加平
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加平(かへい)とは東京都足立区東部の一地区。 旧町名は東加平町、西加平町。 住居表示では加平一丁目から加平三丁目まで所在する。郵便番号は〒121-0055
隣接する地域は北は北加平町、東は谷中、南は綾瀬、西は綾瀬川を挟んで六町および西加平および青井。
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[編集] 広義の加平
「加平」と一言で言った場合、それは住居表示における「加平」のみだけでなく、隣接する「北加平町」と「西加平」を含む。これらの地域はかつて、嘉兵衛新田と呼ばれる一つの農村を形成していた。だが江戸時代に綾瀬川が開削されて嘉兵衛新田は地理的に東西に分断され、1932年(昭和7年)に都区制が実施されると、足立区の成立に伴い綾瀬川の東と西で別々の地名が取られることと成った。綾瀬川の東側が東加平町、西側が西加平町となり、さらに後に東加平町は加平と北加平町とに分断された。この記事においては主に加平を中心として記述するが、現段階では原則として西加平および北加平町も歴史的経緯を尊重し、一つの加平としてここに記載する。今後の記事の発展具合によってはそれぞれの記事を分割独立させることもありうる。
北加平町・西加平・加平を一つの「加平」とした場合、隣接する地域は北は神明南、東は谷中、南は綾瀬および青井、西は六町および一ツ家。
[編集] 北加平町
- 北加平町(きたかへいちょう)とは東京都足立区東部の一地区。
- 住居表示では北加平町が所在する。郵便番号は〒121-0056
- 旧町名は内匠町、東加平町、神明町、花畑町。
- 隣接する地域は北は神明南、東は谷中、南は綾瀬および青井、西は綾瀬川を挟んで六町および一ツ家。
[編集] 西加平
- 西加平(にしかへい)とは東京都足立区東部の一地区。
- 住居表示では西加平一丁目から西加平二丁目まで所在する。郵便番号は〒121-0074
- 旧町名は西加平町、六町、東栗原町。
- 隣接する地域は北は六町、東は綾瀬川を挟んで加平、南は環七通りを挟んで青井、西は一ツ家。
[編集] 地域
首都高速と東京都道318号環状七号線とが交差する足立区の東部、綾瀬川の両岸に位置するのが加平地域である。
[編集] 加平
加平は綾瀬川東岸の地域南部にあり、環七通りが地区の中央を東西に横切っている。加平一丁目にはその外観が特徴的な第一加平ランプがとぐろを巻いており、周辺には多数の商業店舗や高層マンションが立ち並ぶ。環七通り北側の二・三丁目には土地区画整理事業の際に整備された公園が多く点在し住宅街の中に憩いの空間を提供してくれている。総じて加平地区には高層マンションや駐車場、流通関係企業が多くあることが地域の特徴であると言えるだろうか。
[編集] 西加平
西加平は綾瀬川西岸、環七通りの北側に位置する。加平と同様に一丁目東部に首都高速道路6号三郷線の加平ランプが存在し、地区の北隣の六町には首都圏新都市鉄道の駅があり、北千住駅から10分程度の町となった。西加平一丁目には区立加平小学校と第二加平ランプといった広大な施設がある他は特に大きな建造物は見られず、道路も狭く区画整理も行き届いていない。花畑街道の西側に広がる西加平二丁目には巨大な東京電力花畑変電所があり、これだけで町域の半分以上を占めている。
[編集] 北加平町
北加平町は綾瀬川東岸、加平地域の北部に位置する。住居表示における丁目がなく、それ単体で町域を形成する小さな町である。町内に目だった大規模建造物は存在せず、中低層住宅街の中に倉庫が点在しており、商業店舗も特に見られない。この原因としては東を東京メトロの綾瀬車両基地、西を綾瀬川に囲まれた閉鎖的地理がこの地域の発展を妨げているとも考えられる。町内には駐車場や倉庫が多いが、これは言い換えれば交通事情が改善されさえすれば、今後のさらなる発展の余地があるということである。 余談だが、太平洋戦争(大東亜戦争 / 第二次世界大戦)中の1945年(昭和20年)4月13日に、アメリカ軍の大型戦略爆撃機B29が北加平町に墜落する事件が起きた。墜落箇所は現在の北加平町12-8付近であり、戦後に戦死したこのB29乗組員13名のための追悼碑と無名戦士之墓が建設されたが、その後の土地区画整理事業で碑と墓は跡形も無く撤去され、近隣住民のほとんども戦後に新たに引っ越してきたものばかりであり、現在ではこの秘話を知る住民はほとんどいない。
[編集] 地名由来
上述のように加平地域はかつて嘉兵衛新田という農村であった。嘉兵衛とはこの地を開拓した伊藤嘉兵衛の名にちなんだものである。その後の1932年(昭和7年)に足立区制が実施された際の町村合併・分割で嘉兵衛は名称の難しさから「加平」と改称し、綾瀬川以東を東加平町、以西を西加平町とした。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
加平地域内に鉄道駅は存在しない。しかし近隣地区に東京メトロや首都圏新都市鉄道の駅があり、徒歩や路線バスで日常的に利用されている。
- つくばエクスプレス線 : 六町駅 / 青井駅
[編集] 道路・橋梁
- 首都高速道路6号三郷線 / 加平ランプ
- 埼玉県道・東京都道102号平方東京線
- 東京都道314号言問大谷田線
- 東京都道318号環状七号線(環七通り)
- 花畑街道
- 新加平橋(綾瀬川橋梁)
- みどり橋(綾瀬川橋梁)
[編集] 施設
教育
- 区立東加平小学校(加平一丁目12-12)
- 区立加平小学校(西加平一丁目)
公園
- 加平第一公園(加平三丁目3-13)
- 加平第二公園(加平三丁目5-9)
- 川端第一公園(加平二丁目23-1)
- 川端第二公園(加平二丁目2-8)
- 上の公園(加平二丁目13-12)
宗教
- 慈恵院足立別院(加平一丁目14-3)
- 創価学会綾瀬文化会館(加平三丁目8-5)
- 東京ホザナ教会(西加平二丁目3-6)
- S.D.A.足立教会(西加平二丁目8-33)
その他
- ホテルシルフィード(加平二丁目)
[編集] 史跡
- いぼ地蔵(加平一丁目1-37)
- 圓泉寺(加平二丁目6-16)
- 本修寺(加平二丁目)
- 天祖神社(加平三丁目5-2)
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- 稲荷社
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- 蒼稲魂命が祭神
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- 三峯神社
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- 日本武尊が祭神
- 西加平神社(西加平一丁目1-36)
- かつての稲荷神社
- 庚申塔(西加平一丁目1)
- 伊藤嘉兵衛の墓(加平二丁目6-16) ※私有地のため無闇な訪問は慎まれたい
[編集] 歴史
加平は江戸時代の嘉兵衛新田の東川端・菖蒲沼・井堀添の三つの字を基礎として成立した。嘉兵衛新田が開かれる以前のこの地域は「ヤムラ」と呼ばれていたという。ヤムラは谷村とも八村とも書かれていたが、開拓前のこの地域は低湿地帯であり、「谷」とはそこから付けられた名であることが多い。実際、中川西岸に「大谷田」、加平と大谷田の間に「谷中」があることから考えると、「谷村」方が適切であったのだろう。
[編集] 年表
[編集] 関連項目
千住地域 |
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千住|千住曙町|千住旭町|千住東|千住大川町|千住河原町|千住寿町|千住桜木|千住関屋町|千住龍田町|千住中居町|千住仲町|千住橋戸町|千住緑町|千住宮元町|千住元町|千住柳町|日ノ出町|柳原 |
西新井地域 |
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梅島地域 |
梅島|梅田|栗原|島根|中央本町|西新井栄町|一ツ家|平野 |
江北地域 |
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舎人地域 |
入谷|入谷町|古千谷|古千谷本町|舎人|舎人公園|舎人町 |
渕江地域 |
竹の塚|西保木間|東保木間|東六月町|保木間|保塚町|六月|六町 |
伊興地域 |
伊興|伊興本町|西伊興|西伊興町|西竹の塚|東伊興 |
東渕江地域 |
大谷田|佐野|東和|中川|東綾瀬 |
綾瀬地域 |
青井|足立|綾瀬|弘道|西綾瀬 |
花畑地域 |
加平|北加平町|神明|神明南|辰沼|西加平|花畑|南花畑|六木|谷中 |