通俗教育昆虫館
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通俗教育昆虫館(つうぞくきょういくこんちゅうかん)は、かつて東京市浅草に存在した博物館。浅草教育昆虫館とも呼ばれ、後に昆虫木馬館へ改称した。設立者は昆虫学者の名和靖。
[編集] 概要
1907年(明治40年)、名和靖は日露戦争の勝利記念に昆虫館を建設したいと考え、東京市に「昆虫知識普及館」の建設を申請し、土地を貸与される。こうして、4月21日に「通俗教育昆虫館」の名で開館した。
開館当初こそ人気があったものの、すぐに経営は行き詰まり、後に浅草喜劇の俳優曾我廼家五九郎の援助を得て、それまでの木造から鉄筋コンクリート2階建ての建物へとリニューアルされた。改築の年月日は不明。
その後、根岸浜吉率いる根岸興行部に経営が移り、1922年(大正11年)には昆虫の展示は2階部分のみとなり、1階には木馬が設置され、名称も「昆虫木馬館」となる。
1931年(昭和6年)、2階からも昆虫展示が消え、昆虫館は消滅した。
[編集] 参考文献
- 横田順彌『明治時代は謎だらけ』 平凡社 2002年 71-73頁