LANTIRN
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LANTIRN(Low Altitude Navigation and Targeting Infrared for Night ランターン)は、マーティン・マリエッタ(現ロッキード・マーティン)が、開発した航空機搭載用の夜間低高度赤外線航法および目標指示システムの名称である。この機材は、AN/AAQ-13航法ポッドとAN/AAQ-14照準ポッドの一対で構成されているが、湾岸戦争当時のF-16のように航法ポッドのみ搭載やF-14のようにAN/AAQ-14や発展型のAAQ-25のみ搭載よる運用も可能である。1990年代中盤にはA-10やB-1Bによる運用も検討されていたがこのときの計画は予算の問題で放棄された。
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[編集] AN/AAQ-13
AN/AAQ-13は、LANTIRNシステムの航法ポッド、Kuバンドの地形追従レーダーと前方監視用の赤外線センサーを内蔵している。この機材に内蔵された地形追従レーダーは搭載する機体の自動操縦システムと連動させることにより地表もしくは建造物などの障害物から約30m以上の高度で事前に設定したコースに沿って飛行することが可能である。また、パイロットによる操縦で低空飛行を行う場合、HUDに投影された画像に重ねる形でフライトボックスと呼ばれる飛行可能なコースを表示し、この枠の中心をトレースさせる形で航空機を飛行させることにより地形障害を避ける形での低空飛行が可能である。
[編集] AN/AAQ-14
AN/AAQ-14は、LANTIRNシステムの照準ポッド、前方監視用の赤外線センサーとマーキング用のレーザー発信機で構成されている。
[編集] AN/AAQ-25 (LANTIRN 40K)
AN/AAQ-25は、AN/AAQ-13にGPSとの連動能力を与え、運用制限高度の引き上げが行われた改良型で、アメリカ海軍の空母航空団が運用していたF-14に搭載されていた。AN/AAQ-13/25の運用改修が行われていたF-14はRIO席コンソールの右下に装備されていたTARPS用のモニターと差し替える形でこの機材のコントロールパネルを取り付けた為、TARPSとAN/AAQ-25の同時運用は不可能と言われている。FV-213がF-14の最後のディプロメントを行った際に、機体側が改修された事で、他の部隊等へのAN/AAQ-25で捕らえた画像のダウンリンク能力が追加された。
[編集] 関連項目
- スナイパーXR-ロッキード・マーティンがアメリカ空軍向けに生産している次世代型ターゲッティングポッド
- LITENING-イスラエルのラファエル社が開発した航法及び照準機能の統合ポッド