須田剛一
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須田 剛一(すだ ごういち、1968年 - )株式会社グラスホッパー・マニファクチュア代表取締役。ゲームデザイナー、ゲームディレクター、シナリオライター。SUDA51という名前もたびたび使う。
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[編集] 人物・作風
彼がディレクションを行った作品は、ビジュアルから音楽面に至るまでトータルで評価する場合、国内では他に似た作品を見る事がほとんどない程に独創的である事が多い。また、そのパンクとも「尖っている」とも言える作風は、彼自身が書いたシナリオとともに国内以上に海外での評価を著しく高めている。日本では無名に近いが、海外では高い知名度を誇る。
コナミの小島秀夫、元カプコン(現在はプラチナゲームズ)の三上真司と交流があり、また映画的、実写的文法に説得力を持たせてゲーム内容に活かす制作スタイルを取る両者を尊敬している。小島からは、氏が制作したMSX時代のソフトに強く感銘を受け、自身も造詣の深い洋楽を初めとした音楽について共同の話題を持つ事が多い。三上からはゲームの制作に置ける姿勢と文法において、近年大きく影響受けた事が語られている。
自身の作風とは大きく異なる任天堂、引いては同社の宮本茂に対しても敬意を払っている。近年のインタビューでは、幅広いユーザー層に対してソフトラインナップを揃える任天堂が、手を出さないと思われるジャンル(パンク)作品を、同社のハードへと提供する事に使命感を見せた(『killer7』以降の作品がそれに当たる)。なお、自身のクリエイターとしての最終目標は、宮本が手がけたような「万人向け」作品であると答えている(宮本の言う「万人向け」は、ライトユーザー、コアユーザー、老若男女問わず満足して貰える作品を指す)。
なお、海外で「Suda51」とされているのは、須田「ごういち」→ Suda「51」としたものである。
[編集] 経歴
- 1993年 ヒューマンにプランナーとして入社。
- 1994年 『スーパーファイヤープロレスリングⅢ FINALBOUT』(SFC)でディレクターデビュー。続く1995年の『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』(SFC)ではシナリオも手がける。プロレスゲームにシナリオモードを加えたことや、その型破りなストーリーで物議を呼ぶ。
- 1996年 『トワイライトシンドローム~探索編~』(PS)、1997年『トワイライトシンドローム~究明編~』(PS)のディレクターを経て、1997年『ムーンライトシンドローム』で再びディレクション及びシナリオ執筆を担当。テキストアドベンチャーにサイコホラー/サスペンス/現代風俗等の要素をたくみに織り込んだ作風を確立させていく。
- 1998年 株式会社グラスホッパー・マニファクチュア設立。
- 1999年 『シルバー事件』(PS)を発表。ディレクション、シナリオを手がける。フィルムウインドウと呼ばれる手法の開発によって実現した、テキストアドベンチャーでありながらもスタイリッシュな映像が注目を集める。
- 2001年 『花と太陽と雨と』(PS2)を発表。ディレクション、シナリオを手がける。表現手法はテキストアドベンチャーから3Dアドベンチャーへと移行するが、シナリオ面でのクセのある言葉遣いなどオリジナリティは一層増す。
- 2002年 『michigan』(PS2)を発表。初のプロデュースワークとゲームデザインを担当。全編にわたってTVカメラマンのファインダー越しの視点でプレイするというシステム自体が、報道倫理/道徳観といったシナリオのテーマや、物語の謎にかかわってくるという問題作。
- 2005年 『killer7』(GC/PS2)発表。ディレクション、シナリオを担当。物語性、映像表現、ゲーム性等すべての面で、他ゲーム、他ジャンルに比するものが見つからないほどの独自性で貫徹されている圧倒的作品。日本国内のみならず海外においても、そのオリジナリティは高い評価を得ている。
- 2006年 『サムライチャンプルー』(PS2)発表。ディレクション、シナリオを担当。原作のアニメ作品をチャンバラアクションゲーム化。
- 2006年 『BLOOD+ One Night Kiss』(PS2)発表。ディレクション、シナリオを担当。
- 2007年12月6日 『NO MORE HEROES』(Wii)発売。ディレクション、シナリオを担当。
- 『シルバー事件25区』(携帯アプリ)i-mode、Vodafone Live!向けに配信中。
[編集] ディレクション作品受賞歴
『killer7』
- スウェーデンのゲーム誌「RESET」>>「Besta manus 2006(ベストシナリオ2006)」を受賞
- イギリスのゲーム誌「EDGE」>>「THE EDGE AWARDS 2005」で「BEST VISUAL DESIGN」「BEST AUDIO DESIGN」を受賞
- アメリカのゲーム情報サイト「IGN.com」>>「THE BEST OF 2005」で「BEST ADVENTURE GAME」「BEST STORY」「BEST GAME NO ONE PLAYED」を受賞
- アメリカのゲーム情報サイト「GAME SPOT」>>「BEST OF 2005」で「Best New Character」「Most Innovative Game」を受賞
- 「週刊ファミ通」>>「2005 ゲーコロ的ベスト・オブ・イヤー」を受賞
[編集] 備考
- シナリオだけでなく、トワイライトシンドローム、花と太陽と雨と、NO MORE HEROES等作品に使われる歌曲の作詞もしばしば担当する。
- シナリオライター・佐藤直子曰くSIRENの主人公須田 恭也の姓の由来であるとの事。
- 龍が如く2に声優としてゲスト参加している。