鬱ゲー
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鬱ゲー(うつげー)とは、ギャルゲーやアダルトゲーム(恋愛ゲーム)等のコンピュータゲームにおいて「プレイ中またはプレイ終了後に、憂鬱・陰鬱な気分にさせられるゲーム」を指す俗語(俗称)。転じて、そういったゲームの内容の属性(特徴)を示す語や、ゲームのカテゴリ(範疇)またはジャンル(種類)の一つとしても使用されている。
なお、ゲームとしての質が粗悪なこと(ストーリーの辻褄が合わない、操作性が悪いなど)が理由で、プレイするのが嫌になったり、購入したこと自体を憂鬱に感じる作品にも使われることがあるが、それらは「クソゲー」と呼ばれるのが一般的である。
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[編集] 概要
鬱ゲーとは一言で言えば「憂鬱・陰鬱な気分にさせられるゲーム」であるが、何によってどのように「憂鬱・陰鬱な気分にさせられる」かは、実際にゲームをプレイしたユーザー(プレイヤー)自身にしか認識できない(感じ取れない)ことである。言い換えれば、「鬱ゲー」とはその作品に対するユーザーの「感想」を端的に言い表したものとも言える。当然、これは各ユーザーの主観・価値観に依るものとなるため、個々の作品が鬱ゲーか否かに関しては意見が分かれる所である。そのため、厳密なカテゴリやジャンルとして各作品を明確に区分することは、ゲームメーカー(制作者)が行っている区分ではないだけに非常に難しく、また無理がある。
実際に自社の作品を「鬱ゲー」と公言するゲームメーカーはほとんどない。しかし、メーカーが「鬱ゲーではない」としていても、ユーザーがプレイして憂鬱感を覚えるゲームはしばしば見られ、インターネット上の掲示板でのユーザー間の意見交換などにより鬱ゲーと認知される作品は多数存在する。
鬱ゲーという言葉は、それが使われ始めた時期には、ギャルゲーやアダルトゲームにおいて、
- 主人公が不幸な結末を迎える、救われない。
- 主要な登場人物(主としてヒロイン)が死ぬ、事故に遭う、精神を蝕まれるなどの不幸に見舞われる。
- 上記のような場面がグロテスクに描写されている。
などのいわゆる鬱展開を含むゲームの一部を指していた。演劇や文学などの芸術作品においても、陰鬱・陰惨なストーリーは珍しくない。これらの作品には、カタストロフ(破滅)感や結末を迎えた際のカタルシス(浄化)感によって感動を与えることを目的に制作された作品も数多く見られ、鬱ゲーとされるゲームにおいてもこの効果を狙ったと考えられる作品が存在する。
しかし、時間を経ると共に「憂鬱・陰鬱な気分にさせられる」原因とされる部分の範囲が広がり、
- 萌え等の要素となるイメージを余りに盛り込みすぎた結果、登場人物が一般的価値観からみて余りに現実味を欠いて痛々しい、ユーザーが引く(拒否感を抱く)ほどに異質に見える。
- 主人公がヘタレ(情けない性格で、何をやっても失敗する・優柔不断)過ぎて、ユーザーの気を滅入らせる。
といったものも「鬱ゲー」と形容されるようになってきている。しかし、これらはそれまで鬱ゲーとされてきたものとは質の異なるものであり、「鬱ゲーと呼ぶべきではない」という意見や「『広義の鬱ゲー』などとして従来のものとは区別すべきである」という意見もある。
また、ギャルゲーやアダルトゲームに限らず、コンピューターゲーム全般が対象となってきている。
[編集] 定義と発祥、広がり
「鬱ゲー」という言葉は、Web上で使われ始めて広まった言葉であるため、明確な定義は事実上存在しない。その発祥時期についても諸説あり定かではないが、いわゆる泣きゲーや電波系と呼ばれるノベルゲームの一部を評して使われ始めたと言われていることと、2ちゃんねるの過去ログなどによると2001年前半には「鬱ゲー」という言葉を含んだタイトルのスレッドが立てられていることから、1990年代の終盤から2000年までの間に発祥したと思われる。また、言葉の発祥以前に発表された「鬱ゲーとしての属性を持っていた作品」についても遡って鬱ゲーと呼ばれてしまっており、このことが発祥時期の特定をますます困難にしている。
なお、発祥させた訳ではないが、2001年8月3日に発売された『君が望む永遠』(アージュ)は、その発売にあたって作品の「イメージ」と「内容」との「ギャップ」を意図的かつ積極的に作り上げることで話題となり、商業的成功を収めた(詳細は同作品の記事を参照)。そして、その結果によって「鬱ゲー」という言葉を広く浸透させ、それが「売り(セールスポイント)になり得る(ユーザーに受け入れられる)」ところまでコンピューターゲーム市場が成長した(開拓された)ことを示して後の作品に影響を与えた作品として知られている。それまで個々の作品に対する「称号」であった「鬱ゲー」という言葉が、曖昧ながらもカテゴリやジャンルとしても扱われるようになったのは、この『君が望む永遠』の成功による鬱ゲーの増加が大きな要因の一つであるとされている。
[編集] 鬱ゲーの認知条件
「明確な定義は存在しない」とはいえ、いわゆる鬱展開を含むゲームの全てが鬱ゲーとされる訳ではない。鬱ゲーと認知される作品は、それが鬱ゲーとされる理由を持っている。それは、作品の「イメージ」と「内容」の間にある種の「ギャップ」が存在することである。ここで言う「イメージ」とは、ユーザーがそのゲームをプレイする前に入手し得る情報から予測して抱くことのできるイメージのことである。これは主に、作品のタイトル(題名)や作画(キャラクターデザインなど)、メーカー(制作者)の事前宣伝といった情報によって作られる。
ギャルゲーやアダルトゲーム(恋愛ゲーム)に限らず、アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどをプレイするにあたって、ユーザーはゲームの主人公に自分を重ねてプレイするのが普通であり、また、ほとんどのゲームはそのように作られている。そのため、いわゆる「萌え」系の(と思われるイメージをユーザーに与える)ゲームに対してユーザーは、ゲームの途中やバッドエンドなどに一時的な苦悩や不幸があるにしても、それはある程度予測・覚悟した上で、最終的には幸福な恋愛やハッピーエンドを求めてプレイするのが一般的である。
ここで、実際にプレイした際の「内容」が、事前の「イメージ」から行った覚悟を越えて「陰鬱・残酷な展開や結末」を迎えるものであった場合、ユーザーはそれらの「ギャップ」によって想定外のショックを受ける(憂鬱・陰鬱な気分にさせられる)ことになる。
この「イメージ」と「内容」との「ギャップ」がある程度以上に大きい作品が「鬱ゲー」と認知されることになる(この「程度」が各ユーザーの主観・価値観に依るのは前述のとおり)。こうした意味において、鬱ゲーとは「メーカーが示した作品イメージからは予測できない陰鬱・残酷な内容によって、ユーザーを予想以上に憂鬱・陰鬱な気分にさせるゲーム」を指すとも言える。
このことは、いわゆる抜きゲーや、陵辱・強姦といった暴力的・残酷な内容がタイトルなどであらかじめ明示されている作品、劇画調(リアル指向)の作画で萌え系のイメージの薄い作品などが「鬱ゲー」とされることがほとんどないことからも明らかである。
[編集] 他の属性との重複
鬱ゲーとして認知されている作品の中には、他の属性(特徴)を持つもの(例えば泣きゲーや燃えゲー)としても挙げられているものがある。これは一見矛盾しているようでそうではない。
それは、一つの作品が複数の属性を持っている場合がある、ということである。
これは、ひとつには判断基準が「各ユーザーの主観・価値観に依る」というところも大きい。先述の泣きゲーとの比較で言えば、両方に挙げられる作品については、展開する物語に「イメージ」と「内容」との「ギャップ」を強く感じて憂鬱になるユーザーが多数いる一方、登場人物の言動や物語の結末がもたらす浄化感によって「感動して泣ける」ユーザーも多数いる、ということである。当然、双方を感じて「これは鬱ゲーであり、かつ泣きゲーだ。」と判断するユーザーも存在すると思われる。
さらに、対象となるゲームの構造も理由として挙げられる。ギャルゲーやこれに類するゲームのうち、多くの作品が「複数のヒロイン(いわゆる攻略対象キャラクター)を設けて、選択肢等の条件によってその中の誰かとの物語(各ルートやエンディング)に誘導する。」という構造になっている。これは、「全体として一つの作品とされてはいるが、そこには複数の物語が内包されている。」ということである。これらの複数の物語が全て同じ属性(特徴)を持っているという作品は、皆無ではないとしても極めて珍しいと言える。
これらの理由から、複数の属性を持っているとユーザーが認識できる作品は決して少なくない。
[編集] 一般に鬱ゲーと認知されている作品
各区分ごとに五十音順。移植版がある作品については、初出作品の区分に記載。
[編集] パソコンゲーム(アダルト)
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[編集] パソコンゲーム(非アダルト)
- あ行
- さ行
- は行
- や行
[編集] コンシューマゲーム
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[編集] 関連項目
[編集] ゲームの属性
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