アラバーナの海賊たち
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『アラバーナの海賊たち』(あらばーなのかいぞくたち)は、伊藤たつき著・七海慎吾絵による少女向けのライトノベル作品。 2008年5月現在角川ビーンズ文庫(角川書店)より、4巻まで出版されており、以下続刊。
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目次 |
[編集] 内容
黄金の大陸・アラバーナ。金髪碧眼の元気な少女・ジャリスは、美形の凄腕商人・コダートに記憶喪失のところを助けてもらう。コダートの豪邸でもどかしく過ごしていたある日、屋敷で宴が行われることを知る。しかも、その宴に世界的に有名な伝説の『海賊船長』も来ると聞いて・・・(第1巻)。おてんばジャリスと美形の仲間たちによる、見習い海賊たちのアラビアンファンタジー。
[編集] 登場人物
[編集] 主な人物
- ジャリス
- 本作品の主人公にしてヒロイン。本名は、ジャリス・シンリクット。金髪・碧眼の元気で男勝りな少女だが、その実は伝説の海賊船・バルク号の船長。
- 伝説的英雄『シンリクット船長』は、実の祖父であり、自身も『プス船長』として奴隷制度の廃止などの功績をあげており、結構有名。しかし、有名なのは名前なので、プス船長が女だと知る人は限りなく少ない。
- 昔、ターラによって、背中に『指輪の地図』を隠された。
- コダート
- かつてはアラバーナ大陸一の天才商人だったが、今ではバルク号の船員で参謀的存在。おてんばなジャリスに振り回され苦労している。人間離れした勘をもっていて、ほぼ100%はずさない。スライマン皇子とターラによって勝手にジャリスの婚約者にされている。
- 父はマハル王国のスライマン皇子だが、すでに他界している。母のアーヤも他界している。そのため、幼いころは奴隷として扱われていた。そのころからお世話になっていたハジに信頼を寄せていたが、1巻の事件で裏切られ、魔物(ジン)を追うことを決心する。
- 実は母のアーヤが魔物だったため、コダートも魔物だった。人間離れした勘もそのため。3巻にて、母によって封印されていた力が指輪の力で解け、魔物として覚醒しかけた。
[編集] バルク号
- シャルマ
- バルク号の副船長でジャリスの守役。美形でクールだが、お金にはうるさい。
- 前は、タバラン国で奴隷として働かされていたが、ジャリスとクアイ皇子の活躍により奴隷から解放され、ジャリスの仲間になった。
- ナッシル
- バルク号の船員。大酒飲みだが、医者としては凄腕。マラファムの弟。
- リク
- バルク号の船員の少年。見かけによらずの力持ち。シャルマと同じく、タバラン国で奴隷とされていたところを助けられた。
- アブゥ
- 水差しの精霊(ジャーン)。ジャリスが呼び出したため、ジャリスをご主人様と呼ぶ。水大砲や水鏡などが使える。
- ターラ
- 本名はイジュタラ・シンリクット。ジャリスの祖父、マラファムやナッシルの父で海賊同盟の創立者。また、かの『シンリクット船長』本人。
- しかし、現在は不老不死の呪いによって若い姿のまま。あまりの放蕩のしすぎに現・海賊同盟盟主のマラファムが怒り、高額の賞金首にされる。
- 探しているのは『4つの指輪』で、フィクルの船のテリス号の船長となり、フィクルを巻き込んで旅をしている。
[編集] サウルナ国海軍
- カッサラ
- サウルナ国海軍大佐のアクラブ号の船長。優れた軍人で紳士的。
- リンド
- アクラブ号の副船長。やる気や協力性が全くなかったが、カッサラによって変わってくる。
- 実は、魔物の悪魔(シャイターン)の一人だが、カッサラや船員たちをかばう。
- ブシュラル
- アクラブ号の船員。
- ムスタファ
- アクラブ号の船員。
[編集] カトゥーナ国
- フィクル
- カトゥーナ国の王室御用達商人。ターラと共に旅をすることになった、品のいい青年。
- 実は、カトゥーナ国の皇子でラスミア女王の双子の弟。呪われた双子の伝説により、殺されるところだったのを当時海賊同盟盟主だったターラが助けてくれた。しかし、皇子として生きることは出来なく、ラスミアの計らいで商人として生きていくことになった。
- ラスミア女王
- カトゥーナ国の女王で、フィクルの双子の姉。美人で賢いが、気が強い。ターラが好き。
[編集] タバラン王国
- クアイ皇子
- タバラン国の皇子。ジャリスが好きで、ジャリスも自分が好きだと思っている。美形で、かなりの切れ者。
- ジャリスが見習いとして初めて試練を受けた国で、彼に助けられ、奴隷制度の廃止にこぎつけた。その後、求婚や結婚式を勝手に挙げようとしたりしている。
- ガーイム
- クアイ皇子が最も信頼できる部下。足音を立てずに歩いたり、気配を感じさせないように行動出来る。
[編集] その他の人物
- ハジ
- 魔物で悪魔の一人。コダートに長い間つけこみ、裏切る。
- サウルナ国海軍司令官と名乗り、カッサラを操る(ただし、術をかけたのは他の悪魔)。
- マラファム
- 現・海賊同盟盟主で、ジャリスの父。ジャリスとは父子としてではなく、盟主と海賊見習いとして接している。
- スライマン皇子
- マハル王国の皇子だが、すでに故人。コダートの父親で、昔、生まれてくるコダートをターラに託した。
- アーヤ
- スライマン皇子の侍女でこちらもすでに故人。コダートの母親。
- 彼女は魔物だったが、スライマン皇子も彼女を愛しアーヤも彼を愛して、コダートが産まれた。
[編集] 用語
[編集] 人外の者
- 魔物(ジン)
人外の力を持つもの。力は、魔物によってさまざま。
- 悪魔(シャイターン)
魔物の一種(他にあるのかは不明)で、最も悪い存在。特徴は、濃い赤の眼・黒い翼・尖った牙など。
- 精霊(ジャーン)
魔物ではない、人外の力を持つもの。人を助ける。
[編集] 海賊同盟
- 海賊・海賊見習い
俗に言う、盗みをはたらく海賊ではなく、アラバーナ全土の平和を守るための組織。アラバーナ大陸の8つの国の旗を全て集めることが出来たら海賊になることが出来る。
- 試練
海賊見習いが、各国のスルタン達に同盟の正式な使者である海賊として認めてもらうために、スルタンから与えられる試練を達成し、証拠として各国の紋章が刺繍された旗を集めていく。八カ国全ての旗を集めることが出来れば、その船の船長は正式な海賊と認められる。
[編集] 指輪
- 4つの指輪
アラバーナ大陸全土のどこかにある、素材の違う同じデザインの4つの指輪。魔力を増幅させることが出来る。
- 指輪の地図
どこにあるのか分からない指輪を探す能力のあったアーヤが、地図という形で、ターラに授けたもの。ターラによってそれは、ジャリスの『背中』とターラの『シンリクット船長の腕輪』に分けて移された。ジャリスがその腕輪をはめて、指輪の力を借りたコダートがジャリスの背中に触れれば、アラバーナ大陸の地図が浮かび上がり、指輪のあるところが赤くなる。
以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 既刊
- アラバーナの海賊たち 幕開けは嵐とともに 2007年2月発売 ISBN 9784044525019
- アラバーナの海賊たち 出航は波乱の香り 2007年7月発売 ISBN 9784044525026
- アラバーナの海賊たち 花嫁は竜巻に奪われる 2007年12月発売 ISBN 9784044525033
- アラバーナの海賊たち 幽霊船は婚約者を惑わす 2008年4月発売 ISBN 9784044525040