若松賤子
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若松 賤子（わかまつ しずこ、元治元年3月1日（1864年4月6日） - 明治29年（1896年）2月10日）は、日本の作家、翻訳家。本名は巌本甲子（いわもと かし）、後に嘉志子（かしこ）。旧姓、松川。『小公子』の翻訳で知られる。
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[編集] 経歴
会津藩出身。父は会津藩士である松川勝次郎正義。戊辰戦争による一家離散のため、横浜の商人に引き取られる。フェリス女学校（現フェリス女学院大学）の創始者であるメアリー・E・キダーに厚遇され、給費生同様の待遇で高等科で学ぶこととなり、卒業後は母校の英語講師となる。
明治19年（1886年）『女学雑誌』に紀行文『旧き都のつと』を発表。その傍ら、英国の詩や小説の翻訳を始める。明治22年（1889年）に『女学雑誌』の主宰者である巌本善治と結婚し、3人の子どもを育てながら執筆活動に勤しむ。『小公子』の翻訳の後に『小公女』の翻訳に取り掛かったが、未完のまま、明治29年（1896年）に結核によって死去。
[編集] 主な作品
[編集] 小公子
明治23年（1890年）8月から明治25年（1892年）1月に渡って『女学雑誌』で発表された。移入児童文学が現われ始めた明治の初期に言文一致による翻訳を行い、翻訳児童文学ひいては児童を対象にした口語体表現様式を開拓し、その訳文は森田思軒や坪内逍遥などによって激賞された。なお、単行本は、明治25年（1892年）に女学雑誌社から前編だけが発刊されたものの、後の明治30年（1897年）には遺稿集として博文館から全編が発刊されて、児童文学の近代化に寄与することになった。
[編集] 小公子以外の主な作品
- 忘れ形見（1890年、『女学雑誌』）
- イノック・アーデン物語（1890年 - 1892年、『女学雑誌』）
- おもひで（1896年、『少年世界』）
[編集] 参考文献
- 滑川道夫他編著 『作品による日本児童文学史 1 明治・大正期』 牧書店、1968年。
- 滑川道夫他編著 『作品による日本児童文学史 3 昭和後期』 牧書店、1972年。
- 日本児童文学学会編 『児童文学事典』 東京書籍、1988年 ISBN 4487731917
- 尾崎るみ編 『若松賤子創作童話集』 久山社、1995年 ISBN 4906563643
[編集] 外部リンク
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