アングマールの魔王
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アングマールの魔王(Witch-king of Angmar、? - 第三紀3019年3月15日)はJ・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『指輪物語』の登場人物。 周囲に恐怖を撒き散らす指輪の幽鬼の首領であり、北方王国アルノールを滅ぼした、アングマール王国の君主。またゴンドールの最後の王エアルヌアを殺し、王統を絶った。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
アングマールの魔王はかつては黒きヌーメノール人の王であったといわれる。第二紀に、彼は領土の統治を助けるために九つの力の指輪の一つを与えられた。彼と他の8名はサウロンの策略にはまり、サウロンは彼らをナズグールにした。彼は幽鬼の首領となり、サウロンの第一の臣下となった。彼は後にアングマールを支配してアルノール王国を滅ぼし、次いでミナス・イシルを包囲して占領し、ミナス・モルグルと改名して居城とした。ゴンドールの王エアルヌアはかつてフォルノストの合戦でアルノールから魔王を放逐したが、彼を殺すことはできなかった(このときノルドールのエルフの貴族グロールフィンデルがエアルヌアに「魔王は人間の男の手で殺されることはないだろう」と予言した)ため、後にアングマールの魔王の挑戦を受けて、(グロールフィンデルの予言の忠告に逆らい)ミナス・モルグルへ一騎打ちに行き、決して帰ることはなかった。この日から約千年後のエレッサール王の戴冠まで、ゴンドールの王権を主張するものはなく、ゴンドールは執政によって統治された。
彼は一つの指輪の探索を率い、後にモルドールの軍を率いてミナス・ティリスを攻撃した。ここでかれはローハンのセオデン王の姪エオウィンとホビットのメリアドク・ブランディバックによって殺され、かくして「人間の男の手で殺されることはない」という予言は成就した。