IT業界離れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
IT業界離れ[1]とは、新卒や中途採用において労働者が情報処理産業を選択しなくなっていることを指す用語である。新3Kとよばれているような労働環境が一般にも広がっていることが、原因として考えられている[2]。ライブドアの不祥事なども影響しているされる。また、デスマーチなどの苛酷な労働環境はブラック企業の項目にも多く一致するのが現実である。
[編集] 新卒におけるIT業界離れ
バブル崩壊より情報処理の会社の志願者は一貫して下がり続けている[3]。2009年の就職の人気企業ランキング300社に情報処理業は10社程度しか含まれておらず、最も人気が高い野村総合研究所ですら57位である[4]。2007年の10月30日に情報処理機構(IPA)が開催したIPAフォーラム2007では「きつい、帰れない、給料が安い」の3Kに加えて「規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない」の“7K”というイメージを学生から持たれたほか、ITコーディネータやITアーキテクトなどの仕事内容がはっきりしないという学生のイメージもあった[5]。
[編集] 転職におけるIT業界離れ
情報処理産業をはなれる現象は転職市場でも起きている。IT業界で働く者の2人に1人がIT業界からの転職を希望し[6]、40歳代を境にITとは無関係な業務に転職する人が50%を超えている。不満の理由は給与や労働時間に関するものがほとんどであり、デスマーチやITゼネコンの構造による下流工程での給与の頭打ち、サービス残業などの影響があるとされる[7][8]。