J-2 (ロケットエンジン)
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ロケットダインの J-2はかつてスペースシャトルメインエンジンが開発されるまでは米国最大の液体水素を燃料とするエンジンであった。
J-2はサターンVロケットの主要な部材であった。5基のJ-2エンジンが2段目のS-Ⅱに搭載された。1基のJ-2エンジンがサターンⅤの3段目のS-ⅣBに搭載された。またサターンIBの2段目にも搭載された。計画段階だったノバロケットの上段にも搭載が予定されていた。
J-2固有の特徴は再着火出来ることである。
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[編集] J-2S
J-2の開発計画は1964年に当初、実験計画J-2X(後のJ-2Xとは別物である)として始まった。J-2の原型のガスジェネレータサイクルからタップ-オフサイクルに変更された。それに伴い始動が困難になった。
実験計画の期間中、ロケットダインは6基の先行生産型を試験の為に製造した。J-2Sは1965年から1972年の間に何度も試験され、合計の燃焼時間は30,858秒に及んだ。
[編集] J-2T
J2-Sのターボポンプの開発とエアロスパイクエンジンのノズルを試験する目的で開発された。J-2Sに次ぐ地上試験での燃焼時間だったが、ポスト-アポロ計画が中止された事により終了した。
[編集] J-2X
J-2Xと呼ばれる新しい設計はオリオン宇宙船に搭載される予定である。 [1] NASAは2007年8月23日J-2Xエンジンの新しい試験設備の建設を始めた。[2]
2007年7月16日、NASAはアレスIとアレスVの上段にJ-2Xを搭載する目的での設計、開発、試験、評価に12億ドルの支出を認めた。[3]
[編集] 仕様
[編集] J-2
Thrust (altitude): 200,000 lbf (890 kN)
Burn time: 500 s
Specific impulse: 418 s (4099 m/s)
Engine weight - dry: 3,480 lb (1,579 kg)
Engine weight - burnout: 3,609 lb (1,637 kg)
Exit to Throat Area ratio: 27.5 to 1
Propellants: LOX & LH2
Mixture ratio: 5.50
Contractor: NAA/Rocketdyne
Vehicle Application: Saturn IB & Saturn V / S-IVB upper stage - 1-engine
Vehicle Application: Saturn V / S-II 2nd stage - 5-engines
[編集] J-2S
真空中での推力: 265,000 lbf (1179 kN)
比推力(真空中): 436 s (4276 m/s)
Basic engine weight - dry: 3,235 lb (1,467 kg)
Engine weight with accessories - dry: 3,800 lb (1,724 kg)
Propellants: LOX & LH2
Mixture ratio: 5.50
Contractor: Rockwell International/Rocketdyne
[編集] 出典
- Bilstein, Robert E. (2003). Stages to Saturn: a technological history of the Apollo/Saturn launch vehicles. Gainesville: University of Florida Press. ISBN 0-8130-2691-1.
[編集] 記述
- ^ "NASA to Begin Testing Engine That Will Power Ares Rockets" NASA. 2008-05-10閲覧.
- ^ "NASA's Stennis Space Center Marks New Chapter in Space Exploration" NASA. 2008-05-10閲覧.
- ^ "NASA Awards Upper Stage Engine Contract for Ares Rockets" NASA: 2007-07-16. 2007-07-17閲覧.