あしたのジョーの登場人物
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あしたのジョーの登場人物は高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや作画の漫画作品及びそれを原作とするアニメ作品「あしたのジョー」に登場する架空の人物の一覧である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 主要登場人物
[編集] 丹下ジム
- 矢吹 丈(やぶき じょう) 声:あおい輝彦、実写映画版:石橋正次
- 主人公。長い前髪と、引き締まった身体が特徴。擦り切れたベージュのコートと、赤いハンチング帽をいつも身につけている。生まれて間もなく両親に捨てられ、児童養護施設で育った。しかし施設の退屈な暮らしに嫌気がさし脱走、物語の舞台であるドヤ街にふらりとやってきた。
- 粗野でケンカっ早い性格だが、時折お調子者の一面も垣間見せる。不遇な生い立ちからか孤独な不良少年だったが、後に人間的にも成長をみせた。女心や細やかな人付き合いは苦手だが、本質的には義理堅く弱者に優しい人柄である。
- 階級はバンタム級。一撃必殺の威力を誇るクロスカウンターと、ノーガード(両手ぶらり)戦法を得意とする。
- 丹下 段平(たんげ だんぺい) 声:藤岡重慶、ボクシングマニア版.青野武、実写映画版:辰巳柳太郎
- ハゲ頭に黒の眼帯、顔や頭に古傷がある出っ歯の中年男。通称「拳キチ」。いつも腹巻をつけ、杖をついて歩いている。
- かつては日本タイトルに挑戦するほどの強豪プロボクサーであったが、左目の怪我が元でタイトルマッチを直前にしながら引退。極西拳闘クラブというジムの会長に就任するも、所属選手との衝突などの理由から経営は軌道に乗らず、巨額の負債を抱えて解散に追い込まれる。その後はなかば自暴自棄になり、ドヤ街で僅かな日銭を稼いでは酒に溺れる荒れた生活を送っていた。
- 丈の天性のパンチ力に惚れ込んだ段平は、彼を一流のボクサーに育てることを決意。ジム再建のために酒をやめ、昼夜を問わず働き始める。手紙による通信教育や、自ら少年院に出向き実施指導をするなどして彼にボクシングの基礎を叩き込んでいった。
- マンモス西 声:1.西尾徳、2.だるま二郎、劇場版.岸部シロー、ボクシングマニア版.郷里大輔、実写映画版:山本正明
- 本名西寛一(にしかんいち)。腕っ節が強い巨漢で、丈が最初に入れられた少年院鑑別所で部屋のボスとして君臨していた。特等少年院に送られてからは鑑別所時代の尊大な態度は全く影を潜め、気が小さく臆病な本性を露呈した。
- 少年院を退院後は、丈と共に丹下拳闘クラブに入門。粗暴な不良少年だった頃とはうって変わって真面目な好青年に成長し、ボクシングの練習に励む傍ら林食料品店(通称:林屋)で働き始めた。
[編集] 白木ジム
- 白木 葉子(しらき ようこ) 声:1.西沢和子(34話~44話恵比寿まさ子)、2.田中エミ、劇場版.檀ふみ、実写映画版:高樹蓉子
- 日本有数の大富豪である白木財閥の令嬢で、白木ジムの会長。オールバックの髪形で、いつも白っぽい服を身につけている。気丈でプライドが高く、他人にも自分と同等の品性を求めるところもある。
- 力石 徹(りきいし とおる) 声:TV版.仲村秀生、劇場版.細川俊之、ボクシングマニア版.堀秀行、実写映画版:亀石征一郎
- 作品全体を通じ、丈にとっての最大のライバル。大柄な体格と、彫りの深い顔が特長。キザで無愛想だが、冷静さと優れた洞察力を持っている。
- もともとウェルター級6回戦でデビュー後、13連続KO勝利を続ける天才ボクサーだった。ある時期に憂さ晴らしのストリートファイトに明け暮れ、少年院送りとなった。少年院では丈の脱走を妨害し、以後丈とボクシングの試合をすることになる。当初は丈を見下していた力石だったが、対戦後は丈をライバルとして認めた。
- ジョーがバンタム級で活躍し始めると、力石も過酷な減量を行いジョーとの因縁の試合に臨んだ。壮絶な戦いの末に勝利を得たものの、試合終了直後に息を引き取る。丈は力石の死後も、かなりの間 彼のトラウマに悩まされ続けた。力石は丈のライバルでありながらファンの間で人気が高く、連載当時には講談社主催で実際に力石の葬式が行われている。
[編集] ライバル
- ウルフ金串( - かなぐし) 声:1.加藤修(話数により今西正男)、2.納谷六朗
- 坊主頭の青年。性格は短期で、多少冷酷な部分もある。「未来の世界チャンピオン」と言われたバンタム級の大型若手ボクサー。アジア拳ジム所属。全日本新人王決定戦でバンタム級の新人王となる。
- カーロス・リベラ 声:1.広川太一郎、2.中尾隆聖、劇場版.ジョー山中
- ベネズエラ出身の天才的ボクサー。陽気な性格の伊達男。世界ランクは6位に留まっているが、それはカーロスの実力を恐れた上位ランカーらが対戦を避けているためだと囁かれる程の実力者。その強さから「無冠の帝王」「ベネズエラの戦慄」「餓えた黒豹」など多くの異名を持つ。
- 金竜飛(きん りゅうひ)2.若本規夫、劇場版.古川登志夫
- 韓国出身のボクサーで、バンタム級東洋チャンピオン。冷徹ささえ感じさせる正確無比のテクニックから、「氷のチャンピオン」「精密機械」「戦うコンピューター」など数々の異名を持つ。
- ハリマオ 2.田口昴
- マレーシア出身の野生児ボクサー。色黒で小柄な体格。言葉は現地語しかわからず、精神年齢も高い方ではない。チョコレートが大好物で、興奮して暴れる彼をなだめるのに使われている。ジャングルの村にやって来たイギリス人からボクシングを教わり、現地において野性味あふれる精神や運動能力を駆使して活躍した。
- ホセ・メンドーサ 声:2.宮村義人、劇場版.岡田真澄
- メキシコ出身のボクサーで世界バンタム級チャンピオン。くちひげが特徴。「コンピューター付きファイティングマシーン」と呼ばれる程の正確な技術と、冷静沈着な頭脳を持つパーフェクトボクサー。世界中から「キング・オブ・キングス」の異名で呼ばれている。単に強いだけではなく、非常に紳士的な人格者。
[編集] ドヤ街の住人
- サチ 声:白石冬美、実写映画版:溜呂木寿々江
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの紅一点。赤いスカートと下駄を常用。屋台のおでんを盗み食いして、ヤクザ鬼姫会に捕まったところを丈に救われた。
- キノコ 声:1.牛崎敬子、2.堀絢子
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの一人。大きめサイズの鳥打帽を被っている、背の低い男の子。
- 太郎(たろう) 声:1.増岡弘、2.鈴木清信
- 丈が来るまでのドヤ街の子供たちの最年長でリーダー格。ツギハギだらけの学生服を着用。
- ヒョロ松 声:1.肝付兼太(話数により嶋俊介)
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの一人。痩せ型の出っ歯の少年。原作ではチュー吉だが、アニメ版第1作では名称が変更されていた。
- チュー吉 声:2.つかせのりこ
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの一人。痩せて出っ歯の少年。
- アニメ版第1作では名称が変更されていたが、アニメ版第2作で原作に準拠した名称に戻った。しかし、髪型はボサボサ頭へと変更されてしまっている。
- トン吉 声:1.八奈見乗児、2.丸山裕子
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの一人。いびつな坊主頭に、ブタ鼻でほっぺたの赤い男の子。
- チビ 声:1.麻生みつ子
- 丈を兄貴分と慕うドヤ街の子供たちの一人。目が小さく眉毛がハの字でイガグリ坊主の男の子[1]。
- 林 紀子(はやし のりこ) 声:1.小沢かおる、2.森脇恵
- 泪橋にある林食料品店(林屋)の一人娘。愛称は「紀(のり)ちゃん」。明るく優しい性格で、林屋の看板娘とされている。一時期丈に好意を抱き、甲斐甲斐しく丹下ジムに出入りして世話を焼いていた。
- 林 敬七(はやし けいしち) 声:1.和久井節緒、2.矢田稔
- 林食料品店の主人で紀子の父。小柄な外見に似ず、少年院帰りの西と丈を快く雇ってやる優しさと大きな度量の持ち主。
- 林 玉子(はやし たまこ) 声:1.阿部光子、2.斉藤昌
- 敬七の妻で紀子の母。豪快な「肝っ玉母さん」タイプの女性。普段は丈に厳しく接するが、根は優しい性格。
[編集] その他の登場人物(五十音順)
- アップル加藤( - かとう)
- 力石戦後のジョーが復帰第2戦で闘った巻き毛カーリーヘアの猿顔ボクサー。原作はおろかアニメ第1作にも登場しないアニメ版第2作オリジナルのキャラで、バンタム級新人王にも輝いたホープという設定。
- ウスマン・ソムキッド
- タイのバンタム級チャンピオンにして東洋太平洋バンタム級5位の選手[2]。
- 大井川 豪平(おおいがわ ごうへい) 声:1.大木民夫
- 丹下ジムの向う岸に掘っ立て小屋を建てて、押しかけホームドクターとして売り込んできた医者。
- ガイコツ 声:1.城山堅 2.沢りつお
- 野菊島の東光特等少年院でジョーや西と同じ第六寮だった院生。本名は不明。実家が銭湯を営んでおり、そこで女湯を出歯亀したために少年院入りさせられた。
- ゲリラ 声:1.飯塚昭三 2.鈴置洋孝
- 野菊島の東光特等少年院でジョーや西と同じ第六寮だった長髪の院生。本名は不明。少年院にジョーが来るまでは、寮内のリーダー格だった。
- 剣持 健(けんもち けん)[3]
- 東洋太平洋バンタム級チャンピオンの金竜飛が来日してノンタイトル10回戦を行なうに当たり、2階級上のライト級にもかかわらず対戦相手として選ばれた大洋ジム所属のボクサー。
- サム・イアウケア
- ハワイのフェザー級チャンプ。サトウキビを担ぐ労働者上がりのハードパンチャーで90%台のKO率を誇り「ハワイの猛牛」の異名をとる。
- 滝川 修平(たきがわ しゅうへい)
- 東洋バンタム級8位だったが、同6位の吉岡満にKO勝ちして6位に浮上した横倉ジム期待のホープ。しかし、そこを白木葉子に目をつけられ法外なファイトマネーを餌に、彼女がマレーシアから呼び寄せた野生児ハリマオのデビュー戦の相手として指名される。
- Dr.キニスキー 声:2.マイク・バーロー
- ボクサーの健康管理についての研究で世界的な権威とされるハワイ大学の医学博士。ホセ・メンドーサの主治医も兼ねており、パンチドランカーの症状を診断する見識に優れる。外見は禿げ頭にチョビひげで恰幅の良い体格をした中年男性。
- 沼田(ぬまた) 声:1.小林清志
- 少年院の院生。東光特等少年院の寮対抗ボクシング大会(第2回)に向けて、第七寮からの代表に確実視されていた。
- パンチョ・レオ 声:1.立壁和也
- フィリピンのバンタム級8位で、全身に無数の古傷を持つキャリア10年のベテラン選手。凄まじい減量でフェザーからバンタムへ転向した力石徹を国内のジム会長らが恐れてことごとく対戦を回避したため、バンタム級でのデビュー戦の相手として呼び寄せられた。
- 松木(まつき) 声:2.鈴置洋孝
- アニメ版第2作に登場する、白木葉子の忠実な秘書。下の名は不明。髪を七・三に分け眼鏡をかけた、謹厳実直そうな若い男。だが原作に登場した松木は、禿げてチョビひげを生やした中年であった。
- Missオヤマ 声:1.田の中勇
- マンモス西の応援を依頼された、元女形のオカマ。紀子のセーラー服とスカーフで変装した。
- 村上 輝明(むらかみ てるあき) 声:2.及川ヒロオ
- 元・全日本ライト級チャンプの経歴を持つが、10年前に引退した焼き鳥屋台の親父。原作およびアニメ版第1作には登場しないが、アニメ版第2作オリジナルキャラで第26話に登場した。
- 村瀬 武夫(むらせ たけお)
- プロボクシング六回戦に念願のデビューを果たしたジョーが、プロのリングで闘った最初のボクサー。
- ユリ 声:1.野沢雅子
- ドサ回り巡業の同僚・稲葉と山歩きをしている途中で足をくじいたジョーが手当てをしてもらった桧山牧場の娘。原作には登場しないオリジナルキャラで、アニメ版第1作の第69話に登場した。