北アイルランド議会

北アイルランド議会議事堂

北アイルランド議会（きたあいるらんどぎかい）は北アイルランドの議会である。

歴史上、1920年アイルランド統治法により設立され、北アイルランド紛争の激化でイギリス政府による直接統治が始まる1972年まで存在したThe Parliament of Northern Ireland（旧議会）と、1998年のベルファスト合意によって設立されたThe Northern Ireland Assembly（愛:Tionól Thuaisceart Éireann、現議会）に分かれる。

議事堂はベルファスト東部のストーモントに置かれている。旧議会は地元ではイギリスの「ウェストミンスター議会」、南アイルランドの「レンスター議会」に対して「ストーモント議会」と通称されていた。

[編集] 旧北アイルランド議会の概要

二院制で、定数24人の議員とベルファスト、ロンドンデリー両市の市長から成る上院（元老院）、定数52人（内4人は1969年までクイーンズ大学卒業生に割り当て）の下院（庶民院）から構成されていた。

庶民院は小選挙区制を採用していたが、北アイルランドを「プロテスタント（イギリス国教会）によるプロテスタント国家」とみなすアルスター統一党（en:Ulster Unionist）が常時30議席以上を占め、与党によるゲリマンダーが頻繁に起こっていた。このことが、カトリック系住民間での公民権運動の高まりとあいまって、北アイルランド紛争の原因の一つとなった。

結果、1972年 1月30日に発生した「血の日曜日事件」を端緒とするカトリック系とプロテスタント系の武力衝突に対処出来ず、同年3月30日の北アイルランド暫定法（en:Northern Ireland (Temporary Provisions) Act 1972）で停止され。翌1973年 7月18日に北アイルランド憲法法（en:Northern Ireland Constitution Act 1973）によって正式に廃止された。以来北アイルランドはイギリス政府による直接統治の時代を迎える。

直接統治時代も、1973年6月の新議会（名称は現在と同じ「Northern Ireland Assembly」）をはじめ、1975年（北アイルランド制憲議会）、1982年（Northern Ireland Assembly(第2次)）、1996年（北アイルランドフォーラム）と、立法機関再建の試みがなされてきた。

1998年 4月10日に成立したベルファスト合意によって議会の再建が定められ、その名称は1973年、1982年と同じく「Northern Ireland Assembly」とされた。選挙は同年6月25日に実施され、新生北アイルランド議会は7月1日より活動を開始した。

現議会はベルファスト合意第1条及び1998年北アイルランド法（en:Northern Ireland Act 1998）に基づき、比例代表制で選出された108人の議員から構成される一院制議会である。

2002年10月に北アイルランド政府（en:Northern Ireland Executive）と共に機能停止に追い込まれたが、2006年5月に再開し、セント・アンドリュース合意を経て2007年 5月に北アイルランド政府の再建を達成した。

2007年選挙（3月7日施行）における議席数は以下の通り。