蓋延

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蓋延（こうえん、? - 39年）は後漢の武将。字は巨卿（きょけい）、漁陽郡要陽の人（『後漢書』列伝8・本伝）。後漢・光武帝の功臣であり、「雲台二十八将」の11位に序せられる（『後漢書』列伝12）。

[編集] 略歴

姓名	蓋延
読み・ピンイン	こうえん〔Hé Yán〕
時代	新代 - 後漢時代
生没年	生年不詳 - 39年（建武15年）
字・別号	巨卿（字）
本貫・出身地等	幽州漁陽郡要陽県
職官	漁陽郡署営尉、行護軍〔更始〕 →偏将軍〔劉秀〕 →虎牙（大）将軍（後に兼左馮翊）〔後漢〕
爵位・号等	建功侯〔劉秀（後漢）〕→安平侯〔後漢〕
陣営・所属等	王莽→更始帝→光武帝
家族・一族	子：蓋扶

身長8尺（184センチ）、300斤（66キロ）の強弓を引く。幽州北辺は匈奴との境であるため勇力を尊ぶ地方で、蓋延も侠気で知られていた。郡の属官、州の従事と為る。彭寵が漁陽の太守となると、蓋延は営尉となり護軍都尉を兼ねる。王郎が挙兵するに及んで、呉漢と共に謀って、劉秀に帰順する。同郡の呉漢・王梁、更に上谷郡の将景丹・寇恂・耿弇と共に、王郎の軍を撃ち、広阿で劉秀の軍に合流する。偏将軍に任じられ、列侯に封じられ、従いて河北を平らげる。劉秀が皇帝に即位するや蓋延を虎牙将軍と為す。

建武2年（26年）4月、四将（馬武・劉隆・馬成・王覇）を率いて、天子と号した梁の劉永を囲む。元更始帝の将であった蘇茂は蓋延と仲が悪く、淮陽太守を斬って広楽に拠って劉永につく。6月、蓋延は雎陽を落とし、劉永は譙へ奔る。12月、蓋延は劉永を沛の西に破る。蘇茂・佼彊・周建、軍を合わせて劉永を救援するも、蓋延に破られ、蘇茂は広楽に走り、佼彊、周建は劉永に従って、湖陵に砦する。

建武3年（27年）4月、光武帝は呉漢に七将を率いさせ、蘇茂を広楽に囲む。周建は蘇茂を救援するも、共に敗れ城を捨てて湖陵、劉永の元に戻る。雎陽は劉永を再び迎える。呉漢は蓋延と軍を合わせ、これを囲む。7月、城中の食が尽きて、劉永・蘇茂・周建は逃れる。劉永の将慶吾は劉永を斬って降る。劉永の弟劉防は城を挙げて降る。蘇茂・周建は劉永の子、劉紆を立てて梁王とする。

建武4年（28年）春、蓋延は周建・蘇茂を攻め、董憲と留の下に戦ってこれらを破り、龐萌を率いて西防を攻め落とす。再度、周建・蘇茂を彭城に破り、周建・蘇茂は逃走する。7月、董憲の将賁休は蘭陵城を以って降るが、董憲はこれを囲む。蓋延は龐萌を率いて賁休を救わんとするも、光武帝の指示に従わず、返って董憲の計略に嵌って勝てず、蘭陵は董憲に落ち、賁休は斬られる。

建武5年（29年）3月、龐萌は董憲を撃つ詔書が蓋延独りに下り、自分に及ばなかったことを蓋延の誹る所と疑い、遂に反して楚郡太守を殺し、董憲につく。7月、光武帝自ら龐萌を討伐するに当たって、呉漢、蓋延らを召集し任城に会し、龐萌を桃郷に討つ。昌虜を攻め、董憲を破る。

建武6年（30年）春、光武帝に命じられ、祭遵、耿弇、王常、馬武、劉歆（劉植の従兄弟）、劉向と共に天水より公孫述を討たんとするも、叛乱した隗囂に敗れ、隴を降る。光武帝は、蓋延を長安に駐屯させる。

建武9年（33年）、隗囂が病死するや蓋延は西方の諸勢力を討ち、平らげる。

建武11年（35年）、中郎将来歙に率いられ馬成と共に公孫述の将を河池、下弁に攻めるも、来歙が刺客に倒れて勝たず、蓋延は病気故に引き返す。将軍職のまま左馮翊の長となる。

建武15年（39年）、その職位のまま亡くなる。

[編集] 人柄・逸話

敵を侮り深入りして、光武帝に何度も諌められている。
来歙が刺客にやられた際に蓋延を呼び出すが、蓋延は来歙を見て号泣し、来歙に「後を託さんと呼ぶが、返って女子供に倣って泣くか。刃は身に在るといえども、兵を整えて公を斬ることが出来ない訳では無いぞ」と叱咤され、涙を収めて傾聴した。
左馮翊の長の時、非法が多く、配下であった第五倫がしばしば諌めているが、蓋延は逆恨みして、第五倫を推挙することは無かった。