輸送密度
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輸送密度(ゆそうみつど)とは交通機関の1日1km当たりの平均輸送量のことである。輸送規模の指標として用いられることが多い。断面輸送量と呼ばれることもある。
[編集] 概要
交通機関の輸送量は、対象が人の場合は運んだ人数×運んだ距離で、貨物の場合は運んだトン数×運んだ距離で表される。輸送量の単位はそれぞれ人キロ、トンキロである。しかし同じ輸送量であっても、長距離の路線と短距離の路線では経営的には短距離の路線の方が効率がよいことになる。このため1日1kmあたりの輸送量を用いて経営効率を計ることになる。輸送密度の単位は対象が人の場合は「人/日」、貨物の場合は「トン/日」である。「1日1kmあたり」という印象から「人/日km」と誤記されている例が多いが、分子が人キロであるため「人/日」が正しい。
ただし、均一運賃の路線バスや路面電車などでは、輸送した距離が収入に影響しないため分子に単純な輸送人数を取って「人/日km」で表すこともある。
[編集] 鉄道における輸送密度
鉄道の場合、大手民鉄、JRの幹線だと数万人から数十万人の規模がある。地方ローカル線だと数千単位であり、一般的に1000を割ると廃止の目安となるといわれている。
日本国有鉄道(国鉄)が民営化される際、輸送密度を基にして廃線するか否かを判断していた。