詐病
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詐病(さびょう)とは経済的または社会的な利益の享受などを目的として病気であるかのように偽造する詐偽行為である。詐病と言う病名は存在しない。一般的に仮病とも呼ばれる。また仮病と言う病名も存在しない。
ミュンヒハウゼン症候群が周囲の関心を引くために行われるのに対して詐病はもっと実利的な目的で行われる。
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[編集] 経済的な詐欺行為
詐病は保険金や社会保障などを不正受給する詐欺行為のために行われる。 また、完全に嘘ではないが怪我による苦痛や不利益を過剰深刻して保険金や保証などを余分に引き出す行為も行われる。
病気療養中でも給与の一部が支払われたり、共済などから給与相当分が支払われることを悪用して診断書などを偽造して病気利得を得る行為がある。 公務員がこれを利用して長期欠勤のまま給与を不正受給し続けたことが問題化したことがある。
病気による就労不能を理由として生活保護を不正受給する。 しかし、近年では引きこもりは一種の精神病や適応障害であり、正当な病気による就労不能であると主張する意見もあり、これは詐欺行為とは言えないといわれている。 実際に生活保護を需給している引きこもりも存在する。
[編集] 社会的な義務の免除
韓国など兵役義務のある国では兵役義務の免除のために詐病を用いる場合もある。
[編集] 犯罪行為の隠蔽や減免
心神喪失状態を装う事例は数多い。 また、障害者を装って犯罪の実行能力の欠如を示すことで容疑者から除外されるよう誤認させる方法もある。
[編集] 詐病に使われる病気
- 主に患者の自己申告のみで症状が確定するような病気が用いる場合。
- 尿検査などで尿に故意に薬品や異物を混入させることで検査結果を誤認させる。
- 韓国では兵役逃れのために腎臓疾患を偽造する薬品が闇取引され社会問題化している。
- 糖分を混入させて糖尿病であるかのように検査結果を誤認させる。
- 極端な量の薬品や塩分、糖分などを摂取して血液検査の検査結果を誤認させる。