門満寺
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門満寺(もんまんじ)は、備中国賀陽郡、すなわち現在の岡山県総社市にある浄土宗の寺院。山号は賀陽山。
備中国の豪族だった賀陽氏の氏寺の跡といわれており、特に最も古い白鳳時代に創建された部分を指して栢寺廃寺とも呼ぶ。想定寺域のうちに、一辺の長さ43尺(約12.9メートル)の瓦積の塔基壇が見つかっており、その傍らには心礎や円座造り出しの礎石も現存する。平安時代中期に賀陽良藤によって再建されたという伝承が残っている。寺伝によれば、ある日突然、狐に化かされて失踪した良藤を、心配した一族郎等が祈願したところ、13日目に良藤が無事に帰ってきたので七堂伽藍の大寺に建て直したとされる。この物語は当時、都にも広まり『狐草子』の原型になったという。出土した瓦の中には、平安京大内裏の朝堂院に使われていたものと類似した軒丸瓦も含まれている。