アリス・クーパー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アリス・クーパー(Alice Cooper, 1948年2月4日 - )は、アメリカの歌手、ミュージシャン。ミシガン州デトロイト出身、出生名はヴィンセント・ファーニア(Vincent Furnier)。アリス・クーパーの名は、若い頃に見た夢に出てきた魔女の名前からとったというエピソードが有名だが、真相は、可愛らしい女の子の名前を付けることで、実際の音楽性とのギャップを狙ったものであると、本人が『プライム・カッツ』のなかで証言している(現在、実名前もアリス・クーパーに変えている)。
ビジュアル面での多角的な演出を打ち出した元祖ビジュアル系ロック・スター。グラムロックの範疇にカテゴライズされることもある。唯一無二のショック・ロックを打ち出したことで多くの表現者に慕われている。1960年代後半~1970年代前半のフラワー・ムーヴメントなロックシーン・表現に対し、新しい時代の到来を告げた。オジー・オズボーン、エアロスミス、ガンズ・アンド・ローゼズをはじめ、様々な時代の様々なロックスターがアリス・クーパーのファンであることを吐露、アリス・クーパーのベスト盤特別収録曲ではバッキングメンバーとして馳せ参じている。かのシューレアリズム画家、サルバドール・ダリがアリス・クーパーのショウに出演を懇願し、実現したエピソードも有名。
[編集] 来歴
1969年、アルバム『Pretties For You』でデビュー。1971年発表の『Eighteen』、翌1972年に発表した『School's Out』が大ヒットし、一躍メジャーアーティストとなった。『School's Out』のオリジナル・アナログ盤は、紙製のパンティーに包まれていたことも話題となった。若い頃はパンダのようなメイクをしており、ダミ声ともいえる唱法で一世を風靡した。
1980年代前半には勢いを失うが、1980年代中期から再び脚光を浴び、1989年には豪華ゲストを迎えた『Trash』が大ヒットを記録した。その後も幾度となく浮沈を繰返したが、現在においてもなお精力的に活動を行っており、ハードロック界の重鎮ともいえる存在である。
また、アリスのバンドからは、後にウィンガーを結成するキップ・ウィンガーや、後にメガデス等で活躍するアル・ピトレリ等、多くの優れたプレイヤーが巣立っていった。
俳優としても活躍し、映画『エルム街の悪夢』シリーズの『ザ・ファイナルナイトメア』にも出演。
政治的には保守派に属し、政治的な関心が非常に強い一面も持つ。時にその実際の姿が世間でイメージされているクーパー像との乖離を生じ、パーティー・クラッシャーと誤解されがちな一面も持つ。勿論、当人は政治的には堅物であるがパーティーも好むロケンロールな人物である。
[編集] ディスコグラフィ
- Pretties For You ('69)
- Easy Action ('70)
- Love It To Death ('71)
- Killer ('71)
- School's Out ('72)
- Billion Dollar Babies ('73)
- Muscle of Love ('74)
- Welcome To My Nightmare ('75)
- Goes to Hell ('76)
- Lace & Whiskey ('77)
- The Alice Cooper Show ('77: Live)
- From the Inside ('78)
- Flush The Fasion ('80)
- Special Forces ('81)
- Zipper Catches Skin ('82)
- DaDa ('83)
- Constrictor ('86)
- Raise Your Fist and Yell ('87)
- Trash ('89)
- Hey Stoopid ('91)
- The Last Temptation ('94)
- A Fistful of Alice ('97: Live)
- The Life & Crimes of Alice Cooper ('99: Box set)
- Brutal Planet ('00)
- Dragontown ('01)
- The Eyes of Alice Cooper ('03)
- Dirty Diamonds ('05)
ベスト盤を除く