とっても少年探検隊
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とっても少年探検隊(-しょうねんたんけんたい)は、あろひろしの漫画作品。前半は「週刊少年ジャンプ」にて連載、後半は「月刊少年ジャンプ増刊号」(いずれも集英社)に連続読みきりで掲載された。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
私立原野否(パラノイヤ)学園、小学部から大学までその広大な敷地すべてを見たものはいないという。その全貌を究明すべく、立ち上がったのがわれら少年探検隊である。隊員は全部で6人、全員小学生であるが、好奇心や超人的な能力、超絶的な展開で学園の隅々を今日も探検し活躍するのであった。
[編集] 概要
形としては川口浩探検隊に見られるような探検の体裁を取ったバラエティ番組のパロディである。探検の様子を見せつつ、これにナレーションがつく。ただしナレーションは探検隊員が行っている。また、そこに織り込まれるギャグもSFや特撮などのパロディが満載で、マニアックな作風が持ち味のあろひろしの作品の中でも、とりわけそのような色が濃い。
舞台となる場所は原野否学園のみであるが、その学園の探検先はどうみても、世界の局地のような熱帯雨林(実は園芸部のビニールハウス)であったり標高8000m級の高山(実は高層校舎)だったり、果てしない砂漠(実は砂場)であったりと単なる学園ものの舞台ではない。それらの学園のあまりにも広大な敷地と、出てくる個性的なゲスト出演者とがおりなす破壊的なギャグ展開が、この作品の魅力を形成している。
[編集] 連載の事情
この作品の第1話は、週刊少年ジャンプに連載されていた桂正和の「ウィングマン」が、作者の体調不良により休載することになったため、代稿として掲載されたものである。通常のジャンプ掲載作品は人気が無い作品は10週で打ち切りとなるが、この作品は代稿ということもあるためか、わずか8週でその連載の時期を終えてしまう。上記理由により、通常のジャンプでの連載第1回は巻頭カラーのはずなのだが、この作品はモノクロでの第1回となっており、全話に渡ってカラーページが無い。作品がカラーになってるのはわずかに単行本の表紙のみである。
その後、8年の間をおいて月刊少年ジャンプ増刊号等に第2部が不定期に読み切りで掲載が続くなど、この作品に対しての人気は継続し展開していった。この作品は作者のお気に入りであるらしく、作者によると、この作品のためのアイデアが他の作品に流用しがたいもので、それがもったいなくて無理に第二部を書かせてもらったとのこと(第二巻あとがきより)。
なお単行本の1巻と2巻の間には『優&魅衣』が8巻分連載され、さらにその中では『MORUMO 1/10』が2巻分連載、そして『雲界の旅人』はその中で1巻収録分が描かれた後、『探検隊』2巻の後に『雲界』2巻収録分が描かれるという、複雑な作品史となっている。
[編集] 登場人物
- 逆上炎 (さかうえほむら)
- 探検隊のリーダー。好奇心旺盛で活発な体育会系な女の子。武道とは幼馴染み。さばさばした性格であるが最終話では意外な、探検を始めた動機が明かされる。
- 古現武道(ふるうつたけみち)
- ほむらの幼馴染み。見かけは普通の少年で、怖がりですぐに帰りたがるなどおおよそ探検隊として不向きに見えるが、体力と格闘術で人並みはずれた超人的活躍を見せる。ただし泣かないとその力が発揮されない。時折見せるほむらへのほのかな想いが行動によく現れる。
- 縁よしみ、縁ゆかり(えにしよしみ、えにしゆかり)
- 探検隊の記録係の双子。事前調査などもこなし、冒険はこの子が図書館などから拾ってくる伝説などから始まることもある。見かけはかわいい女の子だが割りと自分のかわいさを武器に駆け引きをするなど黒い一面も見せる。双子で有りながら同時には出てくることの無いその理由は連載中は明かされず、単行本で補足説明されていた。
- 振竹伊知郎(ふりだけいじろう)
- 探検隊の解説係。おもに現地で直接の実況を行う、背の低い男の子。なぜかいつもサングラスをしており、どんな目の形かは秘密となっている。名前の由来は古舘伊知郎で、実況スタイルもプロレス実況をこなしていた古館の形となっている。
- ヌーボォー(ぬーぼぉー)
- おかっぱアタマで1.5頭身の男の子。台詞は全て「顔に出る」。学園最大の謎は実はこの子であり、正体は一切不明。口をあけると防寒テントに、捕鯨銛発射装置に、発熱体にと理解を超えた活躍をする。
[編集] 単行本
- とっても少年探検隊 全2巻
- 「ふたば君チェンジ」の最終第8巻に、読み切りの1話が掲載されている。時期としては上記2巻以降の話で、探検隊員全員の家族が初めて登場している。これは同人誌「有芸太」(アリゲーター)に発表されたものの再録で、背景が描き足されている。他に『探検隊』の単行本のページ埋めに使われているイラストも「有芸太」の再録。こうした同人誌からの再録は、他の作品では『優&魅衣』『ぱらのい屋劇場』などにも見られる。