3DNow!
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3DNow!(スリーディー・ナウ)は、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) がドルビーデジタルのデコードや3D処理の高速化を目的に開発した、CPUのSIMD拡張命令、およびその拡張版の総称である。
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[編集] 概要
MMXでは整数演算のみをサポートし、浮動小数点演算は未対応であった。3DNow!は、そうしたMMXの弱点を克服すべくMMXに21個の命令を追加することで浮動小数点演算の高速化を図ったものである。
具体的には64bit MMXレジスタに32bitの浮動小数点演算データを2個格納し、それぞれを独立して演算出来るようにしている。3DNow!ではさらに2個のMMXユニットが並列動作可能であるため、最大4個の浮動小数点演算が可能となる。
3DNow!は同社のCPU・K6-2、IDT社のWinChip 2から搭載され始めた。 開発当初はAMD、サイリックス、IDT共に各社別々の仕様を発表していたが、AMDの働きかけにより、三社とも3DNow!を採用することとなった。
3DNow!を拡張した物にEnhanced 3DNow!や3DNow! Professionalが存在する。
[編集] Enhanced 3DNow!
エンハンスト 3DNow! テクノロジ (Enhanced 3DNow! Technology) は、3DNow!に21個の命令を追加したものである。Athlon (K7) から搭載され始めた。一部のK6-2やK6-IIIにも搭載されている。
命令の内訳はMMX拡張命令12個、キャッシュ制御・データ転送用ストリーミング命令7個、サウンド・モデム制御用DSP命令5個。
[編集] 3DNow! Professional
3DNow! プロフェッショナル・テクノロジ (3DNow! Professional Technology) は、エンハンスト3DNow!に52個の命令を追加し、インテルのストリーミング SIMD 拡張命令 (SSE) との互換性を持たせた物である。同社のモバイルAthlon 4、Duron(Morganコア)から搭載され始めた。
SSEと同じく古いオペレーティングシステムでは使用することができず、また、起動時にBIOSのイネーブルビットを1にすることにより使用することが出来る。
[編集] 関連項目
- SIMD
- Streaming SIMD Extensions (SSE)
- AltiVec (Velocity Engine)
- PowerNow!