ポリグリシル化反応
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ポリグリシル化反応(ポリグリシルかはんのう、Polyglycylation)は翻訳後修飾の一種である。軸糸など特定の器官を構成する微小管のチューブリンのC末端に数個のグルタミン酸を付加する反応である。初めゾウリムシで発見され[1]、後に哺乳類の神経細胞などでも見つかった[2]。
これまでこの修飾の果たす役割は全く不明であったが、2006年に生理学研究所の研究グループにより、哺乳類の神経細胞内でポリグルタミン酸が神経伝達物質の輸送の標識となっている可能性が指摘された[3]。
[編集] 出典
- ^ Redeker, V., Levilliers, N., Schmitter, J.M., Le Caer, J.P., Rossier, J., Adoutte, A., and Bré, M.H. (1994). “Polyglycylation of tubulin: a posttranslational modification in axonemal microtubules”. Science 266 (5191): 1688–91. DOI: 10.1126/science.7992051.
- ^ Banerjee Asok (2002). “Coordination of posttranslational modifications of bovine brain alpha-tubulin. Polyglycylation of delta2 tubulin”. J. Biol. Chem. 277 (48): 46140–4. DOI: 10.1074/jbc.M208065200.
- ^ [1]
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全般 | タンパク質生合成 - ペプチド結合 - タンパク質分解 - ラセミ化反応 |
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