特五式内火艇
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特五式内火艇 | |
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性能諸元 | |
全長 | 10.8 m |
車体長 | |
全幅 | 3.00 m |
全高 | 3.38 m |
重量 | 29.1 t |
懸架方式 | |
速度 | 32 km/h(陸上) 10.5 km/h(水上) |
行動距離 | 不明 |
主砲 | 47mm戦車砲×1(車体前面) 25mm機関砲×1(砲塔) |
副武装 | 九七式7.7mm車載重機関銃×2 |
装甲 | 8~50 mm |
エンジン | 統制一〇〇型 空冷V型12気筒ディーゼル 240 馬力/2000 rpm |
乗員 | 7 名 |
特五式内火艇 トク(とくごしきうちびてい とく / とくごしきないかてい とく)[1]は、大日本帝国海軍が1945年(昭和20年)に制式化した水陸両用戦車。 終戦直前に開発されたが、実車は完成していない。
[編集] 概要
帝国海軍は上陸作戦用にこの種の車両を開発してきたが、水陸両用戦車であることを隠すため、「特型内火艇」(内火艇とはモーターボートのこと)と呼称した。
本車は一式中戦車を基に開発された特三式内火艇“カチ”を更に発展させたものである。開発当時、戦局は既に絶望的なものとなり、この種の車両は敵の上陸を水際で食い止める、あるいは敵の上陸後速やかに逆上陸を行い上陸地点を蹂躙する、といった役割が与えられた。
主砲は“カチ”車と同じく一式47mm戦車砲であるが、前者が戦車砲塔に装備し、360度の全周射撃が可能なのに対し、本車は車体前面に装備している。代わりに砲塔には25mm機関砲が装備されている。
他の特型内火艇と同じく車体前部および後部には舟形のフロートが取り付けられ、上陸後取り外すようになっている。ただし47mm砲がフロートを避けて装備されていることから、水上にいる時点で敵を攻撃できる(逆上陸時に浜辺の敵を掃射するため?)。
また、本車に装備された25mm機関砲は大戦中帝国海軍の主力対空機関砲であるが、車両に装備した例は本車を除いてない。対人用途に使用するには強力すぎるので、浜辺に向かってくる上陸用舟艇やLVT(水陸両用輸送車両)を攻撃する為のものと考えられる。
生産性を考慮し、溶接構造を採用し、直線的なシルエットとなっている。
[編集] 脚注
- ^ 日本海軍での内火の正式な読みは「うちび」。ただ当時から「ないか」とも読み、現在は「ないか」と読むのが一般的。
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