お菓子系
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お菓子系(おかしけい)はアイドルグラビアの一ジャンルで、おおむねブルセラ系の趣向を持ったものを指す。
ブルセラが社会現象となっていた1990年代前半は単にブルセラグラビアと呼ばれていたが、1990年代後半には『クリーム』、『ホイップ』、『ワッフル』、『ラッキークレープ』、『ジューシープレス』と菓子名を誌名に使用する雑誌が相次いで創刊されたことから「お菓子系」の名がついた。これらの雑誌は「お菓子系雑誌」と呼ばれ、お菓子系雑誌に登場するグラビアアイドルは「お菓子系アイドル」と呼ばれる。
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[編集] お菓子系グラビア
モデルの容姿は華やかで整ったタイプよりも純朴な印象を与えるタイプが好まれる。メイクや髪型、衣装の着こなしについても青少年誌グラビアのように当世の流行を追うことはなく、どちらかといえばクラシカルな正統派路線を貫いている。体型は胸の大きさやウェストの細さ、脚の長さなど一般的な要素より、太ももの肉感などより微細化したフェティシズムに訴えかけるポイントが重視される。
衣装はセーラー服や体操服、スクール水着、下着といったブルセラ系と、ビキニを中心としたセクシー系に大別される。ブルセラ系衣装の選択は非常に保守的で、セーラー服では白地または紺地に紺の襟・赤のスカーフのもの、体操服では下半身がブルマーのもの、スクール水着では「旧タイプ」といわれる分割縫合型のもの、下着では白く無地のものが多く用いられる。ただしブルマーについては紺色・臙脂色より、一般ではあまり見られない水色や桃色のカラーバリエーションが使われることが多く、独自の文化を形成している。
ビキニは赤や青、白といった原色系や、ピンク・グリーン・イエローなどの蛍光色が多く、いずれも無地である。形状は上が三角ビキニ型、下がハイレグ型が多いがこれはお菓子系ブーム時の1990年代にハイレグ水着が標準的だったためであり、2000年代に入ってからはハイレグ型の使用は減少している。やや過激なグラビアではブラジル水着と呼ばれる、三角ビキニの布面積を極めて小さくした衣装も多く用いられる。お菓子系グラビアにおけるビキニ衣装はどちらかといえば「下品」な印象を与えるものが多く、あくまで清楚さを強調するブルセラ系衣装とは対照的である。
衣装ではこのほかに、白やピンクのレオタード、紺色の競泳水着などがメジャーである。また、小道具ではピンク色のゴムボールが多用される。
お菓子系グラビアにはパターン化されたシチュエーションが多く見られる。「路地や校舎などにおける制服姿のデートグラビア」、「日本家屋の縁側において下着姿(またはヌード)でたたずむ」、「フローリングのスタジオにおいてブルマ姿でピンクボールを持つ」などがその代表格である。
お菓子系雑誌にはヘアヌードも珍しくないが、それらのヌードグラビアに登場するのはAV女優などのヌード専門モデルや先輩格の元お菓子系アイドルであり、若手のお菓子系アイドルが直接裸を見せる機会は少ない。その代わり、着衣から一歩進んだセミヌード的なグラビアは若手を含め非常にポピュラーで、胸を手で覆う手ブラ、うっすらと陰毛のシルエットが浮き出る透けパン、裸の胸・股間を泡で覆う泡水着などの手法が多用される。「透けパンだけを着用し胸を手ブラで隠す」シチュエーションはこの路線の王道といってよい。
[編集] お菓子系メディア
[編集] お菓子系雑誌
一覧はお菓子系雑誌一覧参照
お菓子系グラビアを掲載する雑誌は「お菓子系雑誌」と呼ばれる。このジャンルの雑誌としては、『クリーム』(ワイレア出版)が最もよく知られている。
この通称の由来は前述の通り誌名の傾向によるものであるが、『Beppin-School』、『スーパー写真塾』など菓子名と関係のないお菓子系雑誌も多い。また、お菓子風誌名の発端となった『クリーム』はロックバンド「クリーム」に由来するものであり、菓子名とは直接関係ない。あくまで、後発の雑誌も菓子名(に聞こえる)タイトルを用いたことから生じた名前である。
お菓子系雑誌の多くはアイドルグラビアとヌードグラビアの両方を掲載しているため、アイドル雑誌・アダルト雑誌の性格を併せ持つ。アダルトグラビア中心の雑誌がお菓子系グラビアを掲載することも多いため、境界は限りなく曖昧である。
[編集] お菓子系写真集・ビデオ
各お菓子系アイドル単独の写真集・イメージビデオは数多く発売されているが、お菓子系を専門的に扱うシリーズとしては写真集における『クリーム写真集』(ワイレア出版)、イメージビデオにおける『美少女ソナタ』(英知出版)、『平成女学園』(ソフト・オン・デマンド)などが知られている。
[編集] お菓子系関係者
[編集] お菓子系アイドル
解説はお菓子系アイドル、一覧はお菓子系アイドル一覧参照
お菓子系グラビアで活動するグラビアアイドルは「お菓子系アイドル」と呼ばれる。相川みさお、浅川千裕、久保亜沙香、高木美貴、萩原舞、升水美奈子などが知られるが、人気は多くのモデルに分散しているため本当の意味での「代表者」を挙げるのは難しい。
[編集] 編集者
- 織田竹蔵 - ミリオン出版の雑誌『クリーム』初代編集長(1992年~1997年)として、創刊号から67号まで5年半にわたって編集に携わる。誌名「クリーム」の名付け親であり、お菓子系ブームの流れを作った張本人。その功績は非常に顕著であり、再評価されるべきであろう。
- 美馬義則 - 竹蔵氏の後を継いだクリーム2代目編集長(1998年 - )。"冬の時代"をくぐり抜け、創刊号より現在まで一貫して『クリーム』の編集に携わってきた唯一の人物である。
[編集] 撮影スタッフ
- 小町剛廣 - クリームのNo.1カメラマン。浅川千裕を編集部に売り込んだのも、実はこの人である。ニックネームは「アミーゴ」「小町親分」。
- 三上泰史 - 小町カメラマンに負けず劣らず、素晴らしい作品が多い。
- 中村誠作 - 小林有子、古屋かおり、小野瀬めぐみ、などを担当。真田奈美の「純度100%の笑顔」を引き出したことでも印象深い。
- 井上武明 - 升水美奈子、大森亜由子、島田真実佳などを撮っている
- 小野真由美 - アイドルっぽい名前だが、『クリーム』の美粧と言えばこの方。クリームガールたちとも仲良しで、メーキングページにもたびたび登場している。いつも巻頭の美少女たちが輝いているのは、小野サンのお陰なのかもしれない。