非人道的
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非人道的(ひじんどうてき)とは、人間が行うもしくは受ける行為とは思えない酷いありさまを指す形容詞。「人道的」の対義語である。
[編集] 概要
この言葉は、最近戦争・テロリズム・貧困・拉致など様々な場で引き合いに出されたことは記憶に新しい。
人道という概念の説明は人道の項に譲るとして、人道が社会的動物である所の生物種たる人(人間)として、普遍的な社会にとって必要なルールである以上、これに反する事は即ち、人として恥ずべき・社会や人にとって脅威と成り得るモノであるとされる。
対人地雷や生物兵器・化学兵器は非人道的兵器として扱われるが、これは戦争状態が終結して尚、被害を拡散させ社会の復興を阻むためであると考えられる。過去には様々な強力兵器が開発されたが、特に後年の復興を阻む兵器の多くは非人道的であるとして、国際法(国際人道法を参照されたし)などによって禁止される傾向も見られる。
[編集] 注意点
特にこの概念は、広範囲に及ぶ破壊をもたらす戦争やテロリズム、人としての尊厳を崩壊させる貧困を看過する事、または人を人とも思わないような拉致問題に適用される訳だが、その一方で主観的にこれを用いて形容した所で、当事者にとっては道徳的に必ずしも許されざる事ではない場合も見られる。
一例としては犬食文化や捕鯨の是非等に於ける文化の違いが挙げられるだろう。これらでは非難する側は動物虐待であるとして「非人道的」と形容するが、当事者自身の社会にあっては必ずしも社会に対する脅威では無いため、単なる中傷と考えられる場合も見られる。
極めて強い意味を含む語であるため、この言葉の使用にはそれ相応の注意が必要と思われる。