藤本ひとみ
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藤本 ひとみ(ふじもと ひとみ、1951年11月2日 - )は日本の作家。一部、『藤本瞳』名義の著書もある。長野県飯田市出身。長野県飯田風越高等学校卒業。12年間の公務員生活を経て作家となる。第4回コバルト・ノベル大賞を受賞。ライトノベルのコバルト文庫から出発し、数々の少女漫画の原作も手がけたが、西洋史を扱った歴史小説や犯罪心理小説へ活動の場を移した。ライトノベルで発表した大量のシリーズの多くは未完であるが、本人はエッセイで「もう女の子の気持ちはわかったから書かない」と述べている。 現在でも西洋史への深い造詣と綿密な取材に裏打ちされた歴史小説や、犯罪心理学小説で脚光をあびている。
彼女の作風は当初、彼女自身の持っているだろうと思われる優等生的な資質が、時に作品を堅苦しくまとめてしまいがちなきらいがあった。しかし、「ウィーンの密使」など、非優等生的な人物を主人公に据えるようになってからは、その生硬な資質を逆に生かし、彼女が好んで描くフランス革命の時期など、何が正しいのか分からない混乱の時期にあって常に真実を見据える透徹した視線を持って、混乱の中にあって描かれる残虐な場面、時に単にエログロに陥りがちな場面にあっても品を失わず、その時代の人物を、見事に描く事に成功している。
王領寺静(おうりょうじ しずか)名義でファンタジー系少年小説を書いている。この名での著作には、中世西洋の騎士を描いた『黄金拍車』シリーズ(角川スニーカー文庫)などがある。『骸骨旗トラベル』『剣奴王ウォーズ』と主人公を同じくし、シリーズが続いていったのだが、何らかの事情によりシリーズは中断している(藤本本人は、再開するつもりはないようである)。
フランス政府観光局名誉会員、アカデミー・ドゥ・カスレ名誉会員、ナポレオン史研究学会会員、ブルゴーニュワイン騎士団騎士。
目次 |
[編集] 著書一覧
[編集] 文芸
- 『ブルボンの封印』 - 新潮社(1992年12月)
- 『見知らぬ遊戯―鑑定医シャルル』 - 集英社(1993年7月)
- 『逆光のメディチ』 - 新潮社(1993年12月)
- 『歓びの娘―鑑定医シャルル』 - 集英社(1994年6月)
- 『コキュ伯爵夫人の艶事』 - 新潮社(1995年2月)
- 『ハプスブルグの宝剣』上下 - 文藝春秋(1995年7月)
- 『綺羅星』 - 角川書店(1995年9月)
- 『ウイーンの密使―フランス革命秘話』 - 講談社(1996年3月)
- 『大修院長ジュスティーヌ』 - 文藝春秋(1996年9月)
- 『聖戦ヴァンデ』上下 - 角川書店(1997年2月)
- 『快楽の伏流―鑑定医シャルル』 - 集英社(1997年7月)
- 『侯爵サド』 - 文藝春秋(1997年9月)
- 『侯爵サド夫人』 - 文藝春秋(1998年3月)
- 『聖アントニウスの夜』 - 講談社(1998年5月)
- (文庫改題:『聖アントニウスの殺人』)
- 『マリー・アントワネットの生涯』 - 中央公論社(1998年7月)
- 『暗殺者ロレンザッチョ』 - 新潮社(1998年10月)
- 『預言者ノストラダムス』上下 - 集英社(1998年12月)
- (文庫改題:『ノストラダムスと王妃』上下)
- 『バスティーユの陰謀』 - 文藝春秋(1999年4月)
- バスティーユ襲撃の舞台裏を描く。
- (文庫改題『マリー・アントワネットの遺言』)
- 『貴腐』 - 文藝春秋(2000年11月)
- 『ジャンヌ・ダルクの生涯』 - 講談社(2001年1月)
- 『離婚まで』 - 集英社(2001年4月)
- 『恋情』 - 講談社(2001年5月)
- 『悪女が生まれる時――シャルロット・コルデー/テレジア・タリアン』 - 中央公論社(2001年9月)
- (文庫改題:『天使と呼ばれた悪女』)
- シャルロット・コルデー、テレーズ・カバリュス、2人の悪女に関するエッセイ。
- 『ジャンヌ・ダルクの暗殺』 - 講談社(2001年11月)
- 『パンドラの娘』 - 講談社(2002年3月)
- 『悪女の物語』 - 中央公論社(2002年5月)
- 『変態』 - 文藝春秋(2002年9月)
- 『皇帝ナポレオン』上下 - 角川書店(2003年9月)
- 『オデパン』 - 文藝春秋(2004年10月)
- 『いい女』 - 中央公論社(2005年3月)
- 『シャネル』 - 講談社(2005年10月)
- 『恋愛王国オデパン』 - 文藝春秋(2006年11月)
[編集] 対談・エッセイ
- 『愛するとき愛されるとき』 - 講談社(1991年3月)
- 『恋より大切な物』 - 講談社(1992年5月)
- 『BIG SEVEN』 - 集英社(1993年12月)
- 『藤本ひとみ対談集』 - 集英社コバルト文庫(1995年9月)
- 『安らぐ恋癒される愛』 - 講談社(1997年2月)
- (文庫改題:『時にはロマンティック』)
[編集] ライトノベル
- 『まんが家マリナ』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1985年 - 1993年)
- 『まんが家マリナ・パリ』シリーズ(『赤いモルダウ』)- 集英社コバルト文庫(1994年 - 1995年)
- 『花織高校』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1986年 - 1988年)
- 『ユメミと銀のバラ騎士団』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1989年 - 1993年)
- 『由里奈のキャスター物語』シリーズ - 角川文庫(1989年 - 1991年)
- 『ららばい』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1987年 - 1990年)
- 『星苑学園』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1988年 - 1990年)
- 『新花織高校恋愛サスペンス』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1990年 - 1994年)
- 『ファッション界ストーリー』シリーズ - 角川文庫(1991年 - 1994年)
- 『テーヌ・フォレーヌ』シリーズ - 新潮文庫(1991年 - 1993年)
- 『KZ少年少女ゼミナール』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1992年 - 1993年)
- 『歴史エッセイ』シリーズ - 角川文庫(1993年)
- 『リバイバル・セレクション』シリーズ - 集英社コバルト文庫(1993年 - 1998年)
- 『リング・どりいむ』 - 集英社コバルト文庫(1985年11月)
- 『ほほえみがいっぱい』 - 集英社コバルト文庫(1989年8月)
- 『花ざかりのロワイアル』 - 集英社コバルト文庫(1989年11月)
- 『緋色のルージュではじまった』 - 新潮文庫(1990年6月)
- 『はるかなる君によせて』 - 集英社コバルト文庫(1990年7月)
- 『藤本ひとみのミーハー英雄伝』 - 角川書店(2003年3月)
- 『藤本ひとみのカジュアル英雄伝』 - 角川書店(2003年7月)
- 『藤本ひとみのラディカル英雄伝』 - 角川書店(2003年10月)
[編集] 漫画原作・原案協力
- 『アリシア 白の輪舞(ロンド)-鉄仮面の秘密』 - 作画:はざまもり、講談社(1984年11月)
- 『虹をとべ!リオンヌ』 - 作画:しのざき薫、講談社(1986年11月)※原作は『花ざかりのロワイアル』。花織まりこの名義になっている。
- 『THE STAR ザ・スター』 - 島崎譲、全24巻、講談社(1987年9月-1991年9月)※原案協力。
- 『りんごの星時間』 - 作画:竹田真理子、講談社(1989年8月)※原作は花織高校シリーズの『あっぷる神話』。
- 『逆光のメディチ』 - 作画:滋野深雪、角川書店(2001年6月)※同タイトルの漫画化。
[編集] 王領寺静の著書
異次元騎士カズマシリーズ
- 『黄金拍車』 - 全5巻、角川書店(1988年3月- 1989年9月)
- 『骸骨旗トラベル』 - 全3巻、角川書店(1990年4月-1991年3月)
- 『剣奴王ウォーズ』 - 2巻以下中断、角川書店(1991年 9月1日-1992年3月)