野球殿堂入りを果たす。

年度	チ丨ム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	盗塁死	四球	三振	打率	出塁率	長打率	塁打	犠打	犠飛	敬遠	死球	併殺打	O P S
1986	SF	111	408	66	117	27	2	11	41	4	7	34	76	.287	.343	.444	181	9	4	10	3	3	0.787
1987	SF	150	529	89	163	29	5	35	91	5	17	49	98	.308	.371	.580	307	3	2	11	5	2	0.951
1988	SF	162	575	102	162	31	6	29	109	9	1	100	129	.282	.386	.508	292	0	10	27	4	9	0.894
1989	SF	159	588	104	196	38	9	23	111	8	3	74	103	.333	.407	.546	321	0	8	14	5	6	0.953
1990	SF	154	600	91	177	25	5	19	95	8	2	62	97	.295	.357	.448	269	0	13	9	3	7	0.805
1991	SF	148	565	84	170	32	7	29	116	4	2	51	91	.301	.359	.536	303	0	4	12	2	5	0.895
1992	SF	144	513	69	154	40	1	16	73	12	7	73	82	.300	.384	.476	244	0	11	23	4	5	0.860
1993	SF	132	491	82	139	27	2	14	73	2	2	63	68	.283	.367	.432	212	1	6	6	6	10	0.799
1994	TEX	110	389	73	128	24	2	13	80	5	1	71	59	.329	.431	.501	195	0	6	11	3	5	0.932
1995	TEX	123	454	85	137	27	3	16	92	0	1	68	50	.302	.389	.480	218	0	11	6	4	7	0.869
1996	TEX	117	436	69	124	25	1	13	72	2	1	64	67	.284	.377	.436	190	0	7	5	5	10	0.813
1997	TEX	110	393	56	128	29	1	12	51	0	0	49	62	.326	.400	.496	195	0	5	11	3	4	0.896
1998	TEX	149	554	98	169	41	1	23	102	1	0	72	97	.305	.384	.507	281	0	7	5	3	15	0.891
1999	BAL	77	251	40	76	15	0	10	29	2	2	38	42	.303	.395	.482	121	0	3	2	2	5	0.877
2000	※1	130	427	78	136	30	2	21	70	5	2	69	69	.319	.418	.546	233	0	4	3	7	7	0.964
通算	15年	1976	7173	1186	2176	440	47	284	1205	67	48	937	1190	.303	.384	.497	3562	13	101	155	59	100	0.881

1989年のチャンピオンシップシリーズ第1戦でマダックスから満塁本塁打を打った際には、マウンドで捕手のジョー・ジラルディと話すマダックスの唇を観察し、マダックスが「内角高目のファストボール」と言っているのを読み取った。そして、初球の内角高目の速球をホームランにした。
マダックスはその時点でメジャー昇格後満塁本塁打を打たれたことがなく、公式戦については1995年にベニート・サンティアゴに打たれるまで継続した。

この項目「ウィル・クラーク」は、野球選手に関する書きかけの項目です。加筆、訂正などをして下さる協力者を求めています（PJ野球選手）。