国鉄シキ280形貨車
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シキ280形(シキ280がた)は、1958年(昭和33年)に日本車輌で製造された130トン積み大物車である。富士電機(後に日本AEパワーシステムズ)所有の私有貨車であった。
[編集] 概要
シキ280形は変圧器のような特大貨物を輸送するために製造された貨車である。シキ160形の増備車として登場したもので、搭載方法は同じく吊掛式(シュナーベル式)である。走行性に難のある多軸台車を使用した走り装置をやめて、2軸の日車NC-3形台車を2つ備えた台車上枠を2つ備えた枕枠になった。つまり、全部で8つの台車を備えた16軸車である。
初めての輸送についた帰りに、東海道本線蒲郡-幸田間で脱線事故を起こした。この対策として心皿の改造と死重の搭載が行われ、積車・空車ともに運行速度を35km/hに制限した。
1960年(昭和35年)に新しい荷受梁を製作して165トン積みとなった。
製造当初は安善駅常備で、富士電機製造川崎工場で製造された変圧器を各地へ輸送していたが、1962年の千葉工場の開設と1963年の京葉臨海鉄道の開業を受けて京葉市原駅常備に変更され、千葉工場からの出荷を担当するようになった。2001年に日本AEパワーシステムズの発足に伴って同社の所有となった。2005年に全検切れとなって、工場内で保管されている。
[編集] 参考文献
- 鉄道ピクトリアル 2008年1月号(No.798)pp.34-37「大物車の魅力」高橋 政士