アレクサンダー (カクテル)
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アレクサンダー (Alexander) とは、ジンあるいはブランデーベースのカクテルである。生クリームとクレーム・ド・カカオの甘さが酒の強さを消し、飲みやすいカクテルとなっている。食後酒として飲まれることが多い。
このカクテルの最初のレシピはジンベースであったが後にブランデーベースのものが作られ、現在ではブランデーベースのほうがポピュラーになった。 日本では「アレクサンダー」というとブランデーベースのものを指すが欧米では主にジンベースのものを指し、ブランデーベースのものはブランデー・アレクサンダー(Brandy Alexander)と呼ぶ。
チョコレートケーキを連想する味わいで、そのため特に女性に好まれる。 しかしアルコール度数は高めで、映画『酒とバラの日々』ではこのカクテルの口当たりの良さにだまされて徐々にアルコール依存症になってしまう女性が描かれている。
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[編集] 由来
1863年の、イギリス皇太子エドワード(後のエドワード7世)とデンマークのアレクサンドラ王女の結婚式、あるいは1901年のエドワード7世の戴冠式の際に献上されたカクテルと言われており、最初は王女の名にちなみ、「アレクサンドラ」と呼ばれていたがいつの間にか「アレクサンダー」という男名前に変化したとされている。 その他にもマケドニアのアレクサンダー大王、文豪の大デュマあるいは小デュマに基づくなど諸説があるがいずれも真偽ははっきりしていない。
ちなみにフランスでは「アレクサンドラ」(Alexandra)の名称のほうが一般的。
[編集] 標準的なレシピ
- ジンベース
- ジン - 1/2
- 生クリーム - 1/4
- クレーム・ド・カカオ - 1/4
- ナツメグ - 少量
- 上記のレシピを1/3ずつにしたものはプリンセス・メアリーとも呼ばれる。
- ブランデーベース
- ブランデー - 1/3
- 生クリーム - 1/3
- クレーム・ド・カカオ - 1/3
- ナツメグ - 少量
レシピによってはナツメグは省略されることもある。ナツメグはこのカクテルが供され始めた頃の日本ではまだ乳製品が一般的でなく生クリームの匂いを嫌う者が多かったため付け加えられたものである。
[編集] 作り方
- シェイカーにスピリッツ、生クリーム、クレーム・ド・カカオを入れる。
- シェイクし、カクテルグラスに注ぐ。
- 最後にナツメグをかけて完成。
[編集] バリエーション
- ジンベース
- クレーム・ド・カカオをクレーム・ド・ミントにすると「アレクサンダーズ・シスター」
- ブランデーベース
- クレーム・ド・カカオをメロン・リキュールのミドリにすると「ミドリ・アレクサンダー」
- ウォッカベース
- ベースをウォッカにすると「バーバラ」
[編集] 参考文献
- 『サヴォイ・カクテルブック』(ISBN 978-4893621962)