さくや妖怪伝
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『さくや妖怪伝』(さくや ようかいでん)は、2000年の日本映画。トワーニ制作の映画第一作。
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[編集] あらすじ
突如起こった富士山の噴火により、神々によって張られていた結界が破れ、妖怪たちが地上に出現した。亡き父の跡を継ぎ公儀妖怪討伐士となった少女・咲夜は幕府の密命により、怪異の元凶である妖怪・土蜘蛛の女王を討伐すべく仲間達と旅立つ。
[編集] 登場人物
- 榊咲夜
- 主人公。利根川の大河童との戦いで力尽きた父・芳明に代わって公儀妖怪討伐士となり、妖刀「村正」を受け継ぐ。
- 榊太郎
- 咲夜が倒した利根川の大河童の遺児。最初は河童そのものの姿の赤子だったが、咲夜に引き取られてから半年程度で10歳程度の人間の男子と変わらない姿に成長した。河童の名残として頭に皿がある。
- 榊備前守芳明
- 咲夜の父で先代の公儀妖怪討伐士。利根川の大河童との戦いで力尽き、咲夜に「村正」を託して息を引き取る。
- 井伊掃部頭真興
- 大老。モデルは井伊直興。
- 久世大和守重之
- 若年寄。モデルは久世重之。
- 似烏周造
- 公儀御庭番・甲賀組組頭。井伊掃部頭真興の命で咲夜の護衛役をつとめ、旅に同行する。
- 生真面目な性格で任務には忠実だが無愛想。冷たい物言いをすることが多く、特に太郎に対しては「役立たず」などと辛辣な言葉を浴びせていた。
- 猿鬼兵衛
- 公儀御庭番・伊賀組組頭。似烏と同じく咲夜の護衛役として旅に同行する。
- 性格は似烏と対照的に温厚で楽天家だが、仲は悪いわけではない。
- 利根川の大河童
- 傀儡師
- 咲夜と太郎が泊まった古寺の先客。人形を偏愛する異常者で、美しい女性を狙っては秘薬を吹きかけて「生き人形」に変えて持ち歩いている。咲夜に目をつけて「生き人形」にしようと夜中に襲撃した。
- 古寺の老婆
- 古寺の主。正体は巨大な化け猫であり、傀儡師と咲夜たちの戦いに乱入して襲い掛かった。
- 土蜘蛛の女王
[編集] スタッフ
- 監督:原口智生
- プロデューサー:大戸正彦、大塚博史、桜井勉
- 製作代表:福島真平、鈴木修美
- 企画:岸川編集事務所、中洲プロ
- 原案:原口智生
- 脚本:光益公映
- 撮影:江原祥二
- 美術:原田哲男
- 編集:奥田浩史
- 音楽:川井憲次
- エンディングテーマ:chiaki
- コンセプトデザイン:冬目景
- 照明:土野宏志
- 制作協力:シネバザール、松竹京都映画
- 特技監督:樋口真嗣
- 特撮技術統括:尾上克郎
- 特撮制作:特撮研究所
- 録音:中路豊隆
- 製作:トワーニ
[編集] キャスト
- 榊咲夜:安藤希
- 榊太郎:山内秀一
- 似烏周造:嶋田久作
- 猿鬼兵衛:逆木圭一郎
- 久世大和守重之:黒田勇樹
- 老婆:絵沢萠子
- 傀儡師:塚本晋也
- 橘善之助:石倉英彦
- はな:吉田桂子
- 井伊掃部頭真興:丹波哲郎
- 榊備前守芳明:藤岡弘
- 土蜘蛛の女王:松坂慶子
- 語り:竹中直人
[編集] ノベライズ
[編集] さくや妖怪伝
- 著:光益公映、岸川靖
- 画:冬目景
- 原案:原口智生
- 発行:講談社(マガジン・ノベルス・スペシャル) 2000年8月4日初版
- ISBN 4-06-324338-9
細部に変更はあるが、大筋は映画と同じ内容。冬目景のデザイン画も数点収録。
[編集] 新・さくや妖怪伝 さまよえるオランダ船の伝説
- 著:光益公映
- 発行:文藝春秋 2003年3月15日初版
- ISBN 4-16-321690-1
さくや妖怪伝の続編。咲夜は皇室から徳川に嫁ぐ皇女を護衛するという任務を下される。しかし皇女は謎の西洋船に誘拐されてしまう。皇女を救出すべく、咲夜は再び妖刀村正を携え、西洋妖怪と戦う。
- 懐宮緋子(かねのみやあやこ)内親王
- 本作のみ登場。徳川家に降嫁(皇族が臣下に嫁入りすること)する皇女。