天井川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
天井川(てんじょうがわ)とは、砂礫の堆積により川床が周辺の平面地よりも高くなった川である。
川に堤防が作られ、氾濫がなくなると、川底に堆積した土砂の上を川が流れるようになり、次第に水面が上昇して天井川になる。天井川が氾濫すると、水は行き場を失い長時間ひくことがない。
川によっては、水面が高くなり過ぎ、敢えて水面の下にトンネルを掘り人を通らせている例もある。これらのトンネルを総称して天井川トンネルという。東海道本線は、旧草津川、芦屋川及び住吉川を、それぞれ天井川トンネルで抜けている。またかつて東海道本線は石屋川をも同様の理由でくぐっていたが、この石屋川トンネルは日本で最初(1871年、明治4年)の鉄道用トンネルであった(現在は高架化により消滅)。
[編集] 対策
人口密集地など土地利用が進んでいる河川を中心に、国土交通省や都道府県が、河川の付け替え、拡幅などの公共事業を実施している。河川の改修が地理的に困難な場合には陸閘(りっこう)等で対応。
[編集] 主な天井川
- 渡良瀬川 - 栃木県足利市付近
- 長良川 - 岐阜県岐阜市付近
- 旧草津川 - 滋賀県草津市。現在は新河道開削により廃川
- 百瀬川 - 滋賀県高島市マキノ町沢付近
- 天竺川、高川、糸田川(神崎川の支流) - 大阪府豊中市、吹田市
- 寝屋川 - 大阪府大東市付近
- 武庫川 - 兵庫県尼崎市・西宮市(下流)
- 芦屋川 - 兵庫県芦屋市
- 住吉川、石屋川 - 神戸市
- 斐伊川 - 島根県出雲市付近
- 大明神川 - 西条市三芳付近