身代わり伯爵シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『身代わり伯爵シリーズ』(みがわりはくしゃくしりーず)は清家未森/著、ねぎしきょうこ/挿絵の少女向けシリーズ小説(ライトノベル)。角川ビーンズ文庫(角川書店)より4巻が出版されている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
目次 |
[編集] 概要
庶民的パン屋「オールセン」の看板娘であるミレーユは、パン屋の跡継ぎを目指す元気な普通(?)の少女だった。突然現れたリヒャルトという青年に連れ去られた彼女は、自身の出生の秘密と兄・フレッドが駆け落ちをしてしまったことを知る。自分が気軽に兄を焚きつけてしまったせいと責任を感じたミレーユはフレッドの身代わりになるという依頼を了承する。男装の伯爵となり、王宮に出向いた彼女を待ち受けていたものとは…。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- ミレーユ・オールセン
- 主人公。実家のパン屋を国一番にするために日々暴走する少女。パン屋の娘なのに才能に恵まれておらず、自身の作るものに対して味オンチ。作るパンは殺人兵器であるが、周囲が気を使って言わないためもあり無自覚。自称作るのが苦手なビスケットは至極まとも。貧乳であることを気にしている。
- 母が語った、商人の息子で結婚前に亡くなってしまった父親についての嘘をずっと信じていた。兄との身代わりを期に、父が生きていたこと、子供のいない貴族に引き取られたはずの兄は実父の下にいたということを知る。
- もてないと嘆いているが、気付いていないだけで信望者はそれなりにいる。天然であるため、無自覚ながら煽る言動を取ってしまい、リヒャルトを慌てふためかせている。
- 男の身代わりになるのだからと髪を切ったり、不味いパンを食べさせた人々にお詫びをしたりと、性格は素直で男らしい。口癖は「男らしく」。
- 恋愛ごとには疎いが、フレッドのリディエンヌへの思いは本物だと思っている。リヒャルトがセシリアの熱を測っている所を目撃してキスしているのだと思い込み、彼の恋路を応援しようとするが若干複雑(後にリヒャルトによって誤解は解ける)。
- フレッド
- ミレーユの双子の兄であり、ベルンハルト伯爵フレデリック(本来はロイデンベルグ伯爵。ベルンハルト公爵の正式な跡継ぎだと宣言するように名乗っており国王もそれを許している)。国王の甥で、白薔薇という王族のみが持つことの出来る薔薇の称号を父から継いだ。王女セシリアの騎士団長を努めている。
- 私的親衛隊が多数存在するほどの美形で人気者。中でも一番大きな『白薔薇乙女の会』は人々が逃げるほどの熱狂振りである。
- ナルシストで、妹至上主義。妹の観察が趣味で観察日記を付けている。利用できるものは何でも利用したり、人をからかうのが好きである。洞察力に優れており、セシリアを暴れさせることで必要な鬱憤晴らしをさせている。
- 死んだと思っていた実父のことを知り、母との復縁を望む彼に協力するため養子となる。
- リヒャルト・ラドフォード
- フレッドの親友で、フレッド不在のために必要となったミレーユを迎えに来た護衛役。真面目で有能であるが、天然でミレーユの前ではヘタレ気味。女性にとてももてる。味オンチでなんにでもおいしいと言うが、ミレーユのパンには撃沈。
- フレッドの副官でもあるが、主人であるセシリアに説教が出来る唯一の存在。隣国シアランの出身。妹がいるが共に暮らしてはおらず、その出生には色々と秘密がある。祖父はトーマス・ラドフォード男爵。主人公のミレーユに恋心を抱いているが、天然のせいかまったく自覚していない。だが3巻の最後に、あっさりと自分の気持ちを自覚した。
[編集] 王族
- エドゥアルド
- ベルンハルト公爵で、ミレーユらの父。国王の息子であることを隠しミレーユらの母・ジュリアと交際していたが、息子の地位を確立させるための政略結婚を目論んでいた母に脅され、ジュリアが身ごもっていることを知らずに別れてしまう。数年後、妻を亡くしジュリアに会いに行った所子供達の存在を知る。娘大好きであり、ミレーユとよくいい雰囲気になるリヒャルトを目の敵にしている。
- ジーク
- ミレーユに、フレッドの恋人で第一王子の騎士と名乗った青年だが、その正体はアルテマリスの王太子アルフレート殿下。本名はジークヴァルト。リディエンヌとは熱々であるが、ミレーユを気に入り、将来作るハーレムの第二夫人にしようと画策している。
- フレッドやリヒャルトと時折悪巧みをしている。
- リディエンヌ
- フレッドとの駆け落ち疑惑をかけられたジークの婚約者。「雪の妖精」の異名で知られる美女。ミレーユと同国出身の貴族の娘。一部の臣下が願っていた女性ではなかった為命を狙われかける。ジークとは周囲が目を逸らしたくなるほど熱々だが、初対面から気に入ったミレーユをジークよりも優先したがる。ジークのハーレム構想は彼女の願望である。
- ヴィルフリート
- 青薔薇の称号を持つ第二王子。珍品を集めるのが趣味で、その点に関するフレッドのライバル。入れ替わり中のミレーユにも暴言を吐きまくるが、パンを素晴らしいと言った事で彼女からは好印象を持たれている。フレッド(ミレーユ)に違和感を持ってから、そのことが気になりミレーユに対する恋心を自覚しかけている。
- セシリア
- 王の末娘であるが、母である第二后妃の連れ子。白百合の称号を持ち、騎士団の団長はフレッド。かなりのツンデレで、フレッドが好きだが素直にそれを表せず、その言動によく爆発する。「20歳まで嫁の貰い手がなかったら責任を取る」という彼との約束を大事にしている。
- 実は七年前に祖国を追われた前シアラン大公の末娘・公女マリルーシャであり、亡くなった実母はアルテマリス国王の姉である。同母兄は死んでいると思っており、リヒャルトの正体には気付いていないが、フレッドに対するものとは違った思慕を向けている。亡命の後に現在の母親の家の養女となる。
- シルフレイア・ユリエル・コンフィールド
- コンフィールド公国の女公爵。亡くなった父がアルマテリスの王弟のため、第3位王位継承権も持つ。18歳だが童顔のためセシリアより幼く見える。読書が好きだが愛読するのは怪奇現象関係で、特技は呪詛返し(5割増し)。ルーディの妹弟子で、占いはよくあたるらしい。政略結婚等から自身と国を守るため、フレッドに求婚するも断られる。現在はカインが気になっている。
- シャルロット・ド・グレンデル
- リゼランド貴族の娘で、愛称はシャロン。リディエンヌとは女王の宮廷劇団での姫役仲間であった。とても仲が良く容姿も似ている。ミレーユらとは祖母同士が姉妹という間柄。母親がサヴィーアの出身で、そちらで生まれ育った。なにかあると人形を殴るという妙な癖を持つ。
- ジークの元縁談相手。
[編集] 騎士団
- 白百合騎士団
- セオラス
- 騎士団の中で、入れ替わりを知る一人。女だと知っていながらセクハラまがいのことをしたため、一時期下僕にさせられた。
- カイン・ゼルフィールド
- 白百合騎士団の副団長で、子爵。人を守護霊で判断し、型や頭に黒猫を乗っけている変人。お化けが怖いミレーユからは危険人物と認定されている。人を判別しやすいからと「○○の宿主殿」と呼ぶ。
[編集] シアラン公国
- エセルバート
- マリルーシャ(セシリア)の兄にして、シアランの元王太子。7年前以来生死は不明となっているが…。
- ヒース
- 紫の瞳をもつ、ミレーユ兄妹の幼馴染にして、ランスロットと名乗る義賊の一員。シアランの神官としてアルマテリスに滞在中。不思議な力を持つ。
[編集] その他
- ロドルフ
- ベルンハルト公爵家の執事。娘のことで騒ぎ立てる主人を冷静に見つめる。
- ルーディ
- シルフレイアの姉(兄)弟子であり、フレッドやヴィルは重要な顧客である。外見がセクシーな美女であるため、ミレーユにうらやましがられている。リヒャルトのことは彼がシアランからやってきた頃から知っており、彼のことが好きなため、ミレーユはライバルでもある。
- イアン・クラウセン
- いきなりフレッド(ミレ-ユ)に決闘を申し込んだ、絵描きの青年。シャロンとは同郷出身で、幼いころから結婚の約束をしていた。リゼランドで再会してからは、秘密の逢瀬を重ねていたが、別れを告げられる。絵の実力を認められ、シアランに行くことになっている。
[編集] 用語・国名など
[編集] 用語
- 白百合騎士団
フレッドが団長を務める、セシリア王女の騎士団。
- 守護霊
カインのみが認識している。ミレーユにはクリスティーヌの宿主、シルフレイアにはマットがついている。
[編集] 国名
- リゼランド王国
ミレーユが住む国。首都はサンジェルヴェで、開放的な女王が統治する国。女王が率いる宮廷劇団がある。
- アルテマリス
ストーリの中心の国。首都はグリンヒルデ。リゼランド国の北側に位置し、ベントハルト公爵領は国境に近い。
- コンフィールド公国
アルテマリスと縁戚関係にある隣国。国主・シルフレイアはアルテマリスより公爵の地位も授かっている。
- シアラン公国
パンの技術では一番の国。女性が髪の毛を短くすることは禁忌とされている。前大公の妻はアルテマリス現国王の姉であり姻戚関係にあったが、大公の死後の跡目争いの騒乱で、その子らは行方不明である。国花は百合。
- サヴィーア
シャロンの故郷である、北部にある小国。守り神をかたどった人形を殴ると、自身についた悪運や災いを引き受けてくれる。
以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。