SH-AWD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive)は本田技研工業の四輪駆動システム。4代目レジェンドと北米仕様の2代目MDX,RDXおよびRLに採用されている。
[編集] 概要
SH-AWDはセンターデフを持たず、リアドライブ部には左右の駆動力を調整する電磁ソレノイドで駆動される湿式多板クラッチを持つ。その点では同社のVTM-4と酷似しているが、異なる部分はそれらが旋回性能を向上するために利用される点にある。旋回加速時には外側後輪の接地荷重が増大するため、より多くの駆動力を配分することにより内側へのヨーモーメントを発生させ、旋回性を向上させている。
プロペラシャフトとリアドライブとの間に遊星ギアを組み込み、後輪への回転数を直結状態では0.6%、旋回時に5.7%高め、リアドライブ内のクラッチにより積極的に外側の後輪に駆動力を配分している。(駆動力配分は、前後で30:70→70:30、後輪左右で0:100→100:0まで無段階で可変することが可能。) つまり後輪は旋回時、外輪が100%、内輪0%まで配分が可能で、この配分により生じる後輪左右のトルク差によって旋回性能を高めている。 これよって旋回時の動力性能を飛躍的に向上させ、「よく曲がる」「安定した」走りを実現している。
ただし、効果が期待出来るのは加速時(アクセルオン)のみであり、減速時(アクセルオフ)にはVSAとの協調制御により挙動の安定を確保している。
2006年に登場したRDX及び2代目MDXには、リアドライブ前にあった2段増速機構を廃止した軽量仕様が適用された。後輪は常時1.7%増速され、直進状態での前後輪の回転差は、リアデフが吸収している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- テクノロジー・ダイジェスト(オフィシャル)