まことちゃん
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『まことちゃん』は、楳図かずおのギャグ漫画で代表作のひとつ。
週刊少年サンデー1976年16号から1981年30号まで連載。1980年にはアニメ映画化されている。
週刊少年サンデーで「平成版まことちゃん」と呼ばれる『超!まことちゃん』が1988年37号から1989年32号まで連載された。
沢田元太郎が主人公の『アゲイン』(週刊少年サンデー1971年43号から1972年5号まで連載)のスピンオフ作品として生まれた。
目次 |
[編集] 概要
聖秀幼稚園に通う幼稚園児の主人公・沢田まこと(まことちゃん)と沢田一家が巻き起こす「ビチグソ」等下ネタ・エロネタ満載のギャグ漫画。作者の楳図かずおもKAZZとして作中に登場する。後述する「グワシ」「サバラ」などのギャグと、「~なのら」「マッチョメ マッチョメ」「ゲゲッ」「ギョエー」「まこと虫じゃ!」等のまことちゃん語は、連載当時流行した。
[編集] 登場キャラクター
[編集] 沢田家
高田馬場(連載当時に楳図の仕事場があった)在住。家は庭付き一戸建て。作者曰く「家の間取りはその時の気分によってでたらめ」。 庭には狂い咲きの桜の木が植えてある。 祖先は沢田30万石の大殿様?
- 沢田まこと(まことちゃん)
- 作品の主人公。愛称「マコリン」。聖秀幼稚園うめ組の幼稚園児。いたずら、下ネタ、落書きや替え歌が得意。解体現場の鳥の巣にあったスズメの卵を保護したり、親を亡くした子猫を助けようとしたりするなど優しい一面も。常に垂らしているハナで虫を捕ることができる。言葉も舌足らずではあるが、シビアな人間観察眼を持ち大人をもたじろがせる。
- 寝る時以外は幼稚園の制服でいることが多い。(初期は夏場でも長袖)
- 時折、姉や母を真似て化粧や女装をする事が有る。
- 好物はカレー、ハンバーグ、ソフトクリーム、松長製菓のお菓子。
- まことのおかっぱ型のざんぎり頭から「まことちゃんカット」の名が生まれた。
- 沢田美香(お姉ちゃん)
- まことの姉。小学3年生。愛称「ミカリン」。まこととはしょっちゅう喧嘩する。怒ると怖く、「またぼえ」をする事も…。耳年増で大人の世界(主に恋愛方面)に憧れており、時折まことと共に間違った方向に暴走する。好物はちくわ。
- 「~リン」という呼び名は美香が友人と交わしていた愛称から。
- 髪型はポニーテールでおしゃれ好き。
- 沢田英一(パパ)
- まこと・美香の父。愛称「パパリン」。職業はサラリーマン。眼鏡を掛けている。
- 一見真面目そうだが花見の席で酔っ払うとストリッパー「ローズマリー」に変貌する。
- 沢田貴世子(ママ)
- まこと・美香の母。愛称「ママリン」。若作りでミーハーだが、性格は子供たちと負けず劣らず変である。実家が大阪府河内長野市で怒るとどぎつい河内弁になる。舅・姑とはうまくいっているが、別居している妹と折り合いが悪い。
- 河内出身で、「ミス・ユニバース河内代表」に選ばれた事も。
- 沢田元太郎(お爺ちゃん)
- まこと・美香の祖父。愛称「ジジリン」。元大工。年の割にはミーハーな面がある? 先行作品「アゲイン」では主人公。
- 沢田タツ(お婆ちゃん)
- まこと・美香の祖母。愛称「ババリン」。元太郎と同様に年の割にはミーハーな性格? 温泉に行ったときはトイレにいって、わざとお尻をふかずに、そのまま温泉に入る。
[編集] 沢田家の親戚
- 沢田弾正
- 秋田県在住。旅館「沢田城」を経営している。旅館で宿泊客に古風な着物を貸すサービス(いわゆるコスプレ)を売り物?にしている。
- 加根子
- 貴世子の妹で九州に嫁いでいる。幼少期は貴世子としょっちゅう喧嘩していたらしい。
- さだゆき
- 加根子の息子。まことのいとこ。性格はまことと正反対で秀才。ピアノが得意。
[編集] 聖秀幼稚園
- まことの通う幼稚園。聖秀大学の系列で実習生が大学から送られてくる。
- 建物の屋根上に十字架がある。しかし内情は…。
- 園長先生
- 聖秀幼稚園の女性園長。かなり年がいっているようだが独身。まこと曰く「ゴリラ園長」。縁談の話は有るが…。
- 特技は「百叩き(お尻ペンペン)」、「チョメチョメグニュグニュ(顔つねり)」、「三分間息吸い窒息生殺し」。
- 百歳になる母親がいる。
- 百倉花子(花子先生)
- まこと達の担任。明るい性格。園児曰く、「キバ出しハムスター」。イメージは浜美枝らしい。
- あんず先生
- ピョン子
- まことのクラスメイトの女の子。兄がいる。
- 自分が男だと思い込んで、花子先生と結婚したいと思っている。一人称は「オレ」。大きくなったら立ち小便をしたいらしい。
- モン太
- まことのクラスメイトの男の子。頭はスキンヘッド。
- カメ子
- まことのクラスメイトの女の子。兄と赤ん坊がいる。
- ひがみ
- まことのクラスメイトの女の子として、物語終盤に登場する美少女で、上流階級のお嬢様である。
- 最初はまことの異様なキャラクターにショックを隠せなかったが、徐々にまことの奥さんにならなければという脅迫めいた思想が生まれる。
- まことにはお医者さんごっこをされている。姉が二人いて、名前はそねみとねたみ。
- ろくちゃん
- 幼稚園で飼われているニワトリ。幼稚園の主。かなりの危険生物で園内を荒らし回る。
- 園長先生には嫌われているらしいが、まこと達には可愛がられている。
[編集] その他
- まこと虫
- まことの体内に巣食う謎の生物。元々はまことの落書きの変な生き物の絵。「まこと虫」の名は読者投稿によるもの。
- まことの事を「おやべん(親分)」と呼び、まことの行動をコントロールするらしい。
- まことの体の汚れを餌にしている。それ故、綺麗なものを「汚い」としている。
- リボンまこと虫やノストラダムスまこと虫など多数存在する。
- お菓子屋のオババ
- 近所の商店街で菓子店「どら屋」を営む女主人。店の物をビチグソ呼ばわりされる為にまこと達を嫌っている。
- 林久美子(どど彦)
- 田中角栄の隣の屋敷に住む金持ちの娘?自分を男だと思い込み、「どど彦」と名乗る。何故か屋敷の中で戦争ごっこや人間もぐら叩きをやらかす。
- ある日の事、幼稚園の運動会を見た事から、まことに好意を寄せ、まことにストーカー行為を働くようになる。
- 口癖は「どどめ~ん」※どど面とは不細工のこと。
- らん丸
- 人気男性ロックンローラー。まことだけでなく、沢田家は皆彼のファンである。歌やエレキギターといった音楽の才能はあるが、実際の容姿は良くなく、それをメイク、かつら、シークレットブーツ、コルセットなどで必死に隠して装っている。特に男性のシンボルが非常に小さく、それを自ら「つけMr.ブラウン」と呼ぶ小道具を装着して大きく見せており、それが彼の主なネタである。
- ラーラ・リーン
- まことの家にホームステイに来たアメリカ人少女(英一の勤務先の社長命令)。当然のようにまことや美香に振り回される。
[編集] 映画
まことちゃん | |
監督 | 芝山努 |
---|---|
製作 | 東京ムービー新社 (現:トムス・エンタテインメント) 藤岡豊 |
脚本 | 城山昇 辻真先 伊東恒久 金春智子 |
出演者 | 杉山佳寿子 吉田理保子 小原乃梨子 柳沢真一 肝付兼太 他 |
音楽 | 川上了 |
主題歌 | OP『パパ&ママROCK』 ED『サンバ・デ・まことちゃん』 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1980年7月26日 |
上映時間 | 85分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
IMDb | |
1980年7月26日に東宝系で全国劇場公開された。上映時間は85分。同時上映は、相米慎二の監督デビュー作『翔んだカップル』(主演:鶴見辰吾、薬師丸ひろ子)。
本来、『翔んだカップル』は山口百恵の主演映画『古都』と同時上映される予定だったが、山口百恵の引退に伴い、『古都』が単独上映される事になった為、その穴埋めとして急遽製作された。
[編集] スタッフ
- 監督:芝山努
- 製作:藤岡豊
- プロデューサー:片山哲生
- 原作・主題曲(作詞・作曲・歌):楳図かずお
- 脚本:城山昇、辻真先他
- 作画監督:小林治
- 撮影:高橋宏固
- 美術:門野真理子
- 編集:鶴渕允寿
- 録音:伊達渉
[編集] 声の出演
- 杉山佳寿子(まこと)
- 吉田理保子(美香)
- 小原乃梨子(ママ)
- 柳沢真一(パパ)
- 肝付兼太(まこと虫)
- 千葉順二(お爺ちゃん)
- 中島喜美栄(お婆ちゃん)
- 水沢有美(花子先生)
- 岡本茉莉(友子)
- 堀絢子(モン太)
- 楳図かずお(本人役)
- ビートたけし(本人役)
- ビートきよし(本人役)
[編集] ギャグ
[編集] グワシ
「グワシ」とは『まことちゃん』の登場人物が披露する指サイン。手で物を掴む時の擬態語が語源とされている。指サインを形作り相手に向け「グワシッ!!」「グワ~シ!!」等と叫ぶ。作者である楳図かずおもテレビ番組などの出演時に披露(披露するのは二代目グワシ)するが、自分の指でこのサインを形作るのが難しいため、紙製のグワシ(通称:グワシハンド)を使用して披露している。「グワシ」には、以下のように様々なバリエーションが存在する。⇒詳細は外部リンク楳図かずお公式HP内「グワシの歴史」を参照。
- 初代グワシ(二級グワシ)
初代グワシは、拳を握り掌を相手に向けた状態で中指のみを立てるというものだったが、アメリカ合衆国などでは"Fuck You" を意味するファックサインであるとの指摘を受け(作者はこの事実を知らなかった)、二代目グワシへ変更した。
- 二代目グワシ(免許皆伝グワシ)
二代目グワシは、初代グワシが上記理由により変更を余儀なくされた際に石川県在住の読者から寄せられたはがきの提案を元に作中に登場するようになった中指と小指を曲げるサイン。今日グワシといえば、一般的に二代目グワシを指す。上記グワシハンドも二代目グワシである。二代目グワシは、当時の日本中で爆発的に流行し、福島県在住の読者から寄せられた「グワシ免許書」の提案を元に七階級の級と段が設けられ、以下に挙げる様々な派生グワシが誕生した。
[編集] グワシ免許書の階級
- 四級グワシ
四級グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。拳を握った状態で、じゃんけんのグーと同じ。
- 三級グワシ
三級グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。四級グワシの状態から親指と小指を立て、相手に向ける。
- 二級グワシ
二級グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。上記初代グワシである。
- 一級グワシ
一級グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。掌を相手に向けた状態で人差し指と薬指を曲げる。形状を戦闘機に見立て、グワシ戦闘機とも呼ばれる。
- 初段グワシ
初段グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。拳を握った状態から薬指のみを立てる。一番難しいとされる。
- 二段グワシ
二段グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。拳を握った状態から親指と薬指を立てる。
- 免許皆伝グワシ
免許皆伝グワシは、グワシ免許書の階級のひとつ。上記二代目グワシである。
[編集] サバラ
「サバラ」とは、グワシと同様に『まことちゃん』の登場人物が披露する指サインで、中指と薬指を曲げるサイン。グワシ同様紙製のサバラ(通称:サバラハンド)も存在する。さよならの意の「さらば」が語源とされている。
[編集] 音楽
- 『まことちゃん/ビチグソロック』シングルレコード
- 『サンバ・デ・まことちゃん/パパ&ママROCK』シングルレコード
- 『グワシ!!まことちゃん楳図かずおワールド』ベスト・アルバムCD
[編集] パチンコ
- 2007年に京楽産業よりパチンコ台『CRぱちんこまことちゃん』がリリース。権利物に近い構成で、旧台枠を使用している。
- ジャンル的にはそのスペックから「デジハネ」にジャンル分けされることが多いが、システムは完全に権利物。スルーチャッカーを通過させると役物上のチューリップが開放(スルーチャッカーの入賞は4発まで貯留ができる)。チューリップに入賞でデジタル回転となる。デジタルはまことの目に表示される2ケタのLEDで、両方とも1~8の数字とまこと虫の計9種の図柄で、奇数かまこと虫が揃えば大当たりとなる。
- 初当たり確率が1/48と高いが、ラウンドが3ラウンドしかなく出玉がかなり少なめな、ローリスクローリターンが特徴。すべての大当たり後、5ラウンドの確変に入り、この時に当たりを引くと以後70回転の時短に入り、その間に当たりを引くとそこからまた70回転というチャンスタイム。また、まこと虫で当たると突確の2ラウンド大当たりとなり、出玉はないが即チャンスタイムに突入する。