フェンリア
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フェンリア(英:Fenrir)は、バンダイナムコゲームスのプレイステーション・ポータブル用フライトシューティングゲーム『ACE COMBAT X Skies of Deception』に登場する架空の軍用機。フェンリアは北欧神話に登場するフェンリルの事を意味する。
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[編集] 概要
フェンリアは、レサス民主共和国が誇る空中要塞「グレイプニル」の技術を応用した次世代兵器で、レサス軍の切り札とされる3発エンジンの特殊大型VTOL攻撃機である。また、グレイプニルと同様に、レサス軍最高司令官ディエゴ・ギャスバー・ナバロ率いる軍産複合体の優れた軍事技術力を宣伝するデモンストレーション機でもある。開発と生産は、レサス領南部ダナーン諸島に建設されたアーケロン工場要塞で行われ、オーレリア軍の要塞侵攻開始の時点で少なくとも5機前後の飛行可能機が存在していた。
機体の基本的なコンセプトは、「大型戦闘機並みのサイズにまで小型化されたグレイプニル」といえるもので、特殊燃料気化弾頭を用いたミサイルによる広域制圧能力や、光学迷彩機構の搭載による機体の完全なステルス化といった特徴も引き継いでいる。また、加速性や機動性といった戦闘機としての基本性能の面でも非常に優れており、既存の機体を圧倒する高い能力を誇っている。
[編集] 特徴
翼形状はカナード、翼端部に下反角の付いた主翼、浅い角度の上向き斜め水平尾翼で構成されるスリーサーフェイス機である。垂直尾翼は無いが、垂直安定板の機能は主翼翼端部等の機体各所の斜め翼が、ラダーに相当する機能は、左右2基のエンジンに装備された水平方向に可動する2次元ベクタードノズルがそれぞれ担う。搭載される3基のエンジンの内、中央のエンジンは下方90度前後までの排気偏向が可能で、垂直離着陸の他に空戦時の特殊機動にも用いられる。武装面では、特殊気化弾頭を搭載した長射程ミサイル「LSWM」や、マイクロ波兵器「HPM」といった特殊兵装の他、長射程ASMやマルチロック中射程AAMといった汎用型のミサイルも搭載可能。更に、基本兵装として自衛用の短射程AAMと、コックピットの左右側面部に航空機関砲2門を装備する。光学迷彩を搭載したステルス機という特性上、ミサイルは全て内装式である。
グレイプニルと異なり、光学迷彩に必要な大量の電力は、外部の送電設備からマイクロ波による無線送電で供給されており、発電機構の省略により機体の大幅な小型化に成功、光学迷彩の完成度も高められ、より自然なカモフラージュが可能となっている。また、この送電システムはマイクロ波兵器「HPM」にも応用されているが、無線送電が無ければ光学迷彩もHPMも全く使用出来ないという事でもあり、フェンリアの運用には、マイクロ波送電設備を有する母艦や基地施設等との共同運用が(必須ではないが)求められる。光学迷彩の搭載により、一般的な機体ではキャノピーに相当する部分も迷彩機構で覆われてしまう為、コックピットにはCOFFINシステムが採用されている。
フェンリアにはレサス軍によって生産された機体の他に、アーケロン工場要塞より残骸を回収したオーレリア軍によって、研究目的で再生された機体が存在するが、技術的問題からか光学迷彩機構は再現されず、垂直離着陸機能も中央エンジンの推力偏向ノズルが残るのみで不可能となっている。また、光学迷彩が非搭載という事もあり、HPMについても搭載はされていないと思われる。一方で、これらの機構が削除された事により機体は軽量化し、原型機よりも機動性は向上したとされている。
[編集] 特殊兵装
- HPM(High-Powered Microwave weapons)
- レサス南部に位置するコバルトコーブの研究施設にてテストされていた、マイクロ波を利用したフェンリアのオプション兵装。フェンリアは外部施設からのマイクロ波送電によって光学迷彩に必要な電力を確保しているが、これを応用してフェンリアと送電施設双方からターゲットに向けてマイクロ波を照射、その交点で発生する共鳴現象(マイクロ波加熱の一種)によって、敵機のジェット燃料を急激に加熱して爆破する。フェンリア本体と同様に、マイクロ波送電設備を有する母艦や基地施設等との共同運用を前提とした装備である。この兵器は照準システムの管制補助として人工衛星を使用しており、開発拠点であるコバルトコーブには研究施設の他に衛星管制施設も存在する。共鳴現象が発生するマイクロ波の交点では、放電現象によりプラズマ状の火球が出現する為、目視による回避が可能である。この兵器の発展型として、多数のフェンリアをマイクロ波中継器として用いた、より高出力のマイクロ波兵器も構想されたが、戦時中に実現する事はなかった。
- LSWM(Long range Shock Wave Missile)
- グレイプニルの衝撃波弾道弾「SWBM」と同様の特殊燃料気化弾頭を搭載した、通常軌道型長射程ミサイル。通常軌道型となり射程は短くなったものの、誘導機能を有しており、低空及び地上目標に対しても使用可能となる等、SWBMと比較して汎用性が向上している。一方で、小型化した為か水平方向への衝撃波の拡散範囲は狭まっており、純粋な制圧能力という点ではやや劣る。
[編集] 実戦参加
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
オーレリア戦争当時、レサス軍部では撃墜されたグレイプニルに代わる新たな広告塔として、フェンリアの実戦での活躍が強く望まれていた。フェンリアの性能に絶対の自信を持っていたレサス軍部は、完成したばかりのフェンリアを、製造工場でもあるアーケロン工場要塞の防衛戦に投入し、その模様を全世界に向けて放映する事を計画した。国内向けには、首都アレンダルのスタジアムでセレモニーが予定され、フェンリアの勝利とその高性能ぶりが大々的にアピールされるはずであった。
しかし、要塞攻略の為に派遣されたオーレリア空軍部隊によって、出撃した4機全てが撃墜され、開発製造拠点である工場要塞も壊滅、爆炎を上げて崩壊する要塞の姿が衛星回線を通じて全世界に放映されてしまう。更に、ほぼ同時期に軍部の食料支援金横領疑惑が発覚、レサス国内は一時騒乱状態に陥った。これにより敗戦と横領事件の責任を追及された最高司令官ディエゴ・ギャスパー・ナバロは失脚、結果的にフェンリアの投入はレサス軍の決定的敗北を招く事となった。
[編集] 参考資料
- 『ACE COMBAT X Skies of Deception』 バンダイナムコゲームス、2006年。
- 『ACE COMBAT X Skies of Deception The Complete Guide』 メディアワークス、2007年、210頁。
- 「ACE COMBAT X - ワールド - 用語解説 - HPM」 バンダイナムコゲームス、2006年11月10日
[編集] 関連リンク
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シリーズ | エースコンバット - 2 - 3 - 04 - 5 - Advance - ゼロ - X - 6 |
架空機 | XFA-27 - ADFX-01/02 - ADF-01 - X-02 - CFA-44 - フェンリア - X-49 |
その他の兵器 | コフィンシステム - ストーンヘンジ - アークバード - ケストレル - シンファクシ級潜水空母 - グレイプニル - メソン・カノン - アイガイオン - シャンデリア |
国家 | ウスティオ - エストバキア - エメリア - オーシア - オーレリア - ベルカ - ユークトバニア - レサス |
歴史 | ベルカ戦争 - 大陸戦争 - 環太平洋戦争(ベルカ事変) - エメリア・エストバキア戦争 |