エアポート (列車)
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エアポートとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が、新千歳空港駅~札幌駅・小樽駅間を千歳線・函館本線経由で運行する快速列車。
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[編集] 運転概要
新千歳空港駅~札幌駅間を所要時間36分で結び、新千歳空港発8~20時台、札幌発8~19時台は15分間隔で運転される。空港利用客だけでなく、全区間を通して通勤・通学など幅広く利用される。uシートと呼ばれる座席指定席を設けている。
新千歳空港到着の航空便に遅延が生じた場合は、札幌行きの快速エアポート(3983M列車)最終便の発車を遅らせる。また、航空便の遅延が著しい場合は最終列車を定刻に発車させ、後続の臨時便として手稲行き普通列車を運転する。ただし、臨時便は札幌・手稲までの輸送を主とし、他地方への接続は考慮されない。
[編集] 小樽方面直通系統
1時間に2本、30分間隔が小樽駅までの直通運転を行う。札幌駅発着6~9時台、21~23時台の列車は札幌駅~小樽駅間を普通列車として運転する。また、同時間帯の一部列車は手稲駅やほしみ駅発着となり、札幌~手稲・ほしみ間は普通列車として運転する。普通列車として運転する区間は、uシートも含め全車自由席となる。ただし、引き続き快速区間もuシートに乗車する場合は、指定席料金が別途必要となる。
[編集] 旭川直通系統
1時間に1本「新千歳空港~札幌~旭川」の経路で運転され、札幌~旭川間はエル特急「スーパーカムイ」として運転する。
[編集] 停車駅
札幌駅・小樽駅発着列車
- 新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 - (白石駅) - 札幌駅 - 琴似駅 - 手稲駅 - 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅
- 白石駅には、早朝・夜間の一部列車が停車する。
旭川駅発着列車
- 新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 -(白石駅)- 札幌駅 - 岩見沢駅 - 美唄駅 - 砂川駅 - 滝川駅 - 深川駅 - 旭川駅
- 白石駅は、快速エアポート213号(→スーパーカムイ53号)のみの停車となる。
[編集] 使用車両・編成組成
- 編成
- 4号車にuシート(座席指定席)車1両(4号車)を連結する5両または6両編成
- 札幌・手稲・ほしみ・小樽発着列車(6両編成)
- 旭川発着列車(5両編成)
- 札幌~旭川間はエル特急「スーパーカムイ」として運行
編成表呼び出し・編集・ノート・履歴・鉄道プロジェクト・プロジェクトにおけるノート
列車名・ 運行区間 ・方向 |
←旭川駅 | 「スーパーカムイ」 | 札幌駅→ | ||
---|---|---|---|---|---|
←新千歳空港駅 | 快速「エアポート」 | ||||
←室蘭駅 | 「すずらん」 | ||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
全車両普通車 禁煙席 自由席・指定席別 |
自由席 | 自由席 | 自由席 | 指定席 「uシート」 |
自由席 |
[編集] かつて使用された車両
- 711系電車:1997年3月22日のダイヤ改正で増発された朝の一部列車に711系電車が使用されていたことがある。711系で運転される列車は全車自由席であった。これは721系の車両不足のために生じたもので、731系電車の増備によって721系が捻出されたため、短期間で解消された。
- 781系電車:1992年~2002年の間、旭川発着列車は「ライラック」扱いで運行されており、781系による運転であった。また、間合い運用として札幌~新千歳空港間のみ運転される一部の列車(2002年3月ダイヤ改正以前の90号と197号)にも781系が使用されていた。現在使用の785系と789系1000番台には札幌~新千歳空港間のみの運用は行われていない。
[編集] 沿革
- 1988年3月 - 札幌駅方面と千歳空港駅(現・南千歳駅)方面を結ぶ快速列車として「空港ライナー」が設定される。
- 1992年7月 - 新千歳空港駅の開業に伴い、列車名称を「エアポート」に改称。15分間隔での運行開始。
- 1998年12月8日 - この日限りで721系"Airport"のヘッドマークの掲出を終了。
- 2000年3月 - 札幌駅~小樽駅間の快速「マリンライナー」を廃止。
- 一部を「エアポート」に編入。小樽駅直通列車を60分間隔より30分間隔の運転とする。停車駅に琴似駅を追加。
- 2001年7月 - 指定席「uシート」の連結開始。721系・781系編成とも、4号車の半室のみに設定した。
- 2002年3月 - 最高速度を130km/hに向上。停車駅に恵庭駅を追加。
- 旭川から新千歳空港駅へ直通する列車を781系電車(「ライラック」)から785系電車(「スーパーホワイトアロー」)へ変更。
- 785系電車に「uシート」用新型車モハ784-500番台/785-500番台を連結、5両編成を基本とした。
- 2003年9月 - JR北海道721系電車「uシート」の設置拡大。
- 新型車両の導入と従来車両の増席を行い、4号車の全車を「uシート」とする。
- 車イス対応トイレや車イススペースなど、バリアフリー化を施した自由席新型車両を導入。
- 2004年3月13日 - 新千歳空港行列車の札幌駅発車ホームを、5・6番線に統一。札幌駅・新千歳空港駅に「uシート」専用の指定券券売機を設置。
- 2006年3月18日 - 小樽駅発車ホームを4・5番線に統一。駅到着前の自動放送に次の停車駅までの所要時間が加わった。
- 2007年5月~6月 - 1か月強で恵庭駅通過事故が3回発生。上下両方向に「停車注意標識の設置」等の対策を実施した。
- 2007年10月 - 旭川直通列車に789系1000番台を投入し、785系との共通運用を開始した。
- 自動放送の声優が日本語・英語ともに変更。
- 721系前面の種別表示を「快速」より「快速エアポート」に改め、側面の行先表示の新千歳空港行きの表記に「飛行機マーク」が添えられた。