QT延長症候群
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QT延長症候群(-えんちょうしょうこうぐん,long QT syndrome; LQTS)は、心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長を認める病態である。QT時間が0.46秒以上、またはRR間隔で補正した場合には0.44秒以上である場合を指す。Torsades de pointes(TdP)と呼ばれる心室頻拍を惹起することがある。より簡略にはT波の終点がRRの中点を越えていれば明らかにQTの延長とする。この方法はスクリーニング診察時に用いることがある。
[編集] 分類
- 先天性QT延長症候群...Romano-Ward症候群、Jervell and Lange-Nielsen症候群(先天性聾を伴う)など。
- Naチャンネル、Kチャンネルの遺伝子に変異を認めることがある。
- 後天性QT延長症候群...薬剤性など。よくある例としては抗ヒスタミン薬とマクロライドの併用など。
[編集] 問診・検査
- 現病歴・既往歴 失神発作や難聴
- 家族歴 突然死、失神発作
- 服薬歴 マクロライド系薬剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗ヒスタミン剤など。
- 心電図
- アドレナリン負荷試験
- (アドレナリン0.1μg/kgのボーラス静脈注射に引き続き0.1μg/kg/minの持続点滴)により潜在性LQTSの診断に有用である。 外部リンク:負荷試験の意義
[編集] 治療
先天性QT延長症候群では、β-ブロッカーを第一選択薬とする(交感神経興奮が心室頻拍を誘発すると考えられているため)。またカテコラミン分泌を誘発しないよう運動制限もあわせて行われる。