解離 (化学)
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解離(かいり)は、錯体や分子および塩などが分離または分裂し、より小さい分子や、イオンもしくはラジカルを生じる一般的な過程である。なお、解離反応は多くの場合において可逆反応である。
共有結合が切断される場合は同意語として開裂とも呼ぶ。また、塩がイオンに分かれる解離のことを電離とも呼ぶ。
解離の反意語(逆反応)は結合や再結合。小分子への分離の場合には、会合も反意語となる。
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[編集] 解離定数
以下の式で表されるような化学平衡状態にある可逆的解離について、
解離定数は下式で求められる。
ここで [X] は基質Xの濃度を示す。解離定数 Kd は解離した化合物と解離していない化合物との比である。
会合定数(結合定数とも)Ka は、解離定数 Kd の逆数である。
生化学分野や酸塩基の議論では、解離定数を用いることが多い。逆に、超分子化学やホスト・ゲスト化学では会合定数の大小で会合能の評価を行う場合が多い。
[編集] 塩
水のような溶媒に塩を溶解させると生じる塩の解離は、具体的には陰イオンと陽イオンが解離することを意味する(電離)。これは、溶媒を蒸発させることで塩に戻すことが可能である。
[編集] 酸
溶液中におけるブレンステッド酸の解離はプロトン H+ の遊離を意味する。詳しくは記事:酸と塩基を参照せよ。この反応は、解離と再結合が同時に生じる平衡反応である。酸解離定数 Ka は酸の強度の尺度として用いられる。より強い酸ほど、より大きい Ka 値と小さい pKa 値をとる。(pKa = −logKa)
[編集] フラグメント化
分子のフラグメント化は、ヘテロリティック開裂やホモリティック開裂の過程で起こる。
[編集] レセプター
レセプターは、小分子リガンドと結合するタンパク質である。解離定数 Kd は、リガンドとレセプターとの親和性の尺度として用いられる。 レセプターとの親和性が大きいリガンドほど Kd はより小さな値となる(pKdはより大きな値となる)。