記事広告
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記事広告(きじこうこく)とは、一般に新聞・雑誌などにおいてPR内容が通常の記事とよく似た体裁で編集されたペイドパブリシティ(paid publicity)の一種。
通常はクライアント企業・広告代理店が持ち寄った情報をもとにメディア側が記事・番組を作るが、広告代理店が直接記事を作成する場合もある。
純広告ではなく記事の体裁をとることで、消費者の警戒心を取り去り注目を集めやすい。
記事広告は費用的には広告に準じた水準(追加費用発生の場合もある)となる。マスメディアにおいて広告収入が減少傾向にある中、記事広告は重要な収入源となっている。
[編集] 各メディアにおける導入
雑誌およびラジオにとっては広告収入の減少は深刻であり、一部を除けば記事広告による収入は生命線とも言える。ペイドパブリシティの案件にあわせて記事や番組が構成されるタイアップも見受けられる。
テレビにおいてもペイドパブリシティは広く導入されている。情報番組などにおける紹介のほか、ドラマ(特にトレンディドラマ)などで商品をさりげなく露出させる手法も定番となっている。また明確な分類は難しいものの、テレビショッピングも記事広告の一形態と考えることができる。
新聞においても記事広告は多いが、有力紙では「記事の隅に『PR』『企画広告』といった文字を載せる」「編集協力者として企業名を明示する」など、一目で広告とわかるような注意書きがなされるのが普通である。
またインターネット利用者の増加に伴い、この分野でのペイドパブリシティが注目されている。ブログやメールマガジンに記事広告を出す手法が広まりつつある。インターネット上で記事広告を掲載する場合、大規模なサイトやオピニオンリーダーに依頼して情報の普及を図る方法と、多数の小規模媒体に直接依頼して情報を仕掛ける方法がある。他の媒体と比べると、広告審査がない(あるいは緩い)ため幅広い表現方法が使えるメリットがあるが、執筆内容が記事広告であることが露見した場合は激しい拒否反応が起きる傾向がある。
[編集] 提灯記事と記事広告
提灯記事があくまで「(少なくとも表向きには)記事を執筆する記者の自発的な意思によって、記事の対象となる相手を持ち上げるもの」なのに対し、記事広告は「記事の対象となる相手が広告料などを負担して掲載してもらうもの」である。
[編集] 問題点
記事広告の場合、企業側の情報に基づいて記事が作られ、たいていは独自取材は行なわれないので一方的な内容になる。ジャーナリズムの観点からは中立性・正確性を損なう可能性がある。
記事広告はしばしば一種の「裏金」作りに利用されることもある。代表的な例としては、2000年から2001年にかけて朝日新聞社が『週刊朝日』誌上における連載企画について、武富士から「編集協力費」名目で5000万円を受け取っていたにも関わらず、誌上では「武富士」のクレジットが一回も出されなかったケースが挙げられる。
また放送メディアの場合、放送法との兼ね合いが問題になる。第51条の2において「対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない」と規定されており、一部のペイドパブリシティはこれに抵触しているのではという指摘もある。
ジャーナリズムにおいて記事広告の取扱には細心の注意が求められ、一般消費者側ではメディアリテラシーが求められる。