利用者:Morita1938
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はじめまして、morita1938です。 以前、NALに勤めていました、専門はジェットエンジンです、ジェットエンジンの中でもエンジン性能に関することが専門です。 今は、毎日PCと遊んでいます。skypeやMSN Messengerに出ていますのでお気軽にお声をお掛け下さい。
FJR710
1971年から1期2期に分け合計10ヶ年間かけて、旧通商産業省(経済産業省)工業技術院の大型プロジェクト制度の基に研究開発された推力(Thrust)5,000kg、燃料消費率(SFC)0.34、バイパス比 6を目指した高性能ターボファンエンジンである。 第1期計画ではFJR710/10、FJR710/20各3基が製作され、性能試験、耐久試験、耐環境試験に供された。 第2期計画では第1期計画で開発されたエンジンを、更に実用エンジンに近づけるため、FJR710/600が3基設計製作され、耐空性審査要領に定められた各種試験に供された。 1982年12月にプロジェクトは終了し、その後の研究は旧航空宇宙技術研究所(NAL)に引き継がれた。NALはFJR710/600をさらにブラッシュアップしたFJR710/600Sを6基製作し、エンジン空中試験等を実施した後、STOL実験機「飛鳥」に搭載し、100回近くの飛行試験に供された。エンジン総運転時間は7,100時間に達している。 このプロジェクトで培われた技術は国際共同開発エンジンV2500に引き継がれている。
FJR710/600S [1]
大型プロジェクト制度
旧工業技術院にあった制度で、日本の工業技術水準を飛躍的に向上させるために出来た研究開発制度。100%旧通商産業省の予算で賄われる補助金で研究開発を委託していた。多くの成果を生んだが「航空機用ジェットエンジンの研究開発」(FJR710)や「超高性能電子計算機の研究開発」は特筆に価する。
耐環境試験とは耐空性審査要領の中に定められているエンジン安全性に関する試験のうち、鳥の衝突、雨中での飛行、雹の吸い込み、霧中での飛行などを想定した、「鳥打ち込み試験」、「水吸い込み試験」、「雹吸打ち込み試験」、「着雹試験」など、もっぱら環境に支配されるリスクに対する安全確保の試験を一括して、FJR710の研究開発では「耐環境試験」と呼んでいる。
エンジン空中試験 エンジン空中試験とはエンジンを空中飛行試験機(フライング・テスト・ベッド(Flying Test Bed))に搭載し、実飛行条件に合わせた飛行状態で行うエンジン試験のことを云う。日本ではC-1 (輸送機)1号機を改造した空中試験機1機が航空自衛隊飛行開発実験団飛行実験群にある。 この空中試験機を用いた中等練習機(T-4)のエンジン(F3)、飛鳥のエンジン(FJR710/600S)、P-Xエンジンなどの空中試験が行われた。