ピログルタミン酸
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ピログルタミン酸[1] | |
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IUPAC名 | 5-オキソピロリジン-2-カルボン酸 |
別名 | ピロリドンカルボン酸 ピドル酸 5-オキソプロリン |
分子式 | C5H7NO3 |
分子量 | 129.114 g/mol |
CAS登録番号 | [98-79-3] |
SMILES | C1CC(=O)NC1C(=O)O |
ピログルタミン酸(Pyroglutamic acid)またはピドル酸(pidolic acid)は、グルタミン酸のカルボキシル基とアミノ基が分子内縮合反応を起こして、ラクタムを形成したアミノ酸である。このアミノ酸は、バクテリオロドプシンを含めた様々なタンパク質で見られる。
N末端のグルタミン酸残基は自発的に縮合しピログルタミン酸になるが、ピログルタミン酸アミノペプチダーゼはピログルタミン酸残基を開裂させてフリーなN末端に戻すことができる。[2]
[編集] エドマン分解
エドマン分解はタンパク質のアミノ酸配列を決定する化学的手法であるが、グルタミン酸のような側鎖にアミノ基を含むものは自発的に環化縮合し、分解反応を妨げる。そのため先に脱ピログルタミル化を行いピログルタミル基を除去する必要がある。
[編集] 参考文献
- ^ Merck Index, 11th Edition, 8012.
- ^ Podell DN, Abraham GN (March 15, 1978). "A technique for the removal of pyroglutamic acid from the amino terminus of proteins using calf liver pyroglutamate amino peptidase". Biochem. Biophys. Res. Commun. 81 (1): 176–85. doi:doi:10.1016/0006-291X(78)91646-7 PMID 26343
[編集] 関連項目
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全般 | タンパク質生合成 - ペプチド結合 - タンパク質分解 - ラセミ化反応 |
N末端 | アセチル化反応 - ホルミル化反応 - ミリストイル化反応 - ピログルタミン酸 - メチル化反応 - 糖化反応 |
C末端 | アミド化反応 - GPIアンカー - ユビキチン化反応 - SUMO化反応 |
リシン | メチル化反応 - アセチル化反応 - アシル化反応 - ヒドロキシル化反応 - ユビキチン化反応 - SUMO化反応 - デスモシン - ADPリボース化反応 - 脱アミノ反応(酸化的脱アミノ反応) |
システイン | ジスルフィド結合 - プレニル化反応 - パルミトイル化反応 |
セリン/トレオニン | リン酸化反応 - グリコシル化反応 |
チロシン | リン酸化反応 - チロシン硫酸化反応 - ポルフィリン環結合 - リボフラビン結合 |
アスパラギン | 脱アミド反応 - グリコシル化反応 |
アスパラギン酸 | スクシンイミド形成 - リン酸化反応 |
グルタミン | アミノ基転移 |
グルタミン酸 | カルボキシル化反応 - ポリグルタミル化反応 - ポリグリシル化反応 |
アルギニン | シトルリン化反応 - メチル化反応 |
プロリン | ヒドロキシル化反応 |