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『陽だまりのピニュ』は、こがわみさきによる漫画作品。
[編集] 概要
キャッチコピーは「異国の王女様、高校デビュー?!」。主人公たちの通う日下高校と、学校のある日下町を舞台に繰り広げられる物語。ガンガンパワードにて平成15年夏季号から連載を開始した。現在も連載が続いており、単行本は3巻まで刊行されている(2007年12月時点)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
- ピニュエート・チパル・チパルル
- 小柄で、不思議な色の瞳と長い髪を持つ、チパルル王国の王女。愛称はピニュ。現在の女王である母ミニュアンテから湊の祖父の話を聞かされる内に日本に憧れるようになり、単身で日本へやってきた。しかしそこは母が一枚上手で、既に湊の高校へ転入届を出していたため、湊の家へ居候して高校生活を送ることになる。チパルル王国出身ということは知らせているが、王女であるということは湊と久慈くん以外には秘密にしている。日本のことは母の話でしか知らないことと、元々の天然気味な性格も相まって、素っ頓狂な言動で周りを驚かせることが多い。飛んできた物をキャッチしたり、バック宙が出来たり、バドミントンが上手かったりと、意外にも運動神経はかなりのものだが詰めが甘く、バック宙なら着地をミスして跳び箱に頭をぶつけたりなどするためにケガが絶えなかった。名前の由来は、湊の祖父である日向で、それを母がチパルル王国風の発音にして名付けたと思われる。自分の、他人のを問わず「恋」に憧れている。母へ日本の生活を報告する手紙を書くことが習慣になっている。
ネタばれに注意:ここには、作品の 「核心」 に至る内容が記述されています。
-- 以下ネタばれ --
チパルル王国の王女という身分もあり、いつかは国に帰らなければならない。前述のミスのため部長は入部テストを不合格として、チアリーディング部には入部できなかった。現在は久慈くんの計らいで応援団に所属している。人のことをよく見ているが、その割に肝心なところを読み間違えていることもある。さらに久慈くんのことが気になっているが、自分に対しては鈍いようでそれが恋愛感情だという自覚はしていない。名前の意味は「王国の授かり者ピニュエート」。王女であることがバレてしまったごたごたにより、一度王国へ帰る決心をする。
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- 日比菜 湊 (ひびな みなと)
- 日下町に住む高校生。1-C組。ボブのような髪型をしている。チアリーディング部に所属。故人である祖父から聞かされていた「陽だまりの王国」の昔話に憧れていた。名前の由来は、ピニュの母であるミニュアンテで、そのまま名付けようとした祖父を母が制止し、日本語風の発音である湊に変えさせたという経緯がある。どちらかといえば地味な顔で、若い頃の祖父に似ているらしい。小さい頃の夢は、お姫様と友達になって遊ぶこと。
- 久慈 尚武 (くじ しょうぶ)
- 湊のお隣さんでありクラスメート。愛称は久慈くん。応援団に所属。車を買うために貯金しているため常にお腹を空かせていて、しょっちゅう人の食べ物を盗み食いしたりたかりに来たりしているらしい。ピニュ曰く、「湊の一番の仲良しさん」。
ネタばれに注意:ここには、作品の 「核心」 に至る内容が記述されています。
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ピニュに対して恋愛感情を抱いている。ピニュとは違ってはっきりと自覚しており、いつかは王国に帰ってしまうピニュを引き止めたいと考えたり、湊と一緒に居ると嫉妬したりしている。
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- トーリ・モノ・ノル・ルーナ・チパルル
- チパルル王国出身で、ピニュの警護を担当していた。現在はピニュや湊たちと同じ高校へ転入し、一緒に通っている。1-B組。一人で日本へ飛び出していったピニュを折って来日するも、初日にひったくりにあってしまう。そしてこのまま手ぶらで湊の家を訪れたら迷惑をかけてしまうという理由から、「DAY'S EYE」というパン屋の厨房で住み込みの下働きをしていた。甘いお菓子が好き。照れ屋で、ピニュ以外には無口。名前の意味は「チパルル王国のノーナという場所に住むノルさんちの男子トーリ」。
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トーリもピニュと同じく手紙を書いているが、こちらはピニュの父であるチパルル国王へ送っている。内容はピニュの素行や様子と、おムコさん探しだった。
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- 雪永くん (ゆきながくん)
- ピニュや湊のクラスメート。下の名前は不明。タラシらしい。期末ミスコン男子の部では1位になるなど、なかなか人気があるようだ。
ネタばれに注意:ここには、作品の 「核心」 に至る内容が記述されています。
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ピニュにデートしようと持ちかけて近所の草原に連れて行くも、ピニュのペースに乗せられた上に、陸ちゃんに片思いしていることを見抜かれて、背中を押されてしまう。しかし結局その翌日失恋する。水上という近くの町に住んでいて、地元にあるマルサンデパートの社長の息子でもあり、新聞の折込チラシのモデルや、モデルが足りなくなった場合の斡旋などを嫌々ながらやらされている。
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- 陸ちゃん (りくちゃん)
- ピニュや湊のクラスメート。名字は不明。ポニーテールと差し歯が特徴的。女子ながら、「ゲハハ」と笑う癖がある。広報部だということもあり、カメラを持ち歩いていることが多い。
ネタばれに注意:ここには、作品の 「核心」 に至る内容が記述されています。
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- 丸尾修子 (まるお しゅうこ)
- ロングヘアの美少女。1-B組の生徒で、愛称はマルちゃん。特技は裁縫。人前ではおとなしそうに振舞っているが、見た目とは裏腹に気が強く、自分こそが学園のアイドルだと思っている。(しかしどうやら、素の性格はうっすらと周囲にバレているようだ)
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小さい頃はいじめられていたことがある。登場当初はピニュにライバル意識を抱いていて、ジャージを隠すなどの嫌がらせをしていたが、ピニュの反応を見て一方的に負けたと思い込み、「これからはマルちゃんと呼んで」と自分からピニュに歩み寄った。以降はピニュのことを「ピニュピニュ」と呼ぶなど、友人として付き合っている。ただしピニュが目を離した隙に、お弁当に大量のらっきょうを混入するなど、ちょっとしたイタズラはやめる気がないらしい。
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- 長肋 千夏(ちょうろく ちなつ)
- ふわふわしたクセっ毛のメガネっ娘。1-B組の生徒で、愛称はチョースケ。広報部に所属している。マルちゃんがピニュたちと仲良くなるまでは、唯一の友達だった。トーリのファン。
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自分の言葉が人に影響を与えてしまうのが恐いため、人にアドバイスをするのがとても苦手。しかしマルちゃんを追いかけるついでによくピニュを見ていて、ピニュが落ち込むと髪や瞳の色がくすんで見えることに気付き、それをピニュに教えた。
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- 栄 (さかえ)
- ピニュや湊と同じ高校に通っている。下の名前は不明。湊や久慈くんとは同じ日下中出身。元バドミントン部で、中学校時代は光実とダブルスを組んで全国3位までいったことがある。しかし練習試合でケガをした後、誰にも理由を告げないまま部活を引退してしまった。
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ケガをした時網膜裂孔になって、手術を受けている。しかしそれは引退の直接の原因ではなく、昔からかなわなかった光実に対して、意地になって続けていたところがあったため、単なるきっかけだったに過ぎなかった。昔ケガをした側の前髪のみ少し短い。マルちゃんからはザンギリというあだ名を付けられている。
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- 雫石光 実 (しずくいし めぐみ)
- 栄のイトコ。基本的に無表情。遠くの強豪高校でバドミントンを続けていて、栄を自分の高校に連れ出して復帰させたがっている。栄とは考え方が近い上に顔がそっくりで、中学時代のコーチに「二人の違いは表情筋だけだ」とよく言われていたらしい。
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日下町に帰省したのは、栄と同じくケガが原因で網膜裂孔の手術を受けるため。栄と打ち解けてからは連れ出すことを諦め、シングルでバドミントンを続けているようだ。また、文化祭に遊びに来た際に「おれの友達」と呼んだり借りを返すと言ったりなど、ピニュには何らかの好感情を抱いているようだが、ピニュが鈍いために一切進展はしていない。マルちゃんからはピョコ毛というあだ名を付けられている。
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- 八木沼 (やぎぬま)
- 湊の先輩に当たる、チアリーディング部の部長。下の名前は不明で、専ら部長と呼ばれている。ポニーテールでナイスバディ。チアリーディング部のことを「チアガール部」と呼び、何かとちょっかいをかけてくるため、応援団団長の大杜とは諍いが絶えない。唯一大杜のことを団長ではなく大杜くんと呼んでいる。
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しかし、応援団と一緒にやりたいと提案した湊に対してまんざらでもなさそうな態度を取ったり、諍いがひと段落して以降は好意的に接するなど、大杜を心の底から嫌っているわけではないらしい。
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- 大杜 (おおもり)
- 久慈くんの先輩に当たる、応援団の団長。下の名前は不明で、専ら団長と呼ばれている。スキンヘッドで高校生ながらヒゲを生やしている。唯一八木沼のことを部長ではなく名字で呼んでいる。
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八木沼に惚れていて、文化祭の劇の最中告白とも取れる行動を取ってしまった。
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- 小幡 (おばた)
- メガネを掛けた、ピニュや久慈くんと同学年の応援団の部員。いつも驚いた時のように目を見開いているのが特徴的。下の名前は不明。久慈くんやピニュより後に入団したので、部活としては後輩。
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湊に一目惚れしていて、ピニュと久慈くんに「昼飯一ヶ月」で仲を取り持ってくれと頼む。ただしほぼ即答でピニュに断られている。
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- 小幡あみ (おばた あみ)
- 小幡の姉で、同じくメガネと驚き目が特徴。チパルル王国の特集番組でナレーターをしたのがきっかけでチパルル王国に興味を持ち、Ameil(アミル)という芸名で歌手の仕事をしている。ピニュたちが学園祭の劇で使った懐メロのカバーを歌うことになる。
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ピニュの名字からピニュが王女であることを知った。懐メロのカバーの曲名をチパルル語の「Ameil」に変更する際、チパルル王国をブームにしようとする上司などの思惑により、歌詞カードにピニュのことを載せられてしまい、ピニュが王女だと学校の生徒にバレるきっかけを作ってしまった。
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- ノコモコ・プ・プル・プルリモ
- チパルル王国で警護の仕事をしている。30歳過ぎ。ピニュが国を出る時に力を借りた人の一人。長身で、髪はアッシュ系の変わった色をしている。ピニュとトーリはノコモコプ先生と呼んでいる。
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文化祭では、バンダナを巻いてサングラスを掛け、突然車に押し込んで発車させるなど、まるで人攫いのような形でトーリに会いに来た。理由は、ピニュが王女だと知らない陸ちゃんが、チパルル王国・チパルル様宛で出した手紙の写真に、ピニュがケガをしている物などが多く含まれていたため。名前の意味は「プルリモ川いちばんの男」で、出世前はノコモコ・マモ・ミュート・プルリモという名前だった。
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- ミリレオ
- チパルル王国の少女。11歳。髪の毛をサイドと額で計3つに結んでいる。
- ミニュアンテ・アミル・チパルル
- ピニュエートの母で、チパルル王国の現女王。
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-- 以下ネタばれ --
日本家屋風の離れに現在は住んでいて、国王である夫とは別居状態にある。ただし、ピニュが言うには「ケンカしてるわけではない」。名前の意味は「チパルルを愛する者ミニュアンテ」。
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- 日比菜 日向(ひびな ひなた)
- 湊の祖父で、ミニュアンテの初恋の人。職業は写真家だったので世界中を旅することが多かったが、湊の母が小学生の時長い旅に出た。チパルル王国でミニュアンテと出会い、チパルル王国を出た後道に迷って隣国にスパイ容疑で軟禁されており、湊が生まれてから帰ってきた。そのため、湊の母からはあまり良く思われていない。自分の写真は撮らない人間だったために、顔が良く見えない写真が一枚だけしか残っていない。
[編集] クロスオーバー
同じくこがわみさきの単行本である『セツナカナイカナ』に収録されている作品と同じ世界観のようで、「水上町」、「水上西高」などの地名や学校名が出たり、雪永くんが頼み事をした他校の女子高生の制服が水上西高のものなどの共通点がある。さらにピニュがデパートへ行った道は犬の散歩コースだということから、『セツナカナイカナ』に収録されている『おあずけわんこ』に登場した「ワンワンロード」であろうことが窺える。さらにキリオという名前の犬が出てきたり、トーリの抱えている小麦粉の袋に「こむぎこくん」が描かれているなど。