アランドラ2 魔進化の謎
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『アランドラ2 魔進化の謎』(-ツー ましんかのなぞ) は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが1999年11月18日に発売したプレイステーション用RPG。『アランドラ』の続編にあたる。キャラクターデザイン、イメージイラストは今井修司。シナリオは宮岡寛。
目次 |
[編集] 世界
フィールドは地図の上から選択する。冒険が進むにつれて行ける所も増えていく。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公サイド
- フリット(声:今井由香)
- 主人公。剣の使い手だが、剣は大味。
- アイーシャ(声:千葉紗子)
- バニラ王国の第7王女。王国が崩壊の危機に直面しているため、フリットに協力を求める。
- テッツォ(声:千葉繁)
- 海賊。フリットと助け合う。
- ルビー(声:川上とも子)
- テッツォの娘。母親似。
- アル(声:関智一)
- テッツォの息子。
[編集] 敵チーム
- メフィスト(声:渡部猛)
- 魔ネジで悪巧みをする。
[編集] アイテム
[編集] HP回復
- 薬草
- ツーの水
- カーの水
[編集] MP回復
- ナンタラの実
- カンタラの実
[編集] 支援
- コンパス
- 方角が分かる。
- 視点変更可能な3Dゲームになり、ダンジョン探索中に位置関係がわかりにくくなる事を防ぐため用意されたと思われる。
[編集] 収集
- パズルのかけら
- 世界各地の宝箱から入手する。集めてジーケンに渡すと、連続斬りを伝授してもらえる。
- かなりわかりにくい所に隠されていたり、難しいアクションや創意工夫を要求されたりする場合が多く、
- 全て集めるのは非常に難しい。ただ「1度チャンスを逃すともう取れない」というものは無いので
- 根気よく探せば全てのピースを集めることが出来るだろう。
- その点、かなりの強運を要求されるものもあった前作の「金のくちばし」よりは良心的だと言える。
[編集] わらしべ
物々交換を進めていくサブイベント関連のアイテム。
トンカチ、海賊のピアスなどがある。
[編集] エレメント
フリットは様々なエレメントの力を借りることができる。エレメントショットも可能。強化アイテムも存在する。
- セイレーン
- 水の属性。水中、海中で活動出来る。
- ピクシー
- 風の属性。空中停止が可能。
- ドリアード
- 木の属性。敵を踏むとダメージを与える事ができる。
- サラマンダー
- 火の属性。溶岩の上を歩ける。
[編集] ミニゲーム
前作より更に充実した。
ストーリーの中で必ずプレイする事になるものは2つのみだが、それ以外のミニゲームの量がかなり多い。
それらはシナリオのクリアには全く関係無いのだが、難易度も適度で、熱中度が高いものが多い。
●必ずプレイするもの
- 追いかけてくるボスからの逃亡
- 3D視点の強制スクロールアクションゲーム。
- どんどんと坂を下って走るフリットを操って、アイテムを取っていく。
- ボスに追いつかれたり穴に落ちたりするとチェックポイントからやり直しになる。
- パーフェクトを取ると、取得アイテムが倍になる。
- トロッコ
- トロッコに乗り、敵の攻撃やトラップを回避していくアクションゲーム。
- ライフが全部無くなるとチェックポイントからやり直しになる。
●その他のミニゲーム
- ソ・ダーツ
- 回転する的にダーツを当ててポイントを稼いでいくゲーム。世界各地のグアラン堂でプレイ可能。
- 高速移動するカーソルをボタンで止めると、その位置に向かってフリットがダーツを投げる。
- 的の端に30点・40点・50点、中ほどに10点・20点、ど真中に100点が配置されていて、
- 成功するたびに的の得点が2倍、3倍、4倍、5倍と増やされるようになる。
- 的の外側の部分や中心付近の黒い部分など、高得点部分の付近は0点であり
- ここにダーツを投げてしまうと倍率が1倍に戻ってしまう。
- ただし同じ得点を2回連続して取ると、得点の10の位の数だけチャンスタイムとなり
- カーソルの移動速度が極端にゆっくりになり狙いやすくなる。(20点なら2回、50点なら5回。ただし100点でも5回)
- 使用するソ・ダーツの矢は自ら収集しなければならない。
- ソ・ダーツの矢は敵を倒した時に一定の確率で出現するほか、一部の宝箱からも入手できる。
- ポイントは景品と交換できる。精霊のレベルアップなど、貴重なものも多い。
- ちなみに、的が回っている時にいつまでも打たないと「まぁ~だ~?」と催促される。
- 親父玉
- 2Dシューティングゲーム。シナリオ終盤でユーギ島にてプレイ可能。
- スクロールはしない。オート連射可能なショットを8方向に撃ちながら敵を全滅していく。
- ライフ制ではあるが、気を抜くと敵の猛攻に一気に削られるだろう。先に進むにつれて難易度も上がる。
- 全クリアしても特典はなく、無理に狙う必要はない。
- 親父Z
- レースゲーム。シナリオ終盤でユーギ島にてプレイ可能。
- 制限時間内にコース内の旗を全て回収していくのだが、視界があまり広くないため
- コースの構造をある程度覚えないとクリアが難しい。
- 親父三
- 2Dアクションゲーム。シナリオ終盤でユーギ島にてプレイ可能。
- 追いかけてくる敵から逃げながら画面内のコインを全て集める、というパックマン的なゲーム。
- RCカー
- ラジコンカーを操作してアイテムを集めるゲーム。モモモケの森でプレイ可能。
- 腕次第で貴重なアイテムも手に入るが、操作がかなり微妙であり思い通りの方向に進ませるのは難しい。
- ワンワンパニック
- 犬に噛まれないように逃げつつ上手く誘導し、犬にスイッチを押させていくというゲーム。モモモケの森でプレイ可能。
- クリアするごとに難易度が上がっていく。
- 爆弾ゲーム
- レバーを動かすと落ちてくる爆弾を並べて着火し、連鎖的に爆発させてブロックを破壊するゲーム。モモモケの森でプレイ可能。
- 破壊したブロックの中の宝箱からアイテムを入手できる。
- 爆弾1個ごとに料金がかかる。セーブ回数の合計が1個あたりの金額になるので、
- セーブ回数の少ないうちにプレイしたい。
[編集] 前作との相違点
前作『アランドラ』(以下「1」)と本作『アランドラ2 魔進化の謎』(以下「2」)は基本的なゲームシステムは共通している。
- 「1」よりは難易度が低いものの、「2」でもパズル要素は健在である。
- 爆弾でブロックを壊すなどの仕掛けや、棘鉄球などのトラップも「1」と「2」の双方に登場する。
- 物語序盤の、「主人公が海に流され、良心のある人から助けられる」という展開は「1」も「2」も同じである。
一方で、その作風には「1」と「2」で違いが見られる。
- 「1」は基本的に暗くて硬派な悲劇の物語であるが、それとは正反対に「2」はギャグ満載の明るい喜劇的な物語である。
- 「1」の欠点として、平面構成ゆえの立体把握の難しさが挙げられるが、「2」ではそれを見事に克服した丁寧で緻密な造りの立体構成である。
- 「2」では「1」と違い、遠景を除いてフルポリゴンである。また、キャラに声優が付いているため、声も出る。
- 「1」は操作性が素早く落下スピードなども全体的に速いが「2」は逆に柔軟な操作性である。しかし「1」の経験者には逆に重く感じ不満を漏らす人も少なくない。
- 「1」では剣以外に弓、鉄球などの武器が存在したが「2」では使用できる武器は剣のみ。
- 決定的な違いとして「完成度」が挙げられる。「1」は奥深いストーリーだが「2」はあまりにもストーリー練り込みが甘く稚拙なシナリオなのでプレイしたユーザがガッカリするような出来だった。グラフィックに関してもグラフィッカー二人で制作していると言う異例のもので「全体的に崩れた人形」のようなグラフィックを持つ。
- しかし、メタルマックスで味のあるコメディ要素を描いた宮岡寛がシナリオを手掛けた事はあって、作中のギャグはどれも秀逸で思わず笑いを誘うものであった。また、今井修司が描くイメージイラストは本編とはギャップを生み出すほどの美麗さを思わせる出来である。