達幸故実抄
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達幸故実抄(たつこうこじつしょう)は平安時代末期の有職故実書。元々は3巻だったが、巻二を欠いた2巻が現存する。中山忠親の日記『山槐記』(別名『達幸記』とも呼ぶ。達幸とは忠親の名の反切による)から、子孫の中山定親(1401年-1459年)が有職故実関係の記事を抜粋したもの。節会事・任大臣目事・除目事・叙位事などの項目別に、現存するだけでも三百余の記事があり、その年代は仁平元年(1151年)~建久3年(1192年)に及ぶ。現存する『山槐記』の欠脱部分を補う史料として有用。宮内庁書陵部ほか多くの写本があり、『群書類従』雑部にも収録されている。